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D&Dはじめの一歩特別編
サイオニックはじめの一歩
  二歩目 種族とクラス

060107 いしかわ



 サイオニックを使うためには大きく2つの方法がある。
 生まれつきサイオニック能力を持つ種族を選択するか、サイオニックを使えるようになるクラスを選択するか、である。ちょうど、魔法を使うのに擬似呪文能力を持っているか、それとも呪文の使えるクラスに就くことが必要とされるのと同じだね(*1)。
 
 サイオニクス・ハンドブックにはサイオニックに縁深い種族が計9種、そしてサイオニックを使いこなせるクラスが4クラス上級クラスが9クラス掲載されている。
 ここではまず種族とクラスを紹介しよう。

[種族]
●エラン
 人間から儀式を経て作られる、サイオニックに開眼した人たち。人たちっていうか種族が”異形”になっちゃってるのでチャームパースンとか受けずに済む特異体質をえた。故に仲間にキュア・パーソン(*2)とかで回復してもらっても回復できず「だって・・・オラ・・・エランだから・・・・」とかいうロールプレイも可能なステキ種族。ああアパッチのおたけび。
 1lv時に2ppを得、かつ割り込みアクション(*3)で1pp払ってセーヴに+4を得たり、ダメージを2点軽減したり、24時間食料や水なしに生きられたり、といった能力を得られる、【魅】-2を我慢できるならまるで損ナシな種族。美形だし。
 ちなみに適正クラスはサイオン。ppがいっぱいあればあるほど種族能力も有効に使えるので、サイオニック系クラスを選択するが吉。

 
●ギスゼライ
 高名なるギス氏族の片割れ。通称「良いギス」。【敏】+6、【判】+2、【知】−2の他、60フィート暗視、2pp、数種の擬似サイオニック能力、パワー抵抗(*4)などを得るが、あまりに強力なためレベル調整値+2を受けるためやや使いにくい。
 モンクが適正クラスだが・・・・・まあ【知力】-2じゃしょうがねえよな。うん。


●ギスヤンキ
 通称「悪いギス」。おぼえられない人は「ヤンキ(ー)は悪い奴」と覚えよう!試験に出るよ!【出ません】
 残忍で高慢で無礼で奴隷好き。しかも神を信仰してるのがバレると、有名なリッチクイーン様に命を狙われるというドキドキ感がたまらないステキ種族。
 ギスなので擬似サイオニック能力持ってたりパワー抵抗持ってたり、とエロい体質を受け継ぐが、能力値は【敏捷力】+2,【耐久力】+2,【判断力】-2とゼライとは違うカンジでレベル調整値+2を受ける。
 しかも適正クラスはファイター。まあ【判断力】-2じゃ(以下略)。


●スリクリーン
 砂漠からやってきた驚異のカマキリ人間。腕が4本有り、武器4つ持ったり両手武器2つもったりできる上、麻痺毒付きのかみつきまで持ってる、夢が広がる種族。ローグ1レベル持ってるだけでも強烈な危険性をはらむことに成功できる存在。
 あとジャンプの名手で、〈跳躍〉 判定になんと+30の種族ボーナスがつく。というとネタみたいだが、冒険者大全(予)のReapAttackを組み合わせると結構笑えなかったり。他にも暗視・外皮+3・1pp・擬似サイオニックなどヤバイ能力目白押し。やりすぎだよお前もうやめれってカンジです。
 なのだが種族HD2とレベル調整値+2を受けるため、やっぱり使いづらい。
 あと適正クラスがレンジャーなのはなんかのギャグだと思いたい。なんかの罰ゲームなのか?


●ゼフ
 褐色の皮膚を持つやや小柄な種族。てゆうかぶっちゃけ擬似ハーフリング(【筋力】-2、【敏捷力】+2)。
 なのだがサイズは中型で暗視60フィート、パワーや呪文に対するセーヴ+1、1pp、3Rだけ移動速度を10フィート増やす”爆発的な俊足”能力などを持つ。なのにレベル調整値なしという超種族。やり過ぎだろこれ。
 適正クラスがソウルナイフという大きな十字架を背負っているのは前世が悪かったのでしょうか。まあ人食いだしなあ(*5)。


ドゥエルガル
 エルフに対するドラウのような存在。通称灰色ドワーフ。
 種族の説明を読むと陰気で狭量で奴隷好きで強欲で短気で陰鬱で暴力的で恩知らず受けた侮辱を一生忘れないとかプレイヤーのほうが死にたくなるようなことが書かれている。
 しかし、ドワーフとしての利点(暗視とか転びにくいとか重装備でも移動力が落ちないとか)を備えている上、擬似サイオニック能力としてエクスパンションインヴィジビリティを有する。
 陽光の下だと目がくらむとかレベル調整値が+1とかって欠点もあるが、適正クラスがファイターなのを含めてかなりイケてる。


ドロマイト
 通称虫人間。キモい
 アリみたく女王がいて、PCはその配下である”火””氷””声””微光”のどれかのカーストに属する。外骨格っぽい皮膚(AC+3)、属するカーストにより決まるエネルギー抵抗5点とエナジーレイ能力、鋭敏嗅覚など様々な能力を得るが、【筋力】-2、【判断力】-2、そしてなぜか【魅力】+2でサイズが小型な上、レベル調整値が+1で、かつ外見がキモいためプレイしたがるものはいない。日本では約1名を除いて(*6)。
 適正クラスはワイルダー。


ハーフジャイアント

 【筋力】+2,【耐久力】+2、【敏捷力】-2で、中型なのに大型用の武器を持てる「優れた体格」をもつ、非常に戦士向きの種族。
 適正クラスはサイキックウォーリアーで生まれつき2pp持ってるのもいいカンジだ。
 レベル調整値が+1付くが、戦闘系なら元が取れる。・・・まあ、たぶんね。
 ゼフ、ドゥエルガルと並ぶオススメ種族。


●ミーナッド
 肌にラメが入っててキラキラ光る上、容姿が一様に整っているという宝塚みたいな種族。身長も人間より大きい。のだが、能力値には一切修正が付かない謎の種族。
 2ppとエナジーレイ[音波]を持つ他、4Rの間【知力】【判断力】を-2して【筋力】に+2する”激情”能力が使える。
 ワイルダーが適正クラスでレベル調整値が+0なのだが・・・うーん。
 まあ、なんかキラキラ光ってる美青年とかが好きな人がやればいいんじゃないですかね。



[クラス]
●サイオン
 サイオニクスにおける基本クラス。魔法におけるウィザードみたいなクラス。HDがd4、技能がレベル毎2ポイント、ベース能力値が【知力】などといった点もウィザードと共通している。
 サイオンになると、毎日2pp(+【知力】に応じた追加pp)と、3種のパワーを修得できる。パワーには”スペルブック”に当たるものがないので、基本的にはここで覚えたパワーは一生ついて回る。選択は慎重に。

 また、サイオンはサイクリスタルという人造クリーチャーを作成できる。サイクリスタルはサイオンの人格の一部を結晶化したもので、自分の意志を持ち、サイオンの技能やセーヴを助けてくれる(そう、ちょうど魔法使い達の使い魔のように)。

 そしてもう一つ。
 サイオンはウィザードの呪文系統の専門化のように、6つの分野から1つの”分野”を選択しなければならない。ここで選択した分野によって、サイオンは得意分野に応じた、より超能力者っぽい称号を得る。

・選択できる分野と称号
 分野    : 称号    
観念移動  :ノーマッド   :フライとかテレポートとかの移動系超能力使い。
具象化    :シェイパー  :エクトプラズムでなんか作ったり。アストラル・コンストラクトが超ヤバい
精神感応  :テレパス   :心術っぽいパワーが得意。相手が精神持ってないとキツい
超知覚    :シーア    :予言とか予知の他にサイコメトラーっぽいこともできたり。結構便利。
念動     :キネティシスト:こちらは力術的なパワー使い。念力っぽいのとか。
変容     :エゴイスト  :自分や周りのものを強化したり回復したり。主に自分用パワー使い。

 サイオンには「サイオン全員が共通で使えるパワー」と「特定の分野を修得したものだけが使えるパワー」(感覚的にはクレリックの領域呪文に近いが、より独自性が高いものが多く、レベル毎に複数のパワーがあるものも多い)があり、特に後者には強力なものが多い。自分のやりたいことをよく見定めて分野とパワーを決定しよう。


●サイキック・ウォリアー
 サイオニックと武術を同時に使いこなす、それがサイキック・ウォリアーだ。
 彼らは基本攻撃ボーナスこそクレリック同様だが、d8のHDと2ポイントずつの技能ポイント、そしてサイオンと比べると半分程度のppを獲得する。パワーはレベル毎1つずつしか習得できないものの、単純武器と軍用武器の全て、そしてタワーシールド以外の防具全てに習熟しているほか、結構な頻度でボーナス特技(ファイターボーナス特技かサイオニック用特技として修得可能)は振ってくるのでいろんなタイプの戦士を作成できる。
 パワーはクラス独自のリストから選択するが、戦闘力を上昇させたり移動を簡単にしたりといった個人向け便利呪文が多く含まれている。特に自身を強化する能力は、豊富に修得できる特技とのコンビネーションによって、その効果をより強力に発揮できるだろう。また、便利呪文は暗視を得たり能力値を増やしたり、と他のクラスでも使いやすいものが揃っている。
 一風変わった戦士をプレイしたい人はぜひ。


●ソウルナイフ
 いらない子。
 精神力で刃を作りだし、それで攻撃できるクラス。サイオニックパワーと武術を融合させて戦う。のだがppは貰えず、パワーも覚えない
 鎧は軽装まで、武器は単純武器までで基本攻撃ボーナスがクレリック並。と書くとモンクとほぼ同じだが、【判断力】によるACへのボーナスもなく、体そのものも強化されない。武器はマインド・ブレードを使うことにすると、1レベル時はショートソード相当、5レベルからようやく別の武器(バスタードソードとか)に変形させることを覚え、4レベル毎に+1ずつの強化と6レベル以降に特殊効果(ヴィシャスとかキーンとか)を付加できる。
 ・・・それで一体どうしろと
 
 一応、マインド・ブレードは投げることもできるので3レベルから獲得できる心霊斬(移動アクションを消費して1d8〜5d8のダメージを追加)と組み合わせることも可能だが・・・19レベルまで成長させて1Rに一回+5d8ダメージ(しかも心霊斬は精神持ってない相手に効かない)ですか。うーむ。
 《マインド・ブレード早抜き》 を持ってしても1ラウンドには最大2本しか利用できないため、《速射》 あたりで数を稼ぐことも難しい。まあ通常の手投げ武器いっぱい持って一緒に投げる手もないではないけど、ならファイターでいいじゃん
 
 武器が強くなるけど前に出れない(出るための能力もない)、武器を強くするのに時間がかかりすぎる、武器が強くなる以外の能力もほとんど無いといいところがない
 
 うーん、せいぜいが1-2レベルとってローグの補助にするとか、ファイターとかバーバリアンとマルチして装備を濃くするか、くらいかねえ。なら生ファイターにしとけっていわれるとは思うけど。
 ・・・・・・せめてローグ能力持ってるか、攻撃ボーナスがファイター並 ならねえ・・・。
 まあいらんものはいらんという方向で。めざせNOといえる日本人。
 金が出ないキャンペーンなら買いだ。


ワイルダー
 サイオンをウィザードとするなら、ワイルダーはソーサラーと言うことができる。
 パワーを理論としてではなく直感や経験から学んだワイルダーは【魅力】をベース能力値とし、修得できるパワーの種類はサイオンと同様ながら、修得数は遙かに少なく、クラスレベルに対して修得できる最大パワーレベルも1クラスレベル分だけ低い。だがソーサラーと違って1日に使用できるパワーの数、すなわちppが高いわけではなく、pp自体はサイオンと同じである。
 ただ、ソーサラーと違い、ワイルダーは特殊能力を獲得できる。
 まず、もっとも強力にして特徴的なものが荒れ狂う激情能力だろう。パワーを発揮するとき、彼らはこの能力を用いることで発現者レベルを+1から、最大+6まで、すなわち6発現者レベルまで向上することが可能となるのである。しかもクラスレベルで規定される消費可能なppを超えて使用することが可能な上、この能力で向上された分のppはどっかからわいて出るためppを消費して威力を向上できる攻撃呪文などに非常に有効だ。向上させたレベル毎5%の確率で”精神力消耗”を起こし、次のターンまで幻惑された上クラスレベル分のppを失ったりもするが、そのときにはもうパワーは発揮され終わっているので気にしてはならない。
 そのほか接触かわし(接触攻撃に対するACに【魅力】ボーナスを加算できる)、荒れ狂う歓喜(荒れ狂う激情で向上させたレベルRの間、そのレベルと同じだけの士気ボーナスを攻撃、ダメージ、セーヴに与える)、気まぐれな心(ワイルダーに精神感応分野のパワーを使用するには余計にppを支払わなければならない)などの特殊能力と、HDがd6,レベル毎技能ポイントが4ポイント、単純武器、軽装鎧、盾に習熟しているなどの長所を有している。
 のだが、やはり使えるパワーがサイオンより大幅に少ないのが痛い。
 うーむ。

 とはいえやはり荒れ狂う激情能力が激しく強力(たとえば7レベルワイルダーはいまだ4レベルパワーが使用できないが、かわりに”激情”により10発現者レベルでパワーを使用できる。つまり、たとえばレベル毎1d10ダメージを与えるマインド・スラスト(サイオンならこの時点で最大7d10ダメージ)を、彼らは7ppしか支払わずに10d10で使用できるのだ)なので、あとは”歓喜”をうまく使う方向を見いだせれば結構イケルる。ような気もしないこともない。 たとえば1ラウンド目は最大の”激情”使ってダメージを与えつつ、次ラウンドからさらに”激情”使って強化した遠隔接触系ダメージパワーを使ってみるとか。
 メインの術者/発現者にはなり得なくても、サブ術者ないし術者系ダメージディラー(*7)としては充分活躍できると思われる。パワーの使い方になれてきたらチャレンジしてみよう。


 どうだろう。どれかやってみたいものはあっただろうか。
 とりあえずやってみよう、ということなら、術者系ならサイオン、戦士系ならサイキック・ウォリアーが良いだろう。

 とはいえ、サイオニックでどんなことが出来るのかわからなくちゃあプレイは出来ない。
 クラスを選びようもないだろう。
 では、サイオニック使い達にはどんな技があるのだろうか?

 というわけで次回「サイオニックの妙技を味わうがいい!!」ではサイオニック・ハンドブックで追加になった技能や特技、そしてパワーについて、日本有数のサイオニックに堪能なエロい人たちが寄稿してくださることになっている(*8)。
 おたのしみにー。




三歩目:サイオニックの妙技を味わうがいい!



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*1:擬似サイオニック能力は厳密にはサイオニックとは違うけどな。ドンマイ。
*2:そんな呪文はありません。いやわかってるとは思うけど念のため。
*3:新しく導入されたアクション。通常の行動ってのは自分のターンが来ないとできないんだけど、他人のターンに無理矢理できる。そんなアクション。詳しくはXPHp59参照。
*4:魔法抵抗のパワー版。
*5:むかしむかし、ダークサンに住んでた彼らはそこらをうろうろしては通行人を取って食うというヤマンバライクな種族だったのです。うーんワイルド。
*6:おそらく日本で一人だけの希少種だと思われるが、最近某氏から「実はプレイヤーがダメ種族をプレイするのを見て笑いたいから勧めている」という事実が報告されている。なんてひどい人なんだ。
*7:ほかにも《修得パワー追加》 特技で強力な特定パワーに特化したスペシャリストという道もあるんだが、やっぱり上級者向け。ヤケクソ気味に強いけど。
*8:・・・・とプレッシャーをかけてみた。まあ、信じてるけどね!ちなみに原稿集合率は現在1/3ナリ。