伝説の英雄、そして神々
 070403
すなふきん&いしかわ


 今の3.5eがまだ3eだったころ、D&Dのプレイヤー達の中には、神と戦う者がいた。


 イヤ、ウソやないて。
 

 クトゥルフとかみたいな邪神(*1)だけじゃなく、PHBに掲載されている神様とかそのアスペクトなんかを高レベルキャラで倒すようなセッションが、意外とあちこちでやられてたりしたのである(*2)。
 

「データがあれば、そいつは倒せる」


 それはD&Dにおいて一つの真実であり、なればこそ「20レベルスタート・ルールはD&Dロゴ付いてればなんでもあり」などという狂ったレギュレーションでのプレイは半ばネタとして、そして半ばプレイヤー達の力試しの場として利用されて来たのである。


 そして、この20レベルを超越したものとして設定されているのがいわゆるエピックキャラだ。
 3.5eにおいてもエピックはDMGp202にその姿を認めることができる。3e時代には「エピックハンドブック」までもが出版され、「〈軽業〉 DC150 ウォールオブフォースをすり抜ける」とか「〈平衡感覚〉 DC80 水面を移動する」(*3)などといった正気の沙汰とは思われぬ技能の使い方に「さすがエピック俺たちには考えも付かないことをやってのけるッ!」と胸を躍らせたものだ。
 また、エピックハンドブックを使うまでもなく秒殺される神の身を案じてか、神を強化するルールもまた出版されていた。+5のマジックウェポン以下では一切傷つかなくなったり、1ラウンドに2回、それも呪文抵抗に影響されない呪文を打ったりという、ぼくの考えた超人みたいな能力がソバ屋に出前を頼むような気軽さで追加されたのである。
 しかし、そんな全プレイヤーの1%程度しかいないであろう層に向けたサプリメントが売れようはずもなく、某神格本などは発売2ヶ月ほどでamazonで90%offという聞いたこともないような値段で販売されてたりもした(*4)。

 現状ではこのどちらも出版されてはいないのはまったくもって賢明な判断残念なことであるが、しかし一方で、これらのルールはDMGのみならず、WotCオフィシャルサイトで公表されているSRD(System Reference Document)のなかでひっそり命脈を保っている。

 はっきり言って、DMGに載ってるエピック関連の記事は情けないのを通り越して悲しくなってくる代物だと言わざるをえない。DMGp205ページを開いてみよう。そこにはエピック特技について記載されている。おお、しかし若者よ。ではエピック特技の最初を飾る《圧倒的クリティカル》特技を見るがいい。
《圧倒的クリティカル》
前提条件:【筋力】23,《強打》 、その武器の《クリティカル強化》 、《薙ぎ払い》 、《薙ぎ払い強化》 、その武器の《武器開眼》
利益:選択した武器を使用している際、君はクリティカルヒットによって追加の1d6ダメージを与える。(以下略) 
 1d6ってなんだ1d6って。こんだけの前提条件揃えた上、1特技消費してやることはクリティカルの時+1d6ダメージですか。
 (´・ω・`)なめとんのか佐野。
  【プロレスオタでないとわからない上佐野さんは関係ありません】

しかしこれさえあればもう安心!
すなふきん氏がSRDの「エピック呪文」「エピック特技」部分を訳してくれましたよ!

たとえば《エピック級追加hp》「ヒットポイントを30増やす」と書いてありますよイヤッホウ!


 加えて、君のキャラが神になったとき(あるいは君の卓のPCが神を殺そうとしたとき)、神をヤケクソ気味に強くしちゃうルールの数々であるところの神聖Divine関連ルールも邦訳してくれました。
 こっちは「神の強度のランク」である神聖ランクDivine Rankなどについても書いてあるので、FR関連の古いサプリや昔のシナリオを読むときなんかは君の理解をより深めてくれることだろう。

■エピック特技
■エピック呪文


■神聖ランクとパワー
■神聖能力と特技
■神聖なる僕
■神聖なる領域と呪文


(全てpdfファイル)


 すなふきん氏に感謝の祈りを捧げつつ、まあ読め!





*1:こことかこことか参照。クトゥルフ神話ものばっかやんとかガタガタ言わない。
*2:そしてこっちは20ECLで不死身の超人揃い。ヴェクナ様を秒殺。見ると目が潰れます(笑)。
*3:DCはうろ覚えなので間違ってるかも。エピックハンドブックが見あたらねーんじゃよギャワー!
*4:実話。よっぽど売れなかったんだなぁ・・・。
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