はじめの一歩 3.5e
1歩目:プレイ環境を整えよう
                           文責:石川

 050316
一部追加 061102

 

 

 さて、PHBを購入した君はプレイヤー(以下PL)志望だろうか。それともマスター(DM)志望?

 どちらでもいい。
 結局のところ、PHBは両者が内容を理解している必要があるからだ

 特にDMPLたちのさまざまな質問・要請・わがまま無理難題に答える(そしてその大半を却下する)ためにも、PHBの内容をくまなく理解しておく必要がある。

 

 

 

 

 あ、待って!

 ブラウザ閉じないでってば!

 

 

 

 

 

 くまなく理解する、といっても、「ルールをすべて覚えろ」って言ってるわけじゃない。そんなこと、今えらそうに書いてる筆者だって出来てやしないんだから。

 

 

 まあ、ちょっと考えてごらんな。
 「JRの駅の名前と時刻表をすべて言える子供」がちょくちょくテレビに出てくるよね。
 彼らが将来駅員になったとしたら、それはさぞ便利な存在となるに違いない。

 

 さて、じゃあJRの駅員は、みんな駅の名前や発車時刻を丸暗記しているのだろうか?

 

 答えは多分(いや、ほぼ確実に)NOだろう。
 おそらくほとんどの駅員はすべての、どころか近郊以外の駅名など覚えてないし、発車時刻だってはっきりとは答えられないはずだ。
 
 しかし、彼らは客が問うたなら、おもむろに路線図や時刻表をとりだし、あるいは駅に備え付けてあるコンピュータを使って瞬く間に答えを返してくれるだろう。

 そう、彼らは膨大な情報を丸暗記する代わりに、必要なときに必要な情報を取り出すすべを知っている。そして、駅員として働くには、その能力があれば十分なのだ。

 D&DのPLならびにDMにおいても、まったく同じことが言える。
 PLおよびDMはルールをすべて覚えている必要はない

 最低限のルールさえ覚えていれば、あとは「ルールを(出来れば迅速に)検索する能力」、より簡易に言い換えるなら「ルールブックのどこに何が書いているかわかる」能力があれば十分なのである。

 しかし、プレイをはじめてすらいない君は、PHBのどこを開けばよいのかすらもわからないだろう。

 

 

 OK,ブラザー。

 だまされたと思って俺の言うとおりにやってみな。

 

 

 まずは、タックインデックス(ノートや教科書の横にはみ出すように貼る、いわゆる「ミミ」ってやつだ)を用意して欲しい。ついでに付箋紙があればもっといい。

 どちらもそこらの文房具屋や100円均一で売ってるようなものでかまわない。筆者はコクヨの<小>サイズのタックを使っているが、君が米粒にお経を書くのが趣味ならより小さいものでもいいだろう。

 

 用意したタックを、以下に示すページに貼り、見出しを書き込んでくれ。

 

p9     能力値・修正 
p22    レベル・ボーナス
p63    技能         
p87    特技         
p114    武器          ★
p121   防具          ★
p125   アイテム・サービス★
p135  機会攻撃
p137  アクション
p145  戦闘移動
p149  戦闘修正
p152  特殊攻撃
p161  移動・運搬
p167  魔法
p302  用語集 

※ちなみに★印がしてあるものは、筆者がページ上側にタックを貼り付けて
 いるものである(表(だけ)を頻繁に見るので分けてある)。

※また、いしかわは魔法をよく参照するので、魔法の章をあ行、か行、さ行・・・・といったように分けてある。

  

 全部やると↑こんな感じ。

 たったこれだけの作業で、きみのPHBは数倍、イヤもしかしたら数十倍も使い勝手が良くなっていることだろう。
 もちろん、いまタックを貼ったところを見ればすべてのルールが理解できるというわけではない。けれども、いちいち目次を見返したり、ページを数えることなく必要な個所(およびその近傍)を開くことが出来るのは、きわめて作業能率を高めてくれるはずである。

 「なんかビラビラした紙がいっぱいはみ出しててみっともないからイヤ」というならPHBをもう一冊保存用に購入し、真空パック等の防汚処理を施した上でスイス銀行の貸し金庫にでも預けておくといい。ルールがもう一冊売れれば経営危機説の流れるWotC本社もきっと喜ぶ。まことによいことずくめである。もっとも筆者は「ルールブックは使い倒してなんぼ」なので、タックはもちろん重要箇所のマーキング、注釈・エラッタ、誤植の修正、冒険メモ、NPCの残りHP、クソマスターへの罵詈雑言集、コンベンションでナンパした子に贈る愛の言葉集にいたるすべてをPHBに書き込んでいるが。

 また、以後「ここ大事かも」とか「ここよく見るなあ」なんてページが出来たらガンガンタックや付箋を貼り付けていこう。必ずや君が世界一使いやすいPHBができあがるはずだ。




 さて、PHBの用意が出来たら他に必要なものを確認していこう。

 まずはダイス類。


 さしあたりこれくらいあればプレイヤーとしては困らないだろう。
 ただ、D20システムという名が示すように20面体は頻繁に使うので複数もっていても邪魔にはならないだろうし、術者をやるなら6面体をもう少しもっていてもいいだろう。
 ちなみにいしかわは4面体を買ってない。8面体の目を1/2にすることで代用している。
 そういう意味では8面体も10面体で代用することは可能だし、ちょっと無理すれば12面体を20面体で代用することも不可能ではない。
 
 なお、近所でこういうダイスが購入できない、という人は通販サイトAMAZONでウィザーズオブザコースト社のオフィシャルD&Dダイスを購入することもできるし、日本オフィシャルであるホビージャパンではダイス付PHB/DMGが販売されている。また、最近はダイスを単体で販売している通販サイトも増えてきているのでそういうところで探してみるのもいいだろう。


 D&Dは3.5eになって公式に1インチ方眼のスクエアマップと駒を使ってプレイするよう定められた。
 よって、プレイヤーである君は自分のキャラクターを示すためのコマを必要とする。

 そこでオススメしたいのがD&D公式ミニチュアである。
  
 常に欲しいものが入っているとは限らないものの、ちょっと並べるだけで雰囲気ある戦闘シーンをプレイできる。
 ミニチュアゲームそのものもかなり面白い。D&Dでの戦闘の練習にもなるしね。
 ちなみにこれもHJの通販サイトで販売されているので近所で売ってない人はぜひ(*1)。
 また、とりあえずPC用のコマが欲しい!という人はWotC社から発売されているD&D Basic Gameを購入するといいだろう。数人分のPC用のコマとダイス一そろいが入っているので何人かで分け合うことを前提にするなら経済的な負担も小さくて済む。

 もっとも、とりあえず遊ぶだけだったら100円均一で手に入るようなゲーム用のコマやコイン、他のゲームのコマなどでも十分用は果たせる。


 写真はいしかわ10年来愛用のチェスのコマであるが、色も2色で種類も複数なので重宝している。
 しかも100円だし。
 
 ほかにも身近にあるものになんか適当な印をつけてコマにする、という手もある。
 ただし公民館など公共施設でプレイしている場合、手持ちの硬貨にマジックで印をつけてのプレイングはオススメできない。たまたま通りがかったおばちゃんに「このサークルはサイコロをつかて賭け事をしている」と管理人にチクられ、会場を追い出される危険があるためである(*2)。

 もちろん最近はやりの「食玩」や「ガチャポン」を使うのも手だ。

 おなじみ13忍者では上の写真のようにすべてのフィギュアを食玩&ガチャポンで済ませている(*3)。

 ただ敵キャラもこれでいくとオーガとホブゴブリンの略奪隊が
ザクとグフとドムとガンダムだったりハイジとクララとおんじとユキちゃんだったりして妙な空気になったりすることも少なくない(*4)。


 さらには、紙で駒を作ってしまうという手段もある。
 ゲームサークルレインボーは
荒くれ者の集団なのでレシートを丸めた紙とか”お手もと”って書いてあるナゾの紙袋を折りたたんで駒にしてしまうくらいの悪事はおてのものな訳であるが、それではあんまりだという声もあろう。
 そんな声を代弁すべく、レンジャーローグ大好きな
盗り夫氏が「ちょっと硬めの紙で駒を作るためのテンプレート」をご投稿下さったので紹介しよう。
 なるほど、単なるチットや硬貨と違って、これだと立体感が出るのでゲーム中も使いやすそうだ。自分で好きな絵を入れられるので、これなら「イメージに合ったフィギュアがないよ!」なんて時にも好きな絵を入れられる。
 #ちなみにHJ公式コンベンションでも、敵キャラはこの紙駒が使われることが多かったりする。
 #敵の数がいっぱい欲しいときとかはやっぱり便利だよね。

 
 (具体的な使い方はこちら)

  ダウンロードせよ!
  コマ用紙(pdf)



 まあ、どれを選ぶかなんてあたりはサイフと他プレイヤーを含めたゲーム環境との相談となるだろうから、自分のプレイグループに適したものを選べばよいだろう。


 あとは筆記用具(鉛筆かシャーペン)と消しゴム、そしてPHBp316のキャラクターシートをコピーしたものがあればプレイ準備は完了だ。
 ちなみにPHBのものより書き込み欄に工夫を凝らした「このページの存在を他者に教えないでねのページ」有志の手になるオリジナル版をこちらからダウンロードする事ができる。
 こっちの版のほうが、特にアイテム管理欄が明らかに書きやすいのでぜひ使っていただきたい。






 さあ、プレイの準備は完了だ!
 早速プレイしよう!




 で、僕は何すればいいの?



 プレイのためにはキャラクターを作成しなければならない。
 というわけで、次章ではキャラクターを作ってみることにしよう。
 




 

二歩目 種族とクラスを知ろう

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*1: amazonとかのが安いじゃんとかガタガタ言わない。
*2:実話。いやマジヤバかったって!マジ追い出されるところだったって!
*3:ゲームトークンとしてはこれで十分だが、プレイ中そのキャラがコマの名前で呼ばれ続ける危険を伴う両刃の剣。「ガイルは危ないから後ろでしゃがんで中キック撃ってろ」とか「ネクロ!エレクトリックスネイク(=ショッキンググラスプ)行ったれ!」とか「ガロウズでかい剣持ってるんだから《大旋風》 行けよ!【特技がなきゃ無理です】」とか。楽しいけど。
*4:そうやってPLの士気を挫こうとするDMの深謀遠慮だと言う説もある。