TOP13忍者プレイリポート>第19話 ザトゥール

CDS:PE&レインボー合同
D&Dサード プレイリポート企画
13NinjaTitle

第19話 ザトゥール


2007/02/03
by B.M(びいえむ)

【スタッフ】
マスター:“エンターテイメント業界一痺れる優しいDM”ことB.M (びいえむ)
プレイヤー:だいすけ、ヤモン、ジェック、ダンナ

ライター:B.M(びいえむ)
本文イラスト:だいすけ



**市販シナリオ「夜牙塔の心臓」の**
**ネタバレが盛大にありますので**
**あなたのDMに相談してから**
**お読みください**





【目次】
§19−0 キャラクター紹介
§19−1 ただのしかばねのようだ。
§19−2 謎の震動音
§19−3 ザトゥール
§19−4 まだまだこんなもんじゃないぜ


【本文】

§19 −0 キャラクター紹介

※画 像をクリックすると説明(古いものも有りますが)が見られます。
アブロ
アブロ
〜偉大なる小悪党〜
人間
ローグ7/シャドウダンサー4


51hp;AC19

【筋】14
【敏】16
【耐】12
【知】13
【判】10
【魅】9


 ローグならではのスキルでパーティを牽引する案内役……とはいえ、広いダンジョンは苦手のようだ(笑) 扉が少ないと「俺の 存在意義が無い」と怒り、扉 が多いと「メェェェェリケェェーーーン!!」と怒る。……つまりワガママ?

 シャドウダンサーとして修行を積み、シャドウのジェダを相棒にしている。どうやらジェダは女性らしい。……シャドウに性別あるのか?)
 

 最近はエロさに磨きがかかり、読 者サービス供給キャラになってきている。ちなみに、それはあくまでもアブロのキャラクターということで、プレイヤーとは関係無いことをここ に断言しておく。氏の名誉の為にも! マジ関係ないんで! そこんとこヨロシク! ここんとこご無沙汰!

 必殺技:〈Spot/視認〉
 それはもうとにかく〈Spot/視認〉が大得意。彼のライフワークと言える。“アブロ流〈視認〉 術”の創始者。3.5版になって《クイックリコニッター/早視認》を修得し、ますますエロさに磨きがかかった。

 口癖は『〈Spot/視認〉!!』『何言っちゃってんの?』『………お前それは………アレだよ

中の人:だいすけ
 アブロのエロさに磨きがかかってきていますが、中の人はエロくないと、ここにもう一度繰り返しておきます。アブロがエロいだけだと! ……つまりプレイ ヤーの深層心理が漏洩しているだけだと!byフロイト(嘘)
 『ラブコメは苦手』と言いつつ、ラブコメシーンでは変に嬉しそうなのが謎(笑)

 突如として、
『なんでこんなエロキャラになったんだろう』
 ……と、首を捻って見せるお茶目さん。
ジェダ
ジェダ
〜掟破りのボクキャラ〜
シャドウ
女性?
 アブロの“相棒”であるシャドウ。一人称は『ボ ク』。
 弱気なところが有り、偵察や斥候を嫌がる(笑)
 虚弱体質なのでいたしかたなし?

 口癖は『……ボクには無理だよ、死んじゃうよ!』
中の人:NPC
 中の人などいない!!
ヴァロック
シスコン
〜シスコン僧侶〜
人間
“デルソフィ”を信仰する
クレリック8/ソーマタージスト4


71hp;AC21

【筋】10
【敏】16
【耐】14
【知】9
【判】19
【魅】15

 3.5 版の変更を受け、レアを守るためにソーマタージストになった“だだ漏れ僧侶”。全般的に高い能力値を持つため後 衛の防御戦闘も行える優秀な駒である。 〈Spot/視認〉や〈Listen/聞き耳〉が苦手で大事なことに気付かなかったりするのが困りもの。
 ……問題は常にかぶっているグレートヘルムか……

 〈Speak Language/言語〉が得意(???)。レベルが上がるたびに貴重なスキルポイントを〈Speak Language/言語〉に注ぎ込んでいる言語マニア。誰か止めてくれ。無理だけど。ついに専用キャラクターシートまで作成された(笑)

 口癖は『レアー』『○○○……って書いてあるよ!』

中の人:ヤモン
 ヴァロックがアレなキャラなので、中の人もアレだと思われがちだが、中の人はもっとヒドい。
 セッションの度に大量にミカンとマシュマロを買ってくるのは何故? 嫌がらせ? つーか、俺のテーブルの上に開封済みのマシュマロ、廊下には腐ったミカ ンが有るわけですがNOW。
レア
レア
〜紙のhpを持つ少女〜
人間
バード

 ヴァロックの妹。怪しげな“ガルシアスの実” のおかげで一命を取り留めたが、そ れでも貧弱なことには変わりは無いのだった。兄を心配してパーティに着いてきた(……と言いつつ実はガロウズに付いて来た説アリ)

 口癖は『バカじゃないもんっ』
中の人:NPC
 中の人などいない!!
ノインガム
ノインガム
〜自然の化身〜
人間
ドルイド10


69hp;AC11

【筋】7
【敏】8
【耐】13
【知】15
【判】17
【魅】13
 『サモネチャライ!』で戦場 を掻き回すのが得意。お供のロクナント(ヴァイパー)の“攻撃表示”によるサポートもこなす。ヒマがあればグッドベリーでパーティの飢えを満たしたり。微妙に便利なフェザ−ズをぶちかましたり(注:3.5版でも使えると裁定)。

 どんなに変えた方が有利であることを指摘されようが、頑なにヴァイパー(ロクナント)と一緒に旅をするその姿は、まさにドルイドの鑑。夜牙塔の自然の少 なさに凹み 気味だが、ネチャライパワーで頑張る。

 ラインガルトと言う“自然”な兄が居る。

 決めセリフは『俺のターン!』『ネチャラーイ!』『しぜん! しぜん! しぜぇぇーーーん!!』『チェェンジ、イーーグル、ネッチャ・ラァァーーー イ!!!』
中の人:ダンナ
 魂のドルイダー。RAINBΦWのセッションに参加した時期は遅かったものの、ゲーム的な有利不利よりもキャラクター性と世界観(つまり、本人の美学) を優先する姿は、まさに RAINBΦW的プレイスタイル。来るべくして来た稀有な人材。
ガロウズ
ガロウズ
〜HFO〜
人間
ファイター11


58hp;AC21

【筋】20
【敏】14
【耐】11
【知】13
【判】10
【魅】8

◆キャラクター紹介

 正統派HFO。涙無くしては 語れない《Whirlwind Attack/大旋風》を習得しているあたり、筋金入りのHFOだ。しかも、スパイクド・チェインなんてチキンな武器は使わないぜ! だめだこりゃ!

 3.5版で《Whirlwind Attack/大旋風》とか《Power Attack/強打》が強くなったが、ロングソードなのであまり関係無し! 狐も無し!

 『え? 俺の《Whirlwind Attack/大旋風》が見たいの?』『《Weapon Specialization/武器開眼》もあるよ?』

中の人:ジェック
 RAINBΦWで『ジェーー!!』と言えばジェックのことを差す。しかもMoE担。
 ガロウズは全然萌えキャラじゃないので、おそらく殺したがっていると推測(笑)

 パーティ内にマトモな人間がいないと、ボケとの対比ができないので、今回は堅めのポジションで。





§19−1 ただのしかばねのようだ。

 ツンデレマルことイリジアは去ったのだが。
 戦闘後にはボロボロになったパーティ と、ガロウズの死体が残された。
 割とピンチな状況である。

アブロ「ええーーっと、この惨状をなんとかしないと(汗)」
ヴァロック「あれ、ガロウズの体はまだ凍ってるの? 凍り続けてるの?」
BM「それは止まったみたいです」
アブロ「なんか(ツンデレマルの)特殊能力だったのかなぁ……いやだなぁ」
レア「ガロウズさーーーん!」
ヴァロック「ガロウズさーん?……(ころころ)……〈治療〉成功」
BM「しーん」

 へんじがない(以下略

ヴァロック「……死んじゃったなあ」
アブロ「死体が二つに増えましたーーッッ!!(泣)」
ヴァロック「……いや、フィニアスは持って来てない」
ノインガム「ぬは」
ヴァロック「塔の一番上に置いてある……と、思う」
BM「割とヒドいね君達(笑)」
ヴァロック「いや持って来るヒマなかったよー、アレは」
アブロ「取り合えず、鍵を開けるしかあんめえ」
ノインガム「あと、体力回復? ヘビとかも」
ヴァロック「そっちは頼む」
ノインガム「ネチャライ(了解)」
アブロ「じゃあ、ミーが開けるよ、鍵は」
ヴァロック「ガロウズはいったん回収して……」
BM「して?」
ヴァロック「……うーん、どっちにしろ、そろそろどっかで休まないと」
ノインガム「ムリか?」
ヴァロック「ガロウズ無しでは、この先はキツいでしょう」
アブロ「じゃあ、扉は開けずに待つかい?」

 いつになく切迫する一行。
 ボヤボヤしていると、アレがアレしてしまう!

ヴァロック「……でも、どっちにしろテレポートしてくるんだよな、 ヤツ(デレマル)は」
ノインガム「テレポートなの?」
ヴァロック「(BMに)どうだったの?」
BM「良く分かりません。なにやら天井の模様を見ながらブツブツ言っていた気がしますな」
ヴァロック「じゃあ、アレをなんとかすれば良いのか?」
アブロ「(模様を)削る?」
ノインガム「わからんなあ」

 ちなみに、全員〈呪文学〉に失敗していた(笑)

ヴァロック「なんとも出来ない気がするが……そもそも、アレがなんか関係あるのか?」
アブロ「なんて書いてあったんだっけ?」
ヴァロック「ザトゥール。そうだ、“ザ トゥール”に関して何か知らないのか、レア?」
BM「じゃあ、バードの出番だね……」
レア「え? 私?」
アブロ「知っているのかレア!!」
ノインガム「情報確認ッッ!」
レア「まだ喋ってません!!」

 バードはこういう時、本当に頼りになる。
 情報を制するものは世界を制す。
 つまり、バードは世界を制するかもしれない。

ヴァロック「なんでもいいから分からない? 何系、とか」
レア「け、系!? ……まあ、氷河 帝国系 だわ」
ヴァロック「帝国? 帝国の人なの?」
レア「昔の帝国ね。その昔、ファー ガンドという豊かな時代が有って……その、更に前の帝国」
ヴァロック「昔過ぎて分からない(笑) ソレってどんな帝国?」
レア「とある魔道師が氷の世界への次元門を開き、そこから呼び出した異次元の生物によって作った帝国でーす」
アブロ「うーーーん、“氷”ねえ。この塔にも居るらしいしね……」
ヴァロック「何? 何が居るの? なんか知ってるの?」
アブロ「いやなんでもない」
ヴァロック「また秘密かよー(笑)」
アブロ「ちょっとソレは……お前……アレだよ

 アブロと“氷”の間には、何らかの関係があるらしい。
 ……しかし、それをパーティに一切喋らないのがアブロだったりする(笑)

レア「その時代の将軍に、ザトゥールという名前が有ったような気がします」
アブロ「どんな人?」
レア「なにか不名誉な行いで失脚したらしいですが、そうなる前は凄く立派で強い武人だったの」
ヴァロック「どんどん遠い昔の話になっていくなぁ(笑)」
レア「だから、今回の冒険とは関係ないと思うの」
ノインガム「そうかー?(笑)」
アブロ「ここは、こんなに寒いけどね(笑)」
ヴァロック「そうだね(笑) ここはこんなに寒いけど、多分関係ないんだね」
ノインガム「えー(笑)」
レア「大丈夫です(根拠無し)」

 呑気。

アブロ「どうする? じゃあ戻る?」
ヴァロック「もう戻れないでしょー」
アブロ「戻れないよねー」
ヴァロック「寒さはどうなの? あれから増した?」
BM「まだエンデュア・エレメンツで凌げる程度」
ノインガム「ぬう」
ヴァロック「もう休めないかもね……しかし、あの天井の模様をなんとかしたい」
アブロ「ここでは休めない?」
ヴァロック「それは危ない。とりあえず、ディテクト・マジックして みて」
レア「あーい」

 レアも、たまには呪文を使います。

レア「ええっと、ココと、ソコと、天井と壁に有るわ」
アブロ「ほとんど全面か(笑)」
ヴァロック「どこが一番強い?」
レア「そこのアーチが一番」
ヴァロック「そっちかぁ。とりあえず、天井の模様にディスペル・マジックし てみてよ」
レア「はーい。行きまーす!……(ころころ)……19、ってことは29?」
ヴァロック「おっ、こりゃ解けたんじゃないの!?(笑)」
BM「……」
アブロ「(DMの表情を見ながら)なんか、解けたくさいよ?(笑)」
BM「……(くそっ、レアにやられるとは!)」
ヴァロック「なんか言った?」
BM「いや何も(泣)」

 ……で、たまに使った呪文が良く効くんだこれが。
 レアめ!(逆恨み)

レア「はーい、天井の反応は消えたみたいですー。いつまで消せるか分かりませんけど、しばらくは、たぶん……」
ヴァロック「よし、この隙に休もう」
アブロ「きっかり休もう」
ヴァロック「危ない感じはまだ残ってるけどなあ。まあ、休みましょう」
アブロ「ガロウズは死んだままか」
レア「あーん、ガロウズさーん(泣)」
ヴァロック「なんとかするから、とりあえず休ませて。……あ、そうだ、レアってまだパール持ってる?」
レア「持ってるわよ」
ヴァロック「このアイテムを調べて欲しいんだけどー」
レア「一時間かかるけどー?」
ヴァロック「この先必要になるかもしれないから、頼む」
レア「はーい」

 ヴァロックが取り出したのはリングとポーション。
 パールを使ってアイデンティファイしようということですな。

レア「はい、鑑定の結果が出ました。まず、このリングは……」
ヴァロック「リングは?」
レア「……付けた人を炎から守るリ ングです」

ヴァロック「順番が逆だよ!!(笑)」

 パーティはここに来る前に、エルダー・ファイアー・エレメンタルとの文字通り燃える戦いをくぐり抜けてきていた。
 [火]に散々苦戦した後なのであった。
 ……つーか、先に鑑定しとけば良かったのに(笑)

ノインガム「うーん、確かに(笑)」
ヴァロック「炎は終わったからなあ。今更出られてもなぁ……」
BM「俺に言うな(笑)」
レア「いや、でも……」
アブロ「でも?」
レア「正確に言えば“まいなー・りんぐ・おぶ・えなじー・れじすたんす”でーす!」
ヴァロック「えーと、マイナー・リング……(メモしながら)……って、だから[火]から身を守る指輪でしょ(笑)」
アブロ「もう良いよ!!(笑)」
レア「ひーん(泣)」
ヴァロック「レアを苛めるな!!」
アブロ「わかったわかった(投げやり)」
ノインガム「このリング、誰か付けとく?」
アブロ「ヴァロック?」
ノインガム「かも」
ヴァロック「じゃあ付けるよ」
レア「あと、ポーションは……」
ノインガム「飲んだ人を炎から守るポーションかな?(笑)」
ヴァロック「いらねー(笑)」
アブロ「いや、きっとスパイダー・クライムだよ(笑)」
ヴァロック「ああ、またか(笑)」

 なんか知らんが、ポーション・オヴ・スパイダー・クライムばっか り出ていた時期が有った。
 今考えても良く分からん。
 きっと近くにダークエルフ(ファーガンドではこう呼ぶ)が大量に居たのでしょうな。
 うんうん。

レア「ぶー。全部外れ。塗ると武器の威力が増すポーション……っていうかオイルでーす」
ヴァロック「危なく飲むところだった(笑)」
レア「それだと、お腹の中が+2になります(笑)」
ノインガム「アイアンストマックだ(笑)」

 などとアホなことを言いつつ、復活のプランを練る。

アブロ「……で、結局、フィニアスが持って来たダイヤを使うのかな?(笑)」
ノインガム「ひでぇ(笑)」
ヴァロック「いや、ニンジャたちから奪ったダイヤが有るんで。それが5000と少し溜まってる」
アブロ「あ、そういやツンデレマルも持ってたかもねー」
レア「でも、逃げちゃいましたね」
アブロ「ズルいよ、逃げるなんて」
BM「波紋は苦手なのです(適当)」
ヴァロック「じゃあ、寝てからガロウズを蘇生しよう」
ノインガム「明日は最終日だね……」
アブロ「あー……間に合うのかな?」
ヴァロック「うーー」

 タイムリミット。
 タイムリミット。
 タイムリミットはちかいー。

ヴァロック「……でも、この先ガロウズ抜きで進むのはありえないでしょ」
アブロ「確かに、このまま行くってのは無いなぁ」
ヴァロック「っていうか魔法も残ってないしね……あ、ダメージ喰らってる人居る?」
アブロ「大丈夫」
ノインガム「寝ると治るくらい」
ヴァロック「じゃあ良いか。寝るー」

 そして、夜中。

BM「見張りの方にお知らせです」
アブロ「何!?」
BM「南から、妙な物音がしてきました。壁を何かが叩いているようです。ゴン、ゴン、とゆっくりとしたペースで……」
アブロ「あのゾンビか! 怖いよ!」
BM「その音は、徐々に数が増えていってます。あちこちを叩いている感じに」
アブロ「こわーい(泣)」
BM「しばらくすると、その中にゴイーン、ゴイーンという力強く、鈍い打撃音が混じり始めました」
アブロ「全部来たのかなぁ?」
BM「とても安眠できるような状態じゃ有りませんね」
ノインガム「むー」
ヴァロック「何ー? この音何ー?」
アブロ「それでも無理に眠ってくれい(笑)」
ヴァロック「寝れないよ」
アブロ「そうだ、壁越しに波紋を(笑)」
ヴァロック「それで扉が開いたらどーするんだ(笑)」

 ……と、レアが立ち上がってヴァロックに近付く。
 顔が青ざめている。

レア「お兄ちゃーん、怖いよう」
ヴァロック「うむ、確かに怖い(笑)」
レア「眠れないようー」

ヴァロック「じゃあ一緒に寝よう」
一同「おいっ!!」

アブロ「……それは……どうなのか な?(笑)
ノインガム「まーーずいだろ!!(笑)」
ヴァロック「レア?」
レア「うん」
ノインガム「“うん”って言ったー!!」
ヴァロック「よし」
アブロ「しょうがないなぁ、じゃあ怖くない様に、俺が見張っててやるよ」
ヴァロック「見張らなくて良いよ(笑)」
アブロ「いやそっちを重点的に」
レア「なによう」
ヴァロック「(……アブロ……殺す)」
ジェダ「じゃあ、ボクが一緒に寝てあげようか?」
レア「死んじゃうよう(笑)」

 とかアホな事を言っている間にも壁を叩く音は増え続け、結局朝まで続いたのでした。
 時折、何かが潰れ る音や、何かがベキ ベキ折れるような音が混ざりながら……




§19−2 謎の震動音

 まんじりともしない夜を過ごした一行。
 起きてすぐ、ヴァロックがガロウズを蘇生させます。

ヴァロック「……よし、デルソフィの名において、蘇生!」
BM「そんなんかなぁ(笑) なんかロッテンピッテン(fromメンマン)みたいだなぁ」
ヴァロック「いやー、デルソフィの名前を呼ぶのも久しぶりだよ(笑)」
アブロ「ろくでもない(笑)」
BM「では、ガロウズは女神に呼ばれ、目を覚ましました」
ガロウズ「ふーー」
BM「女神曰く『貴方にはまだ、やるべきことがあります。自分の力を信じて進みな さい』だそうです」
ガロウズ「何の事だろう? でも、やるしかないな(首を捻りながら)」
レア「ガロウズさーん! よかったー!(泣きながら近付く)」
ガロウズ「おはよう」
レア「お、おはようって……」

 ザ・鈍感。

ガロウズ「で、あれからどうなった?」
ヴァロック「いや、あのツンデレは逃げたよ」
ガロウズ「ツン……?」
ヴァロック「まあ、こういうわけだ……」

 かいつまんで状況を説明する。

ガロウズ「そんなツンデレが来たのか。さすが夜牙塔だな」
BM「ツンデレは関係無い」
ガロウズ「じゃあ、まだ鍵は挿してないのね?」
アブロ「これからだ。挿すとどーなるんだろうねえ」
ガロウズ「うーん、どっちにしろ、そろそろ大詰めって感じだね」
ノインガム「ですな」
ヴァロック「全然わかんないー」

 塔そのものの情報を握っていたのはフォルーナ姉さんだったのだが。
 姉さんは意地悪で、余り教えてくれなかったのだ。
 まあ、パーティが聞かなかった、というのも有るが。

BM「……って、ちょっと待った。ヴァロックって今、呪文を覚えてるんだよね?」
ヴァロック「凄い勢いで覚え直してる」
BM「昨日から、後ろの方から岩壁を雑巾で叩くような音が続いているわけですが」
ヴァロック「やな音ー」
レア「嫌いー」
BM「上の方から、それとは違う“ズズゥーーン”という音が響いて来ました」
ガロウズ「ん?」
BM「そして、塔全体を揺るがすような、もっと大きな衝撃が一度。これは、上の方から伝わって来ました」
アブロ「んー、なんかヤバいな」
BM「と、同時に、ズシン、ズシンという規則的な震動が始まりました」
アブロ「ヤバい、ヤバい!」
BM「すると、それに同調するかのように、後ろで岩を叩いていた音が同じリズムになりました。ズーン、ズーン、ビチャッ、ビチャッという感じ」


アブロ
「なんかヤバい!
 なんかヤバい!
 なんかヤバい!!!(3回)」



ヴァロック「落ち着け(笑)」
ノインガム「なんだか時間が無いような気がする」
ガロウズ「呪文まだ?」
ヴァロック「まだ?」
BM「まだだね」
ヴァロック「どうなろうと、覚えてから先に行くつもり」
アブロ「早く覚えてくれー」
BM「その、上からの震動のリズムは、そうねえ……だいたい心臓の鼓動のようなテンポだ ね」
アブロ「うーーーーーーー」
ガロウズ「まあ、焦るな。後ろはヤバそうだけどな」

 何かがヤバいと感じたアブロは焦りまくるが、ヴァロックは呪文をキッチリと取り直している。
 楽天家なのか、それとも図太いのか。
 その間にも、徐々に塔の震動は強くなっているようだ。

アブロ「うわあ、もうヤバい。開けるよ? 鍵挿すよ? 良い?」
ヴァロック「……俺のエンデュア・エレメンツは一発で良い?(聞い てない)」
ノインガム「大丈夫(こちらもマイペース)」
アブロ「開けるよ? 開けるよ?」
ヴァロック「で、火から守られる指輪は……俺が付けてようか?(全く聞いてない)」
ガロウズ「良いんじゃない」

アブロ「おーい、開けるよ!?(泣)」

ヴァロック&ノインガム「……(気にせず呪文を選んでいる)」
BM「……塔を揺るがすリズムは、今や完全にシンクロしており、上からの震動音と、後ろの打撃音が混ざり合って一つの音になっています」
アブロ「危ない! これは危ない! もう開ける!!(必死)」
ヴァロック「よし、これで呪文は大丈夫だ。開けて良いよ」
アブロ「じゃあ、挿すぜぇ!」

ノインガム「空の悟りでお願いします!!」
ヴァロック「オッケイ、まかせときぃ!(巻き舌)」


 from16連射。

BM「なんでそんなに無駄に明るいんですか?(笑)」
ヴァロック「16連射でー」
ノインガム「心の闇を討て!」
BM「……」
アブロ「はい挿したー!」
BM「ガギンと言う鈍い音とともに、鍵は穴にハマりました」
ノインガム「よし入った!」
アブロ「そしてもげた!」
ヴァロック「もぐな!(笑)」
BM「なんで自分を追い込むんですか(笑)」

アブロ「じゃあ……俺の手首がもげた!!」

BM「もげません(笑) 特に何ももげず、鍵は勝手に回り出しましたよ」
アブロ「……どうなった?」
BM「何も起きないみたいですね」
アブロ「ハズレ!?」
BM「……と、思った時、塔の震動音とは別の、石と石がギシギシときしり合うような音が聞こえてきました」

ヴァロック「そして床が抜けました!」

BM「とことんネガティブだな(笑) そうじゃなく、その半円形の部分がゆっくりと回転して行くみたいです」
アブロ「思った通り、ここが入口か」
BM「そう、アブロの予想通り。壁が回転するにつれ、アーチ状の隙間が開いた部分が中から出てきました」

ノインガム「そして、そのまま通り過ぎました」

BM「過ぎません(笑) つーか、もしそうなら眺めてないで入れ!(笑)」
ガロウズ「いや、もう一周してくるのを待とう」
BM「いやだから過ぎないって(笑) アーチの部分が正面に来ると、ガギンと音がして回転は止まりました」

 その、新しく開いた入口の向こうからは、冷気が猛烈な勢いで噴出して来る。
 白いもやが部屋を満たし始め、壁から剥がれた氷の破片が床に降り注いでいる。
 エンデュア・エレメンツをかけていなければ凍えていただろう。

BM「凍り付いていたので、氷がギシギシ言っていたみたいですね」
アブロ「はいはい、さっきの音の正体はこれね」
BM「さて、どうしますか?」
アブロ「入口があるわけね。部屋になっているのね?」
BM「そうです。私は、今すぐに貴方たちがどうするか、激しく聞きたいッ!!(笑)」

アブロ「じゃあ、少し焦らす」

BM「焦らさないで下さい(笑) 本当に良いんですか?」
アブロ「いや、よくない(笑) 鍵は抜いてく?」
BM「抜けないみたいです」
ヴァロック「じゃあ入ろう」
アブロ「俺が偵察に入る」

 暗視持ちで、《早視認》ができるアブロが調査に。
 内部には上へのハシゴが有り、反対側に出口が有った。
 冷気は上から降りてきているようだ。
 反対側の出口を覗いてみたが、南の部屋と同じ形の両開きの扉が有り、規則的に震動しているところまで同じだった。

地図
(アブロはハシゴのある部屋に入っており、そこから奥の部屋を覗いている。
 他の連中は元の部屋で待機中)

ガロウズ「奥の扉も叩かれているような感じ?」
BM「どうも、そんな感じです」
アブロ「扉の前まで行って、〈聞き耳〉しよう」
BM「はい、確かに後ろの扉と同じ感じですね。大勢の何かが扉を叩いている感 じです」
アブロ「よし、やめよう(笑)」
ヴァロック「そっちは無いな」
アブロ「上か?」
ガロウズ「冷気を追うなら、そうだろうな」
ノインガム「床と天井は? 何か印とか」
アブロ「〈視認〉……おっと、ファンブルはしなかったけど、12だ」
BM「特にめぼしいものは見えませんね」
アブロ「ハシゴってどれくらいの?」
BM「幅10フィートの大きなハシゴですね」
アブロ「大きい人用?」
BM「かもしれません」
アブロ「何が登るんだろう……」
BM「この丸い部屋の天井までは50フィートほど。ハシゴはその天井まで伸びており、天上には丸い穴が開いています」
アブロ「登れそうだねえ」
BM「登れば上に行けるでしょう」
ガロウズ「上だろ」

 もう一つの部屋は無視し、上に登ることになった。

BM「上にはボンヤリとした赤い光が見えます。それは、震動に合わせるように明滅しています」
アブロ「いやーーーーん」
ガロウズ「やはり、こっちみたいだな」
ノインガム「ロクナントにグレマジ……自分は変身」
BM「はい、独り言じゃなくて、何かやる時はちゃんとDMに宣言してください(笑)」
ノインガム「了解。ロクナントにグレーター・マジック・ファングを かけ、自分はバブーンに変身します」
ヴァロック「あー、俺もサイレンスしようかな」
アブロ「相手にもバレるんじゃない?」
ヴァロック「物にかけて、近くまで行ったら落とせば良い」

 しばし相談タイム。
 ヴァロックは銅貨にサイレンスをかけ、アブロに渡すことにした。
 おお、まるでD&Dのパーティのようだ!!【褒め言葉】
 そしてガロウズは、

ガロウズ「当然何も無し!!」

 ……を力強く宣言。
 さすがはファイターだ【褒め言葉】
 さて、準備も一通り終り、登る順番でアブロが……

アブロ「レアは……下に誰も居ない方が良いの?」
レア「え?」
アブロ「お年頃じゃん」
ヴァロック「おい、お前なに言ってんだ!(笑)」
BM「それは中の人の発言ですか?(笑)」
アブロ「……お前……それは……パーティの安全とか……隊列とかが……アレだよ
レア「えっち!!!」
ヴァロック「つーか、忍者服だから大丈夫だよ!!」
アブロ「ちぇ」
ヴァロック「残念ながら。……いや本当に残念ながら!!!(絶叫)」
レア「……」

 あー、もう、いや、なんでもないです(諦め)。
 ハシゴを登り始めた一行。
 登るにつれ、震動音が大きくなって行くという……

ヴァロック「いや、サイレンス有 るから音は聞こえないよ」
BM「あ」




§19−3 ザトゥール登場

 天井近くで、アブロはサイレンスの銅貨を落とす。
 そして、ひとまず〈聞き耳〉をしたのだが……。

アブロ「……(ころころ)……」
ヴァロック「回った(笑)」

 RAINBΦWでは技能判定で「20」が出ると、もう一度ロールして足せるというハ ウスルールを使っている。
 これが通称“回る”だ。
 ──余りにもドラマチックになるので、普通のキャンペーンにはオススメできない(笑)

アブロ「じゃ、もう1回……(ころころ)……」
ヴァロック「また回った!(笑) 無駄に(笑)」
BM「頑張りすぎ!!(笑)」

 で、そこでも“回った”場合はもう一度足せる。
 あーあー、大惨事だ(笑)

アブロ「えーと、66?」
BM「なんだそれ!(笑)」

 なんだそのエピックな数字は(笑)
 どれくらいかと言うと『500フィート先の、忍び歩きしている猫の足音を聞きつける』ぐらい。
 ルールとか関係なく、無理だと思う(笑)
 まあいいや。
 アブロは〈視認〉だけじゃなく、〈聞き耳〉も強かった!?

ヴァロック「おめでとう。もう、今日のアブロの活躍はこれで終りだよ(笑)」
アブロ「こ、これで終りなの?(笑)」
BM「……(うおおー、会話が聞かれちゃったな)」
ヴァロック「今日はこれだけじゃない?」
アブロ「あれぇ……俺、この見せ場だけで、死ぬのかな?」
ノインガム「フラグ立てちゃった」
アブロ「……俺……この冒険終わったら、結婚するんですよ(適当)」
ヴァロック「じゃあ俺が指輪を預かるよ!(笑)」
BM「はい、フラグ立ては良いから(笑) 上の方からは、こんな会話が聞こえて来ましたよ」

 声1(落ち着いた声)「……侵入者 達が、来たようだな」
 声2(若く勢いのある声)「はっ。私が出ましょうか?」
 声3(小さな女の子の声)「捨て置け。復活の儀式が先じゃ」
 声1「そうか、来たか……マモリテどもよ」
 声3「お前たちは、あちらの儀式の準備を進めるのだ。 出発の準備は出来ているのか?」
 声4(どこかで聞いた声)「仰せのままに。……げっひっひっひ」

アブロ「うわっ、マズい! 急ごう、急ごう」
ヴァロック「どうしたー?」
アブロ「喋ってる時間が無い! 登ろう」

 一行は、広い円形状のホールに登って来た。
 部屋の内部は薄暗い、赤い光で満ちている。
 天井までは高く、中央に大きな穴が開いている。
 その穴の向こうには、巨大な……臓器……赤黒く明滅する心臓が浮かんでいる!
 心臓の鼓動、明滅と、塔全体の震動が一体化しているのが見て取れる。

部屋の様子
(写真見て思い出した。
 なんでこの後「ハートの器」とか言ってるのかを(笑)
 そうか、俺が赤いハート描いたからいけなかったのか……)

アブロ「おお、アレは……うん、刺すと死ぬ場所だ」
ヴァロック「心臓だな」
BM「それは支えもなしに中空に浮かんでおり、黒い炎に包まれています」
ノインガム「炎? 熱い?」
BM「いや、その逆です。炎が揺らめいているのですが、どうもそれがこの寒さの中心のようです」
アブロ「まさかとは思うけど……古代帝国(氷河帝国)の話を思い出すよね」
ヴァロック「偶然だね(適当)」
BM「凍える炎……フロスト・サラマンダーたち……そう、氷河帝国は彼等の帝国でした」
アブロ「関係無いと思うけど、思い出すよね(笑) 氷河帝国の名前も有ったしね……」
ヴァロック「どっちにしろ、アレをなんとかすりゃあ良いんじゃないのか?」
ガロウズ「……そうかな?」
ヴァロック「あのハートを取れば1UPするんじゃねえ!?」
アブロ「もしくは、ヒット・ポイントが1点回復するとか!?」
ヴァロック「1点じゃあなあ(笑)」
ノインガム「でかいから、満タンじゃないのか?」
アブロ「いや、ハートの器だから上限が増える」
ヴァロック「最大ヒット・ポイントが1点増える!?」

 いやハートはもういいよ!!(笑)
 クライマックスだろ。
 空気読め。

BM「はい、もうハートの器の話は良いから(笑)」
ヴァロック「いやあ、死ぬのを先にしたいからさあ(笑)」
アブロ「その間に心の準備を(笑)」
BM「その気持は分からんでもないが(笑)」
ヴァロック「そうそう」
ノインガム「あ、いちおう俺ここで、セーブしとく」
アブロ「でもセーブポイントが無い!?」
ヴァロック「“中断”だけ有るよ?(笑)」
ガロウズ「じゃ、俺は7面で粘ろうかな」
ノインガム「あー、セーブクリスタル使うの忘れたー」

BM「早く行けぇぇ!!(笑)」

アブロ「ちぇー」
ヴァロック「よし、行くかー!」
アブロ「パっと見で、心臓のところに登る方法は無いみたい?」
BM「無いようですね」

 ひとまず、上の部屋に出てきた一行。
 すると、そこへ、頭上に怪しい影。
 フワリ、と、複雑な模様を織り込んだローブをまとった、青白い男が天井の穴の淵からゆっくりと飛んで来た。
 痩せ細った頬に、怪しく煌く瞳。美しく整った顔は、まるで女性のようだ。
 口元だけに笑いを貼り付け、決して笑っていない目で悠然と一行を見下ろしている。

アブロ「おおー、なんかクライマックスっぽいねぇ」
BM「クライマックスだよ!!(笑)」
ヴァロック「ヤバいねえ」
BM「ヤバいよ!! なんでそんなに呑気なんだ(笑) ……良いから話を聞け」

 冷え切った、まるで温かみの無い声でその男は喋り始めた。

謎の男「ようこそ客人……と、言いたいところだが、そうも言っていられない。我々は忙しいのでね」
アブロ「こっちも忙しい。アンタの相手をしている暇は無い……」
謎の男「ほう」
アブロ「お互いにそういうことだから……いなくなってくんないかな?」
謎の男「……フッ(鼻で笑う)」

アブロ「……ウケた!(笑)」
ヴァロック「ウケてないよ!!(笑)」


アブロ「大爆笑!」
ノインガム「スマッシュ・ヒット!」
BM「してません(笑)」
ヴァロック「苦笑い……失笑したんじゃないの?」
BM「まあ、そのようです」

 ボスだよ、ボス!!(泣)

謎の男「君達はミチビキテによって選ばれたマモリテ……そうなんだろう?」
アブロ「守り手? うーん」
ヴァロック「うーーーーーーーーーーーん」
アブロ「……彼はそう(ガロウズを指して)」
ガロウズ「いや、俺は違うよ」
アブロ「そ、そうだっけ?」
ガロウズ「俺は印も受けてないし、誓いも立てて無い」
アブロ「ああ、守り手はこっちか(ヴァロックを指して)」
ヴァロック「うーーーーん、そうだね……うーーん、一応、そうなのかな?」
アブロ「随分悩むね(笑)」
ヴァロック「古いことだから、忘れちゃったよ」
謎の男「……(それを冷ややかな目で見つめている)」

 その男は、目を細め、嬉しそうな顔をした。
 彼に感情が有ったとしての話だが。

謎の男「何より、守り手がゆっくり道草を食ってくれたおかげで助かった。我々のプランは計画通りに進んでいる」
ヴァロック「氷河帝国か?」
謎の男「フッ……」

 男は微笑んだだけで、答えない。

謎の男「復活は、もはや時間の問題だ」
ヴァロック「氷河帝国なんだな!?」
謎の男「後は、最後の仕上げをするだけだ」
ヴァロック「その肝心のところを教えろよ!(笑)」
アブロ「ちなみに、その最後の仕上げの前に止まっちゃったら、どうなるの?」
謎の男「そんなことは起こり得ない」
アブロ「起こり得ないなら、教えてくれても良いじゃない?(笑)」
謎の男「絶対に、起こらない」
アブロ「もし万が一、起こっちゃったら?」
謎の男「私が、起こさせない」
アブロ「あっ、そう(笑)」
ガロウズ「凄い自信だな」

ヴァロック「その自信、僕達が打ち砕こう!!」

 あー、なんかクライマックスっぽくなって来ましたね。
 やっと。

謎の男「奢るな、矮小な者どもよ。我が名は……」
ヴァロック「お、名乗るぞ」
アブロ「名乗ったら、こっちの勝ちだね(何故)」
謎の男「我が名はザトゥール=アル トゥール
ヴァロック「お、来たねー」
アブロ「ああ、“ザトゥール”ってこの人か……」
ザトゥール「その昔はヴラド、クロロックとも名乗った。アガラート……レスタトと呼ばれたことも有る……」
ヴァロック「(メモしながら)……クロ……レスタ……どれだよ!!(笑)」
ザトゥール「貴様等には“ガルシアス”の名の方が知られているか?」
ヴァロック「ガルシアス!?」

 懐かしい名前が出てきた。

アブロ「知っているのかレア!?」
レア「いやまだ喋ってませんけど(笑)」
アブロ「この名前に聞き覚えは?」
レア「全て強力な吸血鬼の名前だわ」
ヴァロック「つーか、ガルシアスは“地底の城砦”に出てきたよね?」
ノインガム「ああ、あれか」
アブロ「またアンデッドかー(泣)」

 また、とは失敬な。
 ……偶然とか……夜牙塔の設定とかが……お前……アレじゃよ

レア「でも、どれもこれも伝説上の存在で、実際に居たわけじゃない……」
ザトゥール「それは違う。私は、全 ての次元と、全ての時間に同時に存在することが出来る」
アブロ「やばー」
ザトゥール「私はどこにでも居て、いつでも現れる……」
アブロ「なんかウエストもそんなようなことを言っていたなー」
ヴァロック「……いや、ウエストは……ウエストは……ウエストは違う!」

 ヴァロックは今でもウエストのことを信じているのであった。

BM「ザトゥールは、頭上の“心臓を指差して、こう言いました」
ザトゥール「見よ!」
ヴァロック「じゃあ見た!」
アブロ「じゃあ俺も見た!」
ザトゥール「あの、大いなる力を蓄えた“心臓”を! この力と、我等13忍者の力が合わされば、次元一つ掌握するのも容易いことだ!」
ノインガム「容易いこと!?」
ガロウズ「いや、でもまだ復活していないんだろ?」
アブロ「……星を一つ生み出すほどの力!?」
ザトゥール「その通り。……高嶺の花も振向くさ」
アブロ「進路の悩みも?」
ノインガム「ベルリンの壁も!?」

ザトゥール「打ち破るッ!」

 ……。
 もう16連射は良いよ!!
 つーか、ザトゥール答えるな!(笑)

ザトゥール「……無駄話はこれでおしまいだ。時間を稼いだおかげで、儀式は滞りなく進んでいるようだ」
アブロ「やべっ、稼がれた!(笑)」
ガロウズ「ヤバいな。間に合うのか?」
アブロ「問答無用でやっつけよう!」
ヴァロック「いや、届かないけどね」
アブロ「……届かない!?」
ガロウズ「遂に、跳んだり跳ねたり する時がやって来たか!」
ヴァロック「やべー」
BM「いや無理だろ(笑)」

 ザトゥールは天井のさらに上に浮かんでいるのだ。
 どうなる一行。



§19−4 まだまだこんなもんじゃないぜ

 上に登る方法はともかく、まずはイニシアチブ。

ガロウズ 7
ザトゥール 14
ノインガム 19
ヴァロック 22
アブロ・ジェダ 22

アブロ「1人だけ遅いね」
ガロウズ「ねえ(笑)」
アブロ「レアは?」
レア「16」
ヴァロック「♪16連射で〜〜」

 歌っている場合ではない。

ヴァロック「色々とやらなきゃいけないことが有るんだが、色々やっているヒマは無さそうだ」
アブロ「やるしかないだろう」
ジェダ「ダメよ、アブロ、逃げて!」
アブロ「そうは言ってもねぇ」
ジェダ「私には分かるの。同族のアイツ……私と比べ物にならないぐらいの魔力を有しているわ!」
アブロ「うーむ、そうか。……じゃあ、君だけでも逃げろ」
ジェダ「それはできない」
アブロ「……」
ジェダ「……」

 見つめ合う二人。
 怯えるジェダ、それを横目に影隠れを使おうとするアブロ。

アブロ「隠れてみるかー」
BM「アブロはそれを口に出したわけじゃありませんよね?」
アブロ「うん」
BM「意志セーヴいくつですか? はい……(ころころ)……じゃあ、ザトゥールがすかさず喋ります」
ザトゥ−ル「やってみろ! 隠れられるかもしれんぞ?(微笑)」
アブロ「!? ……じゃあやめとく(笑)」
ガロウズ「あははー」
アブロ「かなり無駄っぽいな。心を読まれてる?」
BM「そんな気がします」
アブロ「それじゃ、色々とエロい想 像をしてみる」
ザトゥール「ちょ……おまwwww(赤面)」
一同「(爆笑)」
アブロ「ほらほら〜〜(文字にできない想像)」
ザトゥール「貴様ッ! ……その、下劣な思考を消し去ってやるッッ!!」

アブロ「まだまだこんなもんじゃないぜぇぇ〜〜」

BM「何言ってんだ(笑)」
ヴァロック「最悪だ(笑)」
ザトゥール「やめろ! やめるんだ!!」
アブロ「潔癖症なんだね。じゃあ、もう……B! とかL! とか!(笑)」
ヴァロック「うわ、それはヤバい(笑)」
ノインガム「キツい(笑)」

ザトゥール「き、貴様……や……めろおおお……ッ!(絶叫)」
アブロ「こっちも苦しいぜ!(笑)」
ザトゥール「ぐおおおお」
アブロ「ど、どうだ〜〜ッ!」

ガロウズ「見えない戦いが続いているらしい(笑)」
ヴァロック「アホだろ(笑)」

 かなりの精神的ダメージを与えたアブロ。
 ザトゥールはこのラウンド、判定に−1のペナルティーを受けると裁定してみた。どんなゲームだコレ。
 つーか、アブロもペナルティー受けるんじゃないか、コレ(笑)
 これでアブロの行動は終了。

ヴァロック「よし、まずは体力だ。マス・ベアズ・エンデュアランスを かけよう」
レア「ああっ、急に体力が倍近くに(笑)」
アブロ「凄いムキムキになった?」
レア「なってません(怒)」
ノインガム「よし、バットに変身しよう」
アブロ「連れて行ってくれる? ガロウズを」
ノインガム「微妙だなぁ。ガロウズは鎧が有るから……」
ガロウズ「いや、むしろ体重が重い」

 悩むノインガム。

ノインガム「でも、浮いてる心臓が怪しいッ!」
アブロ「不用意に近付かない方が良いような気もするけど……」
ノインガム「じゃあ、心臓にフレイム・ストライクですかなー」
ヴァロック「それは良い」
ノインガム「あ、届かない。じゃあ、ザトゥールに……(ころころ)……39」
BM「セーヴは通した、半分。炎に包まれたザトゥールは、ノインガムの方をチラリと睨みましたよ。割と平静」
ノインガム「ネチャライ!」
レア「私は……下に降りた方が良い?」
アブロ「それは危ない」
レア「じゃあ、離れて……イレイション! 盛んに! 盛んに!」
アブロ「何かが盛んに!」
レア「意気です!!!!」
ヴァロック「これで【筋力】と【敏捷】+2か。凄いよなー、これ」

 そしてザトゥールの番。

ザトゥール「どうやらやる気のようだ。しかも、私に勝てる気でいる」
アブロ「やってみなくちゃ分からないさ」
ザトゥール「ハハハハハハーーーッ!」
ヴァロック「おかしくなった?」
アブロ「恐怖のあまり?」
ガロウズ「余裕が有るからだろ」
ザトゥール「……なんとでも言え。ところで諸君、寒いのは好きかね?」
アブロ「好きか嫌いかって言われれば……嫌いかも」
ヴァロック「暑い方がまだ良いかなー」
アブロ「暑いのも嫌いかな」
ヴァロック「じゃあ、夏と冬どっちが好き?」
アブロ「ぬるいのが良い」
ヴァロック「ぬるいの(笑) ぬるいのは良いねぇー!(笑)」
アブロ「うん。ぬるま湯の中で生きていたいよ(笑)」

ガロウズ「……お前ら大丈夫か!!(笑)」

アブロ「いや、恐怖のあまり(笑)」
ヴァロック「おかしくなった」
ノインガム「おかしくなられた」
ガロウズ「しっかりしろ!」

 ……と、ドキドキする(?)一行に向けてザトゥールの手が振り下ろされる!
 そこから大量の氷が降り注ぐ!

アブロ「いやー、エンデュア・エレメンツが有って良かった。全く平 気だー」
ヴァロック「いや、これは魔法の氷だからダメだよ(笑)」
BM「その通り。反応セーヴやってください。目標値20」
ガロウズ「20かぁ……(泣)」
アブロ「……(ころころ)……33。ぬるいわ!」
ガロウズ「14以上!……(ころころ)……やっぱり失敗(泣)」
ヴァロック「くらったー」
ノインガム「あ、俺もくらった。ヘビは避けたー」
アブロ「俺は完全に避けたぜ。……粒と粒の間を通って!!」
BM「いくよー(ジャラジャラとダイスを混ぜる)」
ヴァロック「あ、このマスターに六面振らせたらマズいんじゃなかったっけ?」
BM「かもね(笑)」
アブロ「じゃあ振らないでよ!」
BM「それはできません……(ころころ)……あっ、安い!」
ガロウズ「安くないよ!」
ヴァロック「あんまりシケてないよ!」
BM「47点、半分で23点」
アブロ「俺には効かないぜ!」
ザトゥール「ほほぅ、かわすか。面白い」
BM「彼の目つきが、犬畜生を見る目から、奴隷を見る目に変りました」


アブロ「レベルアーーーーップ!!」
ガロウズ「それはアップなのか!?(笑)」



 そんなことを言っているうちに、DMが呪文範囲を確認。
 すると……

BM「あっ、そういやジェダは?」
アブロ「ああーーっ! ……えーーと、入ってるーー!!!!(泣)
BM「(通してもダメくさいな)…………反応をどうぞ」
アブロ「反応3。……(ころころ)……12」
BM「もとや(*)……(ころころ)……入った。ということは、47点」
ヴァロック「弾け飛ぶんじゃないの?」
アブロ「…………ッ!!」

*……RAINBΦW用語。非実体の攻撃失敗確率、同じく視認困難の失敗確率などを「空中もとやチェック」と呼 ぶ。

アブロ「じ、ジェダーーーー!!!???」
BM「飛んじゃったねえ」
ヴァロック「それはどうしようも無い」

アブロ「どうしよう……も……ない」
ザトゥール「フッハッハ! 汚い黒カビが掃除できたか!」
アブロ「畜生! てめえだけは許さねぇぇぇーーーーーっ!」

 最後の力を振り絞り、アブロに語りかけるジェダ。

ジェダ「ごめんなさい。ボク……足手まといだね(アブロに向けて手を伸ばしながら)」
アブロ「ジェダ……」
ヴァロック「あ、そこで生命力を吸わせれば!?」
アブロ「ううっ……。そうだ、俺の体力を吸え!」
BM「できないことは無いですが……それだと、アブロがシャドウになってしまいますね、多分」
ジェダ「(自分から手を引く)それはダメ。アブロ、ボクの分まで、生きて」
アブロ「うわああああ、そんなこと言われてもおお(泣)」
ジェダ「泣かないで。キミと一緒に居られて、ボクは嬉しかったよ」
アブロ「そ、それはこっちもだよ!」
ジェダ「ずっと一緒に居たかったけど。ゴメンね……ゴメンね……」
アブロ「……」
ジェダ「今度生まれる時には、きっと……
一同「……」
BM「その言葉を遺し、ジェダは消滅しました」
アブロ「ううううーー、くそぉ……。来世が有ったら、また……」

ジェダの最期

 合掌。
 いかめしに続き、ジェダまでも……。
 そこへ叩きつけるような哄笑が響き渡る。

ザトゥール「アッハッハッハーー! 何をそんなに嘆いている!」
アブロ「悪役みたいなやつめ〜〜(注:悪役です)」
ザトゥール「我等が高貴なるアンデッドと、貴様ら下等な人間が……所詮分かり合えるわけがないのだ!」
アブロ「なんとでも言えー!(泣)」
ザトゥール「愚かしい。貴様のその涙は紛い物だ!」
アブロ「泣いてない! 泣いてなんかないやい!!(泣)」
ザトゥール「ほほぅ、こんなことで取り乱すか。全く、貴様らの考えていることは分からぬな……」
ヴァロック「僕も、お前のことなど全く分からない!」
ガロウズ「理解して貰わなくて良い!」

ザトゥール「ならば……そのまま死ねぃっ!」
アブロ「それはこっちのセリフだぁぁっ!」



 相棒以上の存在だったジェダを失った、アブロ。
 その悲しみをあざ笑うザトゥール。
 なんかクライマックスっぽいな!(クライマックスです)

 一行は太刀打ちできるのか?
 ガロウズの《大旋風》は唸るのかっ!?(それは無い
 緊迫の次号を待て



第19話 了