1歩目:プレイしやすいPHBにしよう
文責:石川 030107
さて、PHBを購入した君はプレイヤー(以下PL)志望だろうか。それともマスター(DM)志望?
どちらでもいい。
結局のところ、PHBは両者が内容を理解している必要があるからだ。
特にDMはPLたちのさまざまな質問・要請・わがまま・無理難題に答える(そしてその大半を却下する)ためにも、PHBの内容をくまなく理解しておく必要がある。
あ、待って!
ブラウザ閉じないでってば!
くまなく理解する、といっても、「ルールをすべて覚えろ」って言ってるわけじゃない。そんなこと、今えらそうに書いてる筆者だって出来てやしないんだから。
まあ、ちょっと考えてごらんな。
「JRの駅の名前と時刻表をすべて言える子供」がちょくちょくテレビに出てくるよね。
彼らが将来駅員になったとしたら、それはさぞ便利な存在となるに違いない。
さて、じゃあJRの駅員は、みんな駅の名前や発車時刻を丸暗記しているのだろうか?
答えは多分(いや、ほぼ確実に)NOだろう。
おそらくほとんどの駅員はすべての、どころか近郊以外の駅名など覚えてないし、発車時刻だってはっきりとは答えられないはずだ。
しかし、彼らは客が問うたなら、おもむろに路線図や時刻表をとりだし、あるいは駅に備え付けてあるコンピュータを使って瞬く間に答えを返してくれるだろう。
そう、彼らは膨大な情報を丸暗記する代わりに、必要なときに必要な情報を取り出すすべを知っている。そして、駅員として働くには、その能力があれば十分なのだ。
D&DのPLならびにDMにおいても、まったく同じことが言える。
PLおよびDMはルールをすべて覚えている必要はない。
最低限のルールさえ覚えていれば、あとは「ルールを(出来れば迅速に)検索する能力」、より簡易に言い換えるなら「ルールブックのどこに何が書いているかわかる」能力があれば十分なのである。
しかし、プレイをはじめてすらいない君は、PHBのどこを開けばよいのかすらもわからないだろう。
OK,ブラザー。
だまされたと思って俺の言うとおりにやってみな。
その代わり、ちょっとだけ投資してもらうことになるがね。
まずは、タックインデックス(ノートや教科書の横にはみ出すように貼る、いわゆる「ミミ」ってやつだ)を用意して欲しい。ついでに付箋紙があればもっといい。
どちらもそこらの文房具屋や100円均一で売ってるようなものでかまわない。筆者はコクヨの<小>サイズのタックを使っているが、君が米粒にお経を書くのが趣味ならより小さいものでもいいだろう。
用意したタックを、以下に示すページに貼り、見出しを書き込んでくれ。
p8 能力値・修正
p22 レベル・ボーナス
p59 技能
p79 特技
p98 武器 ★
p104 防具 ★
p122 戦闘行動・機会攻撃
p132 戦闘修正
p143 移動 ★
p159 呪文
p277 用語集
※ちなみに★印がしてあるものは、筆者がページ上側にタックを貼り付けて
いるものである(表(だけ)を頻繁に見るので分けてある)。
たったこれだけの作業で、きみのPHBは数倍、イヤもしかしたら数十倍も使い勝手が良くなっていることだろう。
もちろん、いまタックを貼ったところを見ればすべてのルールが理解できるというわけではない。けれども、いちいち目次を見返したり、ページを数えることなく必要な個所(およびその近傍)を開くことが出来るのは、きわめて作業能率を高めてくれるはずである。
「なんかビラビラした紙がいっぱいはみ出しててみっともないからイヤ」というならPHBをもう一冊保存用に購入し、真空パック等の防汚処理を施した上でスイス銀行の貸し金庫にでも預けておくといい。ルールがもう一冊売れれば経営危機説の流れるWotC本社もきっと喜ぶ。まことによいことずくめである。もっとも筆者は「ルールブックは使い倒してなんぼ」派なので、タックはもちろん重要箇所のマーキング、注釈・エラッタ、誤植の修正、冒険メモ、NPCの残りHP、クソマスターへの罵詈雑言集、コンベンションでナンパした子に贈る愛の言葉集にいたるすべてをPHBに書き込んでいるが。
また、以後「ここ大事かも」とか「ここよく見るなあ」なんてページが出来たらガンガンタックや付箋を貼り付けていこう。必ずや君が世界一使いやすいPHBができあがるはずだ。