1歩目:サンプルキャラクターを書き込んでみよう!
080329
さて、先頁では「習うより慣れろ」と言うことを述べたが、実際のところ、あーだこーだ言われるよりも「見本を見ながらとりあえず書いてみる」ほうが覚えやすい。
そこで、いしかわがこれから作るキャラクターをそのままキャラクターシートに記入するところからはじめてみよう。(←ちなみにこうやって色が変えてあるのは実際に作業をするポイントである。また、文中Aなどとあるのは書く「場所」を大まかに示す記号である。後述の「見本」と対応しているので、記入の際の参考にしてほしい。)
ということで、今回はハーフオークのバーバリアン、名をヴァルダ・イムシュと言うキャラクターを作成しよう。
そこでまず、キャラクターシートを準備していただこう。
未記入のキャラクターシートは当サイトのこちらにいろんなタイプのものが置いてあるが、今回は続く章での解説の都合上、こちらのキャラクターシートのオマケとしてついているブランクキャラクターシートを使用していただこう。ダウンロードして印刷してくれ。
また、今回の説明用にキャラシーのどこに記入すればいいかをざっくりと書いた見本をこちらに用意したので、これもダウンロードしておいてくれ。こちらは必ずしも印刷の必要はないが、印刷した方が作業ははかどると思う。
なお、プリンターがない人はPHB巻末のキャラクターシートをコピーして使ってもかまわないが、説明と食い違う点が出てきても泣かないと心に誓ってから用意して欲しい。
また、キャラクターを作るにはp4〜に書かれているように「プレイに必要なもの」を用意する必要がある。ここにあるものすべてが必要なわけではないが、とりあえずダイスのセット、筆記具(消しゴムで消せるものが望ましい)などが必要だ。特にダイスは6面体(以下d6)が4個あるほうが楽チンなので、ぜひ用意して欲しい。
#と言っても本編ではまだダイスは使用しないのだが
さて、さっそくp6の手順に従ってキャラクターを作ってみよう。
念のため再掲しよう。
0.ダンジョンマスターに確認をとっておく
1.能力値
2.クラスと種族を選ぶ
3.能力値を割り振り、調整を加える
4.開始パッケージを参照する
5.種族的特徴やクラスの特徴を記す
6.技能を選ぶ
7.特技を選ぶ
8.「キャラクターの描写」(第6章)を見る
9.装備を選ぶ
10.戦闘や技能関係の数値を記す
11.さまざまな細かい点
DMへの確認はさておき、まずは能力値を決定する。
PHBでは4d6(うち低いダイス1ケを無視)を6回行って、それを3.の工程で割り振る、と言うことになっている。
おっと、4d6ってのはわかるよね?dはダイスのこと。例えばd20と書いてあれば、それは20面ダイスを使えってことだ。で、dの前に数字が書いてあったらその数だけダイスを振れ、ってこと。例えば4d8とあれば、「8面ダイスを4個(または4回)振れ」ってことだ。
ここでは4d6なので、6面ダイス(いわゆる「さいころ」って奴だ)を4個振って、そのうち目のいいもの3つを選んで合計する、って作業を6回繰り返してメモっておく。
話を簡単にするために、ここではわたしが振った値を使用してくれ。
……っと、14,13,13,17,11,9が出た。 まあ、平均的か、それよりちょっといい目だね。
さて、次の手順は『2.クラスと種族を選ぶ』だが、これは前述のとおり職業はバーバリアン、そして種族はハーフオークと決定している。なので、キャラクターシート1頁目の上の「名前」「性別」「クラス/レベル」「種族」欄に、それぞれ「ヴァルダ・イムシュ」「男」「バーバリアン/1レベル」「ハーフオーク」と記入しよう。A
『3.能力値を割り振る』に行こう。
ちなみにハーフオークがどんな種族かについてはp18からの解説を参照のこと。
「どの能力値がいつ/何に必要か」、能力値が何を意味しているかの詳細についてはそれぞれの章で述べることにして、ここではバーバリアン、あるいは前衛職に必要そうな【筋力】【敏捷力】 【耐久力】に高い値を割り振ることにしよう。
君のキャラクターシート 能力値欄に下のように書き込んでくれ。
【筋力】 17
【敏捷力】 13
【耐久力】 13
【知力】 14
【判断力】 11
【魅力】 9
書けた? いやいや、まだ終わってないんだ。
君のキャラはハーフオークなのだ。さあ、p19を見よう。ハーフオークはなべて力が強いが、愚鈍かつ粗雑なのだ。キャラクター作成のこんな初手から罵りの言葉を浴びせられる種族ってのはどうなのよと奥歯をかみしめながら説明を読んでみれば、おおなんと言うことか、【筋力】には+2、【知力】【魅力】には-2の修正が課されるとあるではないか。
なので、これらの修正を加算して書き直す必要がある。すなわち、ヴァルダの能力値は
【筋力】 19
【敏捷力】 13
【耐久力】 13
【知力】 12【判断力】 11【魅力】 7となるわけだ。さっそく消しゴムと筆記具を用いて修正しよう。
で、だ。実は、プレイ中にこの能力値をそのまま使う場面はあまり多くない。実際に使うのはこの能力値から算出される『能力修正値』である。
p8を開きたまえ。そこには能力値と能力修正値の関係が記されている。
この表にしたがって、能力値横の欄に能力修正値を記入しよう。
例えば【筋力】は19だね。この表によると19の修正値は+4だ。
よって、【筋力】 の能力修正値は+4となる。
以下、能力値の並び順に+1、+1、+1、0、-2となる。これらを能力値の横に書き込もう。B
諸般の事情(サンプルキャラが理解しがたいほど使えないとか)より4.は飛ばすことにして、次は『5.種族特性・クラス特性を記す』である。
まず種族特性である。一部の種族はその生まれや生得能力を「特性」として記録しなくてはならない。
ハーフオークであるヴァルダは、p19にあるような特殊能力を持っている。
このうち、実際にプレイに必要なのは「移動速度30フィート」「暗視」「オークの血」の3つだけなので、それをキャラクターシート2頁目中央あたりの『特殊能力、特殊攻撃』欄に書き込んでくれ。C
次にクラス特性である。クラス特性とは、君のキャラの職業によってもたらされる恩恵やペナルティの総称で、先ほど種族特性を記入した欄と同じ『特殊能力、特殊攻撃』欄に記入する。
先ほど選択したように、君のヴァルダはバーバリアンであり、その解説はp41にある。
このページの下の表(3-11)の1レベルのところを見よう。
「特殊」のところに「高速移動」などと書いてあるはずだ。
これだけだとなにがなんだかさっぱりなので、その解説のある42ページを開いてみよう。
「クラスの特徴」という項に、”武器と防具の習熟”などの見出しがある。
これらのうち、1レベルから得られる能力である「高速移動:中層鎧・中荷重以下の時移動力+10ft」「識字能力の欠如」「激怒(変則):【筋】【耐】+4、意志セーヴ+2士気、AC-2、3+【耐】修正R、終了後休むまで”疲労”、1日1回」などを記入するD。なお、「武器と防具の習熟:単純武器、軍用武器、軽・中装鎧、盾(タワーシールドを除く)に習熟」はD’に専用欄がああるので印を付けておくとよい。
他のものはより高レベルで獲得できるものなので、ここでは記入してはいけない。
さて、次の「6.技能を選ぶ」あたりから少々面倒になってくる。ちょっとした計算や細かな選択が必要になるからだ。
〈技能〉(Skill)とは、そのキャラクターは何がどれくらい出来るか、という判定の大本になる値である。技能によっては未修得(技能が無い状態)でも可能なものものと、未修得では出来ない専門性の高い技能とに分かれている。
さて、〈技能〉を選ぶ前に、ヴァルダがどれくらいの〈技能〉を体得しているのかを計算してみよう。
この「どれくらい」をD&Dでは「技能ポイント」として扱う。では、ホッジは何ポイントの技能ポイントを持っているのだろうか?
技能ポイントは、各レベルの職業により決定される。よって、ヴァルダの場合はバーバリアンの解説(p42)を見てみよう。「クラス技能」と言う項に、「1レベルでの技能ポイント」と記述があるね。なるほど。(4+【知力】修正値)X4か。
先ほどの割り振りで求めたように、ヴァルダの【知力】修正値は+1だ。ということは、ヴァルダは(4+1)X4=20の技能ポイントを持っている。キャラクターメイキングの際には、この技能ポイントを「支払う」ことで技能を「購入」(=修得)する。こうして得た技能を、ルール上では「技能ランク」と分類している。
さて、次はこの技能ランクを各技能に割り振ろう。p63には[表4-2:技能]がある。バーバリアンの列をの項を見て欲しい。タテ軸には<技能>が列記され、交わるところにはク(クラス技能)と外(クラス外技能)の記号が記されている。
「クラス技能」とは、そのクラスのものが得意としている技能で、技能ポイント1ポイントで1技能ランクを修得できる。1レベル時は1つの技能に最大4ランク(=4ポイント)まで割り振れる。
「クラス外技能」は、「苦手だけど出来なくはない」技能だと考えればいいだろう。1ランク修得するために2技能ポイントが必要となる。1レベル時は最大2ランク(=4ポイント)まで割り振れる。
ちなみに以降のレベルでの最大ランク数はp22 表3-2を参照のこと。
では、獲得した20ポイントを割り振ってみよう。
バーバリアンは9つのクラス技能を持っている。でまあ、成功率を少しでも上げるためにもランクはめいっぱいとっておこう、と言うことで、よく使いそうな〈聞き耳〉〈騎乗〉〈生存〉をそれぞれ4ランク(=各4ポイントずつを消費)、そしてクラス外技能の〈視認〉〈知識:自然〉を2ランク(=各4ポイントずつを消費)取ることにしよう。
ということで、各技能の「ランク」欄に4(クラス外技能なら”2(4)”などと書いておくとわかりやすいだろう)と記入し、ついでそれぞれの技能に設定された「能力修正値」(〈聞き耳〉 なら【判断力】、〈知識:自然〉なら【知力】の修正値など)を記入しよう。そして、ランクと能力修正値を合計して「技能修正値」を出しておこう(ちなみにこの値にd20を加えて判定を行う)。E
ふう、何とか技能を取り終わったぞ。次は「7.特技を選ぶ」に行こう。
《特技》は、そのキャラクターが持つ特殊な能力や技術を表す。〈技能〉と同様、ヴァルダは取れる《特技》の個数が決まっている。
再び表3-2(p22)を見て欲しい。特技と書かれた欄に、キャラクターレベルが1のとき「1つ目」と書かれているのがわかるだろう。よって、ヴァルダはキャラクター作成時に1つ特技を持っている(もし彼が人間なら追加で1つ特技を得ることができる。強ェ!)。
ヴァルダは高い【筋力】を活かし、パーティの【剣】、いわゆるダメージディーラーを目指すことにした。なので、ここでは《強打》 を修得することにしよう。キャラクターシート右の「特殊能力/特技」欄に記入しておくこと。F
さあ、大分キャラクターの骨子が見えてきた。
今度は「8.第6章を見る」に従ってキャラクターの細部を決定しよう。
ここで決定するのは属性(旧D&Dプレイヤーにはアライメントといったほうがわかりやすいかも)・信仰する神・名前・年齢・性別・身長体重・性格・背景などだ。記入欄はキャラクターシート(左)上方、プレイヤー名の下になる。G
属性はp1028〜に各属性の細かい説明があるのでそれを参照して自分のキャラクターイメージに合ったものを選べばよい。ただし、バーバリアンであるヴァルダはp42にあるように秩序以外の属性を選択する必要がある。そこでヴァルダの属性は混沌にして善と決定した。これをキャラクターシート「属性」欄に書き込むこと。
信仰する神は、クレリックやパラディンには重要な要素になるが、バーバリアンである彼にはあまり大きな影響はない。ので、無宗教にしてもいいし、キャラクターの味付けとして何か信仰をもっていることにしてもいいだろう。ヴァルダはハーフオークなのでグルームシュやエリスヌルあたりを選んでもいいが、いずれも悪の神でキャライメージに合わないので、ここは力の神コードにしておこう。キャラクターシート「信仰する神格」欄に書き込むこと。
名前・性別は自分の好きなように付けたらよい。「好きなように」と言ってもオフィシャルワールドであるグレイホーク(中世ヨーロッパ風世界)でプレイするというのに『骨皮スネオ』とか『キン肉スグル』などという名をつけるのも避けたいところだ。また、自分の好きな子の名前にしたりすると数年後に古本の山の中からキャラクターシートが発掘されたときに衝動的に手首を剃刀で抉りたくなったりしかねないので気をつけること。
ちなみにヴァルダは既に名前が決まっているので素早く記入しつつ次に行こう。
表6−4(p107)によればハーフオークのバーバリアンは14+1d4で年齢を決定してもいいが、一方で「最低年齢以上なら何歳でもよい」という決め方を許可するDMもある。
ただし、あまりに高齢にキャラクターを作成してしまうと『年齢効果』によって能力値が変化してしまう。
具体的には人間なら35歳、ハーフオークなら30歳から「中年」として【筋力】【敏捷力】【判断力】が1下がり、かわりに【知力】【判断力】【魅力】が1上昇する。まあ、つまりは身体能力を司る能力値の上3つが下がり、知的行動を司る下3つが上がるということだ。そのため、逆に頭を使うクラス(ウィザードやソーサラーが多い)ならわざと中年以降にして、特に能力値が奇数の時の穴うめを行う場合もある。
ヴァルダの場合は「年齢効果を受けない年ならなんぼでもええわい」ということでランダム決定にしてみたら、最高齢の18歳になった。年齢欄に記入しよう。
身長体重もまた、ランダムに決めるか、(制限の範囲内で)自分のキャラクターイメージに沿った値にする事ができる。
ヴァルダはこちらも男らしくランダムで決めることとした。
ハーフーオーク・男の欄にあるように2d12を振ったところ14が出たので、4’24”(4フィート24インチ)=6’(6フィート)となる。1フィート=12インチである点に注意。
また体重は2d6を振り、出目は6。この6をさっき振った14とかけあわせ、基本体重である150に加えた234ポンドが彼の体重となる。
このへん、説明を良く読まないと計算間違えやすい。基本体重に体重修正をそのままかけるとアンドレ・ザ・ジャイアントができあがってしまうので注意。
ちなみに1インチ=2.54cm、1フィート=30.5cm、1ポンド=453gなので、ヴァルダは身長183cm、体重106kgということになる。
残るは性格・背景だが、この時点では無理に決めなくてもいいだろう。キャラクターが固まりすぎるとプレイしにくくなったりするし、記入欄もないし(どうしても書きたい人は「メモ」欄にでも書いておくといいだろう)。
さて、そろそろ大詰め、「9.装備を選ぶ」である。装備に関しては武器ならp114、防具ならp121、そしてその他の品についてはp124に記載されている。
・・・って、アレ? 俺、いくら持ってんの?
クラスのどこ見ても所持金書いてないんだけど。
ああ、もう!どっか一箇所にまとめとけよンモウ!
とかつぶやきながらp109を開けてみよう。
おお!そこには!表7-1:開始時所持金ランダム決定表があるではないか!
これによればバーバリアンであるヴァルダは4d4x10gp持っている。
ロールした結果、出目は9。よって、ヴァルダは最初の買い物を90gpをもって行うことができる。
買い揃えたグッズは以下のとおり。
グレートソード(8ポンド・50gp)、ジャヴェリン4本(4x2ポンド・4gp)、スタデッド・レザー(20ポンド・25gp)、背負い袋(2ポンド・2gp)、保存食4日分(計4ポンド・2gp)、水袋2つ(計8ポンド・2gp)、ベルトポーチ(1ポンド・1gp)
計86gp・50.5ポンド
これに加えて服一着は無料かつ重量無視(p128参照・なぜただでさえ複雑なルールをこのような特例措置を用意してより面倒にしたのかの理由はわからない)で着られるので、探検家の服(8ポンド・10gp)を持っていることにしよう。
この買い物によりヴァルダの財布には4gpが残されるばかりとなる(記入欄はキャラクターシート(右)下段。忘れずに書いておこう。ちなみに重量は貨幣50枚で1ポンド(p96)である)。H
では、これらの購入品をキャラクターシートに記入しよう。
まず、武器・防具をキャラクターシート2p目左の「装備中のアイテム」欄に、持っている品をキャラクターシート2p目右の「所持品」欄に書いておくことをお勧めする。J',I
武器・防具は1p目にも記入しなければならないので2度手間のように思われるが、装備品重量を計算する都合上、一まとめに書いてあったほうが便利だ。
世のマスターたちが大好きなラストモンスターやブラックドラゴン(*)が出現したときにも処理が簡単になるし。
*いずれも金属性のものを腐蝕・破壊する能力をもつ。ファイターがダンジョンの奥で武器・鎧を破壊され、突然「ただの人」になってしまう光景は実にのどかで美しい。
ちなみにダウンロードしてもらったキャラクターシートにはちゃんとあるが、オフィシャルなキャラシーなどの装備品欄には「装備品重量」や「装備品の個数」を書く欄がないので、装備の後ろにでもかっこ書きで書いておくこと。あと、最下段を「重量総計」欄にしておけばなお便利だ。
それから、ゲーム中困らないために、どの装備をどこに持っているかを書いておくといい。服、鎧、盾、剣などはいつも装備しているからいいが、背負い袋が急流に流されたり、ベルトポーチを引きちぎられたリしたとき、そこに何を入れてあるかでもめる場合がある。そのような事態を未然に防ぐためにも、例えばヴァルダなら
背負い袋 A
ベルトポーチ B
などと決めておき、装備品の名前の前にでも記入しておくといい。
例えば “A 保存食4日分“なら「バックパックに入っている」と一目でわかる。また、小銭をどこに入れておくかは街中(特に市場などの人ごみ)を歩く上で重要なポイントとなる場合があるので、しっかり記入しておこう。
記入が終わったら、今度は武器・防具の詳細を記入しよう。いずれもキャラクターシート1ページ目中〜下側に記入欄がある。J
武器欄にはグレートソード、ジャベリン、防具欄にはスタデッド・レザ、木製ラージシールドとそれぞれ記入し、各々固有の値(武器ならダメージ、クリティカル、射程、重量、サイズ、タイプ、防具ならタイプ、鎧ボーナス、判定ペナルティ、【敏】ボーナス上限、秘術失敗率、移動速度、重量など)を記録する。
ヴァルダの場合は以下のとおり。
・ グレートグソード:ダメージ2d6、クリティカル19-20/X2、重量8、サイズM、タイプ斬撃
・ ジャヴェリン:ダメージ1d6、クリティカルX2、射程30ft、重量2、サイズM、タイプ刺突
・ スタテッド・レザー:タイプ軽装鎧、鎧ボーナス+3、判定ペナ-1、【敏】ボーナス上限+5、秘術呪文失敗率15%、移動速度−、重量20
このなかで実際に使うのはダメージ・鎧/盾ボーナスと、判定ペナくらいなのだが、キャラクターシートに空欄があるのもあまり気分が良くないので、しっかり埋めておこう。
同時に、2p目の「装備中のアイテム」欄の該当箇所にも武器・防具名を記入しておこう。J’
さて、いよいよ最難関。“10.戦闘や技能関係の数値を記す”である。
ここはとにかく書き込むところと計算するところが多い。書き落としの無いよう、順をしっかり追ってほしい。
では、キャラクターシート1ページ目を上から順に書き込んでいこう。K
まず、「イニシアチブ修正値」は《特技》により変わることが多いが、今回は特に関連《特技》を修得していないので、【敏捷力】修正値そのままの+1が修正値となる。
続いてHP。3eでは初レベルではHP決定のためのダイスロール(いわゆるヒットダイスというやつだ)を振らずに最高値で決定してよいとされている(すばらしい!)。
バーバリアンであるヴァルダは1d12のヒットダイスと【耐久力】修正値が+1であるので、1d12の最大値12に【耐久力】修正値を加えた13が現在の最高HPとなる。HPの「合計」欄に13と記入しよう。同時に、「非致傷ダメージ」欄の横に、消えないもので「HP成長記録」欄を作り、12と記入しておくことをお勧めする。今はいいが、この手の欄が無いと4〜5lvになったころ、自分が3lvだったころにHPがどれくらいあったかを思い出すよすがに困る場合があるからだ(特にワイトやヴァンパイアに遭遇した後、こうした郷愁の感に襲われる傾向がある)。
ついでにHP欄の隣の「HD」には1と記入しよう。ヴァルダにはLAは無いのでここは空欄のままでよい。
続いてはAC欄に記入しよう。
ここには先ほど装備を購入したときに書き込んだ数値が役に立つ。
キャラクターシート左下欄の「鎧/盾ボーナス」の値をそのまま書き込めばいい。
いっしょに右となりの「秘術呪文失敗率(=持ってる防具の合計を記入:30%)」「防具による判定ペナルティ(=合計:-3)」も記入しておこう。
ACは基本が10、【敏捷力】 修正値はそのままの値(+1)を、またサイズなどは修正がつかないので、結果、現ACは14になる(基本10+鎧3+【敏】1)はずだ。
また、「立ちすくみAC」は【敏捷力】ボーナスを加算できないから13,「対接触AC」ならびに「対非実体接触AC」には鎧・盾ボーナスを加算できないので11を記入すること。。
その下(【能力値】欄の真下にあたる)にはセーヴィング・スロー欄がある。L
p41にあるようにバーバリアンは頑健+2、反応+0、意志+0である。
これに能力値修正とその他の修正値を記入しなければならない。
能力値修正は、各々セーヴ名の横に書いてある能力の能力値修正を用いる(記入しよう:上から順に+1、+1、+0となれば正解だ)。
これらを合計すれば、上から順に「+3、+1、+0」となるはずだ。確認してほしい。
続いて「近接攻撃ボーナス」「遠隔攻撃ボーナス」である。両者とも、ほとんど書く内容は同じなので一度に作業しよう。M
まず、両方の「基本攻撃ボーナス」に+1と記入。その他の修正は能力値修正のみなので、「近接〜」には【筋力】の、「遠隔〜」には【敏捷力】の修正値をそのまま記入する。すると、「近接」は計+5、「遠隔」は計+2になる。
なお、その下にある「組み付き」「突き飛ばし」などの欄はルールを理解しないままに書いてもしょうがないので、サンプルに書かれている数値をそのまま記入しておいてくれ。
それから、その欄の左の基本攻撃ボーナスは+1、「生来の間合い」は5フィートとなる。
ここで求めたボーナスは、そのままその下の武器欄に反映させよう。J
武器 グレートソードの合計攻撃ボーナスには近接=「+5」を、ジャヴェリンの合計攻撃ボーナスには遠隔=「+2」を記入する。
先ほどの作業でダメージなどは既に記入されていると思うが、近接武器と手投げの遠隔武器(ジャヴェリンはこれに当たる)はダメージに【筋力】ボーナスを追加できる。さらに、両手持ちの近接武器は【筋力】ボーナスを1.5倍できる(p111)ので、グレートソードのダメージは「2d6+6」、ジャヴェリンは「1d6+4」となる。
最後に、キャラクターシート2p目の下「頭上に持ち上げる」などの値を記入しよう。N
この3つの四角の値はすべて【筋力】を基に算出され、その計算表はp160、表9-1に示される。ヴァルダの【筋力】は19。『重荷重』欄の値は「重荷重とみなされる重さ(のエリア)」を意味しているので、『頭上に持ち上げる』には最大値である350を、またその下の欄にはそれぞれx2,x5した数値を書き込んでおけばいい。お宝として発見された銅の延べ棒100本や、目の前を歩く子ウシをお土産に持って帰ることを決める際の一助にしてくれれば幸いである。
さあ、ここまで終わればあとは穴埋め。”11.いろいろな細かい点“に進もう。
まだ書き終わってない欄は・・・おっと、大事な「移動速度」を忘れていたよ。
バーバリアンは中装鎧までしか装備せず、かつ中荷重以下であれば移動速度が10ft増える「高速移動」能力がある。
これは非常に重要な能力である。1p目の下段に移動速度記入欄があるのでちゃんとその旨を記録しておこう。O
それから、言語欄がまだ埋まってないね。
p19を見ると「自動修得言語」として共通語とオーク語が上げられているので、技能欄の下にある「言語欄」にそれを書こう。
また、【知力】が高いキャラクターは「ボーナス言語」を獲得できる。具体的には【知力】ボーナス+1に付き1つのボーナス言語を選択できるのである。そこでヴァルダはリストの中から巨人語を選択した。これも書き加えておこう。
あとは名前欄のそばの髪の色とか目の色とかかな?
このへんは自由裁量で決めて良いことになっているが、肌色を緑にしたりするとナメック星人と間違われたりして面倒なので、常識的な色にしておく方がいいだろう。
ということで、ここでは肌は「浅黒い」、目は「焦げ茶」、髪は「黒」としておこう。
***
さて、ひととおりのキャラクター作成手順はこんなカンジになるわけだが、君はどう思ったろうか。
おそらく「めんどくせぇぇぇぇ!」と思ったに違いない。こんなに覚えられるかよ!と。
うん、いや、ごもっとも
今はきっとそう思うだろう。
でも大丈夫。
まずは今回作ったキャラクターシートを見直してみてほしい。
ここに、「回答例」とでもいうべき、完成したヴァルダのキャラクターシート(表・裏)があるからこれと見比べてみてくれ。
そして、「この数値ってどこから導いたんだっけ」とか「どうやって計算するんだっけ」と言う値があったら、その値の欄に赤ペンか何かで『参照すべきページ』を書き込んでおくと良い。同時に、キャラクターを作るにあたって重要そうなことをどんどん書き込んでおくといいだろう。
そうすれば、次回、今度は自分の好きなキャラクターを作る際の『ひながた』として使用できる、「キャラクター作成シート」とでも呼ぶべきシートが完成するはずである。
さて、とにもかくにもキャラクターは作成できた。
といっても、キャラが出来たってだけでは困ることも少なくないよね。
というわけで、次はこのキャラクターを成長させてみよう。
2歩目:サンプルキャラクターを成長させてみよう!
※一部数値などに間違いがあったのをダヤダダ!?さん、よろずさん、植埜さんのご指摘に従い修正しました。
ありがとう!