歓楽の追求

6レベル・プレイヤー・キャラクター4人用の短い冒険

準備

始める前に、この冒険を印刷すること。最低1回はこのシナリオを読み、状況、脅威、主要なNPC(特にその動機)に精通すること。「冒険の概要」では出来事の発生する順番を詳述する。

上下に線のある区画の文章はプレイヤー相手の情報であり、適切な時にプレイヤーの為に大声で読んだり言い換えたりして良い。

冒険の背景

ホルトストンの村は嵐、モンスター、山賊、そして他の災厄が何度も全壊させかけているにも拘わらず長年辺境として存在している。その人々は艱難辛苦を乗り越えさせてくれる信仰の力強さに惹かれている。独自の教会はないが、彼らは原野の森を抜けて100マイル先にあるサーレンレイの寺院に寄付を送って指導を受けている。

この変わった伝統は吹雪、干魃、そしてオークの略奪の複合によって町がほぼ全滅した102年前から始まった。ヴァーシヴァイアスという名前の放浪する賢者がホルトストンを訪れ、村の信仰の証としてサーレンレイの寺院に贈答品の積み荷を送るよう指示した。

村人たちは四輪馬車の品々を酷く惜しんだが、同意したという。ヴァーシヴァイアス自身が森を抜けて寺院までその四輪馬車を送った。オークたちが彼を襲撃し彼は重傷を負ったが、彼はなんとか前に献上品を寺院に貢いでから事切れた。その直後からホルトストンには幸運が怒涛のように訪れた。干魃は已み、英雄たちの集団がオークたちを蹴散らし、輪作の収穫は実に良かった。村は救われ、ヴァーシヴァイアスはこの土地の聖人となった。

サーレンレイ寺院への捧げ物は現在例年の伝統となっている。少数ながら司祭やウィザードが寺院へ安全に供物を瞬間移動しようかと持ちかけているが、ホルトストンの伝統は献上品を積んだ四輪馬車に、1世紀前の聖人ヴァーシヴァイアスと同じ道程を要求している。日程はより縛りが緩い――金品は収穫の秋から冬の初雪前の間ならいつ運んでも良い。

最初の献上以来102年間、貢物は1年を除いて毎年送られている。47年前、輸送車は森火事によって失われた。その冬、酷い吹雪によって村は滅びかけ、明くる春の輪作は不作に見舞われた。そうした出来事により、村人たちは繁栄は朝貢という伝統の順守にかかっていると信じている。

今年、最初の貨物は寺院に届かず、護衛は戻って来なかった。第二の四輪馬車が送られたが、同様に森の中で忽然と消えた。今や村は貨物を、そして最高に勇敢な若者たちを2回も失ってしまい、残る村人たちには第三の積み荷をどうにか用意する程度の余裕しかない。寺院は助けを送ると申し出ているが、ホルトストンの人々は寺院からの直接の支援なしに貢物は到着しなければならないと信じている。聖人ヴァーシヴァイアスの伝統の如くに部外者なら助けられるが、寺院からは駄目だ。

村人たちは知らないが、ワームウーデという名前のグリーン・ドラゴンがこれまでの朝貢の失踪2回の元凶だ。彼はここ2年間毎年の送品を観察しており、彼の教育係と動物の相棒を通してこの奇妙な習慣の裏にある歴史をかき集めた。今年、彼は四輪馬車を待ち伏せするという独自の計画を実行に移そうと決めた。

彼は単に宝物だけが欲しいのではない――彼は畏敬と縄張りも望んでいる。彼はホルトストン村に規則正しいみかじめ料を払うよう強いるつもりであり、毎年の奉納を奪ったのはその計画の一環である。ワームウーデは、村人たちは初雪の前に奉納品を通過させようと自暴自棄になり、その為なら何にでも同意するだろうと想定している。以来、彼は寺院に四輪馬車が到達しないようにだけしている。

その仕上げに、ワームウーデはソーンという名前の、共通語が話せて他の同種よりも少し賢いウォーグの群れの長と渡りをつけた。四輪馬車を待ち伏せする見返りとしてワームウーデは森を支配した後の重要な地位を約束している。ソーンは地位の上昇に加えてあの竜は自分の群れを襲撃の報復を求めるレンジャーや村人たちから守ってくれると期待している。ワームウーデはソーンに、強奪に要求される四輪馬車の行程を教え、彼女とその群れにそこを旅するものを破壊するよう告げた。

冒険の概要

歓楽の追求はホルトストンとサーレンレイ寺院の間の街道で起こる一連の遭遇を主としている。冒険者が村に到着した時、人々は森を抜けて貢納品を積んだ四輪馬車と共に100マイルの旅をする若いハンター、エルテン・ハーパーに別れを告げている。PCが助けを申し出ないかぎり、その若者が次の死者になるだろう。

PCが四輪馬車を護衛する場合、彼らは原初の森の通常の無作為の遭遇に直面し、ソーンという女性のウォーグに率いられたウォーグの群れにも攻撃される。ウォーグたちを倒すと、四輪馬車の失踪の首謀者クリーチャーと直面しなければならない――ワームウーデというグリーン・ドラゴン・シャーマンだ。ワームウーデを蹴散らした場合でさえ、英雄たちが彼を狩って住み家にいる彼と対面しないかぎり、彼はこの地域への脅威で在り続けるだろう。

冒険のきっかけ

GMである君の最優先課題は英雄たちをホルトストンの共同体へと導くことだ。望む場合、君は以下のきっかけをキャンペーンやキャラクターにあうよう必要に応じて修正して自身の想像力をかきたてるのに使って良い。

冒険の開始

歓楽の追求は林で殆どのアクションが発生する、遭遇に基づく冒険である。この冒険はキャラクターがホルトストンの町に到着した時に開始する(下記の遭遇A参照)。

ホルトストン

LG小さな町

退廃−2;犯罪−4;経済−4;法治−1;情報+2;社交−3;危険+20%

特性迷信深い、敬虔

欠点襲撃

人口統計

政治体制魔法制

人口922(混在;人間728人、ハーフリング83人、エルフ46人、ドワーフ28人、ノーム18人、ハーフエルフ10人、ハーフオーク9人)

民兵ウォリアー3(2人)、ウォリアー2(2人)、ウォリアー1(8人)

権力者

リディン・ハーパー(LG人間のレンジャー3/エキスパート5)、権力者、町長

イーソン・マアクス(LG人間のサーレンレイのクレリック4)、村の司祭

著名なNPC

ネレス(LG人間のウォリアー2/エキスパート3)、鍛冶師にして町の議会の長

アカー・ガラク(LG人間アデプト2/エキスパート2)、司祭の助手

アメソン・ホウェ(LE人間ウォリアー5)、民兵隊長

市場

基本価格800gp;購入上限3,688gp(枯渇し621gpになっている);呪文4レベル

下級アイテム8(ワンド・オヴ・アンシーン・サーヴァントワンド・オヴ・クラフターズ・フォーチュンホースシューズ・オヴ・スピードワンド・オヴ・メイク・ホウル);中級アイテム3(ポーション・オヴ・ヘイストスクロール・オヴ・ウォール・オヴ・アイス

事件解決後

退廃−2;犯罪−4;経済+0;法治+3;情報+2;社交+1;危険+0%

A.ホルトストン

ホルトストンは文明圏の端にある小さな町だ。キャラクターが到着した時に以下を読むか言い換えること。

目前には辺境の地にありがちな、画趣に富む小さな町がある。大部分が子供と老人の数人の人々が町の広場に集まっている。多くは叫んでいるが、戦闘や口論は見られない。

少年にしか見えない若い男が撥水性の布の被せられた四輪馬車に2頭の馬を繋いでいる。年上の女性が彼の肩を片手で掴みながら悲しみに泣いている。衛兵数人、鍛冶師の服を着た若者、そして司祭が近くに立っている。

村人たちは献上品の3度目の荷を送り出す準備をしている。

エルテン・ハーパー CR1

hp11(パスファインダー協会加盟プレイのアドウィンの性能を使用すること)

クリーチャー:その若者は町長リディン・ハーパーの長男エルテン・ハーパーだ。エルテンの母エリサがその泣いている女性だ。

エルテンに願おうと町全体が彼を向き、彼は一人寺院に貢納しようと旅立とうとするところだ。エルテンは父の横で道を知った唯一の人物であり、村人たちは彼の父は旅には老い過ぎている事に同意する。村人たちは既に2台の積み荷とそれに伴った12人の護衛を失っており、彼に同行させようとすれば村が無防備になってしまう。

村人たちがPCを視認して冒険者だと認識した時、彼らの暗い空気ははっきりと明るくなる。彼らは、エルテンの警護をするか四輪馬車そのものを運んでくれる気があるかを質問する。エルテンの父が、誰かが息子に随行できるかもと認識すると、彼は旅の目的と四輪馬車の道を説明し、これまで2台の四輪馬車が今年既に失踪している事を認める。彼は村が払えるものと同額をPCに申し出る(600gp)。エルテンはPCからの指示を守る事に前向きであり、ただ森を抜ける小道の辿り方(DC15の〈生存〉判定)だけを彼らに告げる。

四輪馬車には60食分にするのに十分な食料と、麦芽酒の樽2本、シミター1ダース、高品質シミター1本、そして215gpがある。

2.群れの攻撃(EL7)

四輪馬車が何時間か町から移動した時に以下を読むか言い換えること。

下生えは重度であり、頭上の梢も茂っている。葉擦れの音が聞こえ、草葉では虫が鳴いている。突然、黒い狼の群れが下生えから飛び出し、悪意に満ちた光を帯びる剥き出しの牙と赤い目をこちらに向ける。

クリーチャー:ソーンとその群れは四輪馬車を待ち伏せている。ソーンは狡猾な統率者であり、戦闘では細心の注意を払って群れを率いる。

ウォーグ(6) CR2

hp26(Bestiary参照)

ソーン以外は共通語を話せない

戦術:ソーンは四輪馬車の防衛者を不意討ちしようと待ち伏せている。彼女は癒し手と、遠隔攻撃の手段を明確に持つ敵にまずウォーグを差し向ける。ウォーグたちは指定された敵に到達する為に機会攻撃の危険を冒すような真似をしない程度には賢く、敵集団を回りこむように動く。ソーンは邪魔する目標を足払いし、機動力の優位を頼りに挟撃するよう吠えて命じる(ゴブリン語)。3体以上のウォーグが倒れた場合、ソーンは撤退を命じワームウーデとの交流を断念する。ソーンが死んだ場合、残るウォーグは最寄りの敵を攻撃し、死ぬまで戦う。

宝物:ソーンは左の前足にリング・オヴ・フェロウシャス・アクションを嵌めている。

3.ワームウーデ(EL8)

ウォーグの遂行者が失敗した場合、ワームウーデ自らがお出迎えする。彼はそうした対決用に拓けた場所を領有している――直径120フィートの広場だ。南から入り、北が出口だ。

ワームウーデはPCが既に遭遇をこなした日には現れない。単に遂行者を送ったその日に移動したくないだけだ。PCたちに向かおうと決めた時、範囲内の他のクリーチャーは全て逃げるため、あらゆる無作為の遭遇の可能性を無効化すること。明確に強すぎる者以外は自分と戦うのでなく自分の欲しい事をしてくれるだろうと想定しているため、ワームウーデは待ち伏せすることなく公然とPCに近付く。

目前には短い草と野花に覆われた大きな野原が広がっている。森には静寂が訪れている――鳥は囀りをやめ、動物たちの擦過音もしない。

数瞬後、有翼の竜の姿が空から降下し、広場の反対側に着地した。そのクリーチャーの身長は人間以上に高いが、体は緑の鱗に覆われている。一瞥するに彼の肌はゴツゴツし、まだらで、翼はギザギザで頭部は僅かに不均一だ。その竜の伸びは猫のようだ。翼をゆっくりとはためかせると強烈な刺激臭が広場じゅうに漂ってくる。そのサイズにも拘わらず、この獣は足元の草花に痕跡を残さない

小さな木々と軽度の下生えの幅30フィートほどの円形がこの野原を囲っている――道の出入り口以外は。出入り口の道それぞれは幅約20フィートだ。下生えの移動のコストは倍になり、〈軽業〉と〈隠密〉判定のDCは+2上昇する。森渡りクラス特徴を持つキャラクター(ワームウーデも含む)は通常の移動速度で下生えを移動できる。下生えは視認困難も提供する(詳細はCore Rulebook参照)。

クリーチャー:ワームウーデはたった24歳のヤング・グリーン・ドラゴンだ。彼は体重2,400ポンドであり、爪先から鶏冠まで12フィートある。

ワームウーデは多くの点で同種とは異なっている。彼は強く、頑丈で、狡猾だが、艶のある見目と竜を印象づける生来の人格の力を欠いている。彼の同胞の雛たちは、生き残る為に結束していた年月の間に彼のゴツゴツした身体的特徴を長年容赦なくからかい、この経験によって彼は己の欠点を克服し大成しようという強い意志を抱くに至った。ワームウーデは巣の中で最初に巣立ちした者であり、彼は即座に同類が持っていない魔法を教えてくれる指導者を求め始めた。彼は教示者となってくれるノール・ドルイドを探し当て、彼のもとで数年間学習を続けた。ワームウーデのドルイド学研究は彼の秩序への天然の熱意を冷ましたが、彼はまだどこか誇大妄想狂だ。

あと1年ちょっとでワームウーデはジュヴナイルになり、生来の呪文発動能力と畏怖すべき存在を得る。目まぐるしい成長によって彼は宝物と縄張り両方に対し貪欲になっている。まだ単純に考えがちで失敗した時に癇癪を起こすが、彼は最早子供ではない。その若さにも拘わらず、彼は既に入念な計画を立てる、経験豊富で卓越した残忍極まる策士である。

ワームウーデ CR9

男性のヤング・グリーン・ドラゴン・シャーマン3

NE大型の竜(風)

イニシアチブ+2;感覚暗視120ft.、非視覚的感知60ft.、4倍夜目、2倍視界;〈知覚〉+19

防御

AC25、接触11、立ちすくみ23(+4鎧、+2【敏】、+10外皮、−1サイズ)

hp135(9d12+3d8+3+60)

頑健+12、反応+9、意志+13

防御的能力水中呼吸、空気の防壁;完全耐性[強酸]、麻痺、魔法的睡眠

攻撃

移動速度40フィート、飛行200フィート(貧弱)、水泳40フィート;森渡り

近接噛みつき+14(2d6+6)、2爪+14(1d8+4)、2翼+12(1d6+2)、尾の打撃+12(1d8+6)

接敵面10ft.;間合い5ft.(噛みつき10ft.)

特殊攻撃電気の接触、ブレス攻撃(80ft.の直線、DC18、6d6[強酸])

竜擬似呪文能力(CL9;精神集中+11)

3/日―エンタングル(DC13)

シャーマン準備呪文(CL3;精神集中+7)

2レベル―スピリチュアル・ウェポンバークスキン

1レベル―オブスキュアリング・ミストプロデュース・フレイムパス・ウィズアウト・トレイス

0レベル(回数無制限)―ディテクト・マジックディテクト・ポイズンノウ・ディレクションリード・マジック

シャーマン修得呪文(CL3;精神集中+7)

2レベル(1/日)―ガスト・オヴ・ウィンド

1レベル(1/日)―オルター・ウィンズ

一般データ

【筋】19、【敏】14、【耐】21、【知】12、【判】18、【魅】14

基本攻撃+11;CMB+16;CMD28(32対足払い)

特技《ホバリング》、《複数回攻撃》、《無視界戦闘》、《強打》、《踏み込み》、《迎え討ち》

技能〈はったり〉+10、〈交渉〉+10、〈威圧〉+11、〈軽業〉+8、〈知識:神秘学〉+9、〈知識:自然〉+9、〈真意看破〉+12、〈呪文学〉+9、〈知覚〉+19、〈生存〉+12、〈水泳〉+20、〈隠密〉+11、〈飛行〉+15;アイテム修正〈知覚〉+5

言語共通語、竜語

SQ霊(疾風)

装着品アイズ・オヴ・ジ・イーグルパール・オヴ・パワー(1レベル)、シルヴァーシーンブローチ・オヴ・シールディング(残り101ポイント)、グラヴズ・オヴ・アロー・スネアリング

特殊能力

電気の接触(超常)標準アクションにより、シャーマンは近接接触攻撃を行い、1d6ポイント+1ポイントの[雷撃]ダメージを与えることができる。シャーマンはこの能力を1日に5回だけ使用することができる。

空気の防壁(超常)シャーマンは自身に+4の鎧ボーナスを与える、目に見えない空気の殻を作り出す。君はこの防壁を1日に3時間使用することができる。この持続時間は連続している必要はないが、1時間単位で消費しなければならない。


戦術:ワームウーデは6レベル・キャラクターたちには極めて危険な相手であり、極限の遭遇の要件を満たす。

ワームウーデはPCに四輪馬車を置いてホルトストンに舞い戻るよう要求するところから始める。彼は呪文を準備する間にこの要求をする(下記の戦術参照)。彼は交渉するつもりだが、究極の目的は未来の積み荷も自分に貢がせさせるほどホルトストンを自棄にさせる事であるため、少なくとも一部の積み荷は残すよう主張する。

ワームウーデはPCが彼を何らかの手段で攻撃しないのであれば1分ほど交渉する。キャラクターが彼に宝物の一部を渡して離脱することさえ完全に拒否した場合、彼は攻撃する。

ワームウーデは論理的に戦う。可能な場合、彼は戦闘前にバークスキンを発動する。必要な場合、彼は束の間羽ばたいて発動の時間を稼ぐ。それからエンタングルで戦端を開き、続いてオブスキュアリング・ミストを発動する(これは彼の非視覚的感知を妨げない)。ブレス攻撃を複数の目標に当てられる時、彼はそれを用いる。彼は呪文発動やブレス攻撃を使う時には《ホバリング》特技を使って白兵距離から離れる。

彼は接近戦をする時、最も危険そうな遠隔手段を持つ武芸者を狙い、そのキャラクターが倒れるまで攻撃を続ける。(一時的にでも動けないのであればこの時点では生死を気にしない。)PCが善戦する場合、ワームウーデは広場周辺の下生えへと逃げて視認困難を得てPCの移動が妨害されるようにする。

ワームウーデは選択肢がある限り死ぬまで戦うことはない。彼は知的な竜であり、生きる意志がある。50ヒット・ポイントまで下がったなら、彼は逃げる。

進展:撤退を余儀なくされた場合、ワームウーデは離れる前に四輪馬車を叩き壊そうとするが、機会攻撃を受けてまでそうしようとはしない。それから彼は愚かしい間違いを犯す――まっすぐ住み家まで逃げる。ワームウーデはシャーマンの力を得て以来負け知らずであり、PCたちが自分を上回る力を持つと示した場合慌てふためく。

ワームウーデが既に積み荷の一部を盗むか壊していた場合、彼は満足して新たな積み荷が通過するまで危険を冒さない。貢物の損壊に失敗した場合、彼は今年は諦め来年の、もっと自分が強くなっている時期の挑戦の計画を練る。

PCが四輪馬車の宅配の前か後に竜を狩ろうと決めた場合、彼らは危険な任務に向かうことになる。森渡り能力によって、ワームウーデは痕跡を残さず、そして泳げも飛べもする。しかし彼には食事の必要がある。キャラクターはDC23の〈生存〉判定に成功することでかの竜の狩りの痕跡を十分に見つけられ、彼の住処まで辿れる。追跡する唯一のキャラクターが既にワームウーデの住処の場所を知っている場合、DCはたった18になる。

宝物:住処の外でワームウーデに遭遇した場合、PCたちが見つける唯一の宝物は彼が持ち運んでいたものだけだ。

4.ワームウーデの住処

wyrmwoode

ワームウーデの住居は数十年前に引退したハーフエルフ・レンジャーが建てた巨大な木の家だ。ワームウーデが見つけた時にはその場所は破棄されており、その時は彼に合っていた。(成長してきて、余り合わなくなっている。)その家は地表から30フィート離れており、よく迷彩されている(DC15の〈知覚〉判定で気付ける)。この竜の霊獣(イーグル)は夜間住居の見張りをしていて、侵入者の警告を彼にする。このイーグルはワームウーデがいない時も住居で目を光らせている。木の家の登攀にはDC10の〈登攀〉判定が要る。

ワームウーデの(動物の毛皮と折れた枝葉でできた)巣とエリア2の宝物を除いて、内側の部屋部屋には面白いものがない。木の家の残りには壊れた家具の欠片と小動物の遺体以外にはなにもない。

クリーチャー:ワームウーデがいない場合、霊獣のブラックウィングが木の家の監視をしている。そうでない場合、竜とイーグルの両方がここにいる。

ブラックウィング CR―

男性のイーグルの霊獣(ホークのデータを使用している)

N超小型の来訪者(原住)

イニシアチブ+3;感覚夜目、暗視60ft.;〈知覚〉+25

防御

AC17、接触15、立ちすくみ14(+3【敏】、+2サイズ、+2外皮)

hp67(12HD)

頑健+7、反応+10、意志+11

防御的能力身かわし強化;抵抗[雷撃]10

攻撃

移動速度10フィート、飛行60フィート(標準)

近接2鉤爪+14(1d4−2)

接敵面2・1/2ft.;間合い0ft.

一般データ

【筋】6、【敏】17、【耐】11、【知】7、【判】14、【魅】7

基本攻撃+10;CMB+11;CMD19

特技《武器の妙技》

技能〈はったり〉+3、〈交渉〉+3、〈威圧〉+4、〈軽業〉+9、〈知識:神秘学〉+3、〈知識:自然〉+3、〈真意看破〉+7、〈呪文学〉+7、〈知覚〉+25、〈生存〉+7、〈水泳〉+6、〈隠密〉+19、〈飛行〉+22;種族修正+8〈知覚〉

言語共感的リンク

SQ鋭敏感覚、呪文共有

特殊能力

接触呪文伝達(超常)霊獣はシャーマンが使用する接触呪文や接触して使用する呪術を伝達できる。シャーマンと霊獣が接触している時にシャーマンが接触呪文を使用する際、シャーマンは霊獣を“接触者”に指定することができる。霊獣はあたかもシャーマンが接触したかのように接触呪文を伝達できる。接触呪文が伝達される前にシャーマンが別の呪文を発動すると、接触呪文は失われる。シャーマンが呪術を起動する際、霊獣を接触を行うために使用することができる。シャーマンは呪術でこの能力を使用する際、霊獣と触れている必要はない。

共感的リンク(超常)霊獣の主人と霊獣は1マイルまでの共感的なリンクを持っている。霊獣の主人は霊獣の眼を通して見ることはできないが、共感によって意思疎通をすることができる。このリンクの限定的な特性のため、伝えることのできるのは大まかな感情のみである。霊獣の主人は霊獣と同じアイテムや場所に対する繋がりを持つことができる。

鋭敏感覚(変則)霊獣が手の届くところにいる間、霊獣の主人は《鋭敏感覚》の特技を得る。


戦術:ワームウーデがいる場合、霊獣が住処の近くでPCを視認した時、この竜は距離がある時に飛び立ち即座に攻撃する。彼は自分を狩ろうとするキャラクターに次の機会を与えない。彼は50ヒット・ポイントになるまで戦い(上の遭遇Cの戦術参照)、それから住処に舞い戻って宝物をかき集めてから逃げようとする。コンポジット・ボウとグレートソード以外の彼の略奪品全て(下記の宝物参照)は宝箱に収められている。時間が押している場合、ワームウーデはその箱だけを掴んで離別する。15ヒット・ポイント以下に減少したなら、ワームウーデは宝物を破棄して飛び去る。

ワームウーデがまだ住処の中にいる間にPCたちが攻撃できた場合、不意討ちできることだろう。彼は力の限りを尽くして戦うが、逃げなければならない限りPCを住処から出そうとしない。翼を羽ばたかせられるほどにはこの住処は大きくないため住居にいる限りワームウーデは飛行できないが、ブレスで複数のPCを同時に攻撃できるようになるため狭い部屋はPCにも鬱陶しく感じるだろう。

ワームウーデ CR9

hp135(9d12+3d8+3+60)

性能は遭遇C参照。

宝物:銀の象嵌された美麗な漆塗りの箱(55gp)、ダイアモンドの粉末(500gp)、絹(100gp)、金糸の衣服(300gp)、高品質ダークウッド製コンポジット・ロングボウ(+4【筋】ボーナス)(830gp)、高品質冷たい鉄製グレートソード(400gp)、545gp、1,000sp。

冒険の結末

PCがソーンの群れとワームウーデに対処した後、彼らはまだ森の道半ばにも至っていないサーレンレイ寺院への旅を続けられる。典型的な無作為の遭遇を除いて他の遭遇は発生しない。キャラクターがワームウーデによる貢物の損壊を防げた場合、彼らは任務を終える為にまた彼とまみえる必要はなくなる――単に四輪馬車を寺院に誘導するだけで良い。しかしそれを選ぶと翌年に野放しのワームウーデがまた問題を起こし、PCたちから彼の宝物を取り去る。しかし四輪馬車を無傷で運搬できたのなら彼を打倒したものとしての完全な経験を受け取る。

師父ウステンという名前の高齢の司祭(Game Mastery Guideの人間クレリック7のキラを使用すること)が門前で彼らを出迎える。(まだ竜殺しをしていないとして)寺院はPCがワームウーデを狩る助けとなる資源を欠いているが、司祭たちは今と、以後の更なるかの竜との戦いでの英雄たちの治癒には最善を尽くす。

更なる冒険

ワームウーデがまだ生きている場合、彼は1年以内のより大きく頑丈になった時点で再度別の計画を遂行する。ホルトストンの人々は伝統を強く信じているため、彼らはそれが起きた時に英雄たちに使いを出すに違いない。

著者について

Owen Kirker Clifford Stephensは1970年にオクラホマ州のノーマンで生まれた。彼は1997年にWizards of the Coast Game Centerが運営するTSR Writer's Workshopに従事し、Wizards of the Coast株式会社のゲーム・デザイナーとしての職を受け入れた後2000年にシアトルへと移住した。14ヶ月後、彼はオクラホマ州に妻と3匹の猫と共に戻り、自由契約の物書き/開発者としての経歴を選んだ。彼はStar WarsEverQuest計画、そしてまたGreen Ronin社のBastards and Bloodlinesに著者あるいは共著者として名を記している。彼は様々なIDA製品でも生産者として名を残しており、それにはStand-Ins印刷可能フィギュアも含まれる。


歓楽の追求

6レベル・キャラクター4人に適している

Owen K. C. Stephens著

毎年、ホルトストン村はサーレンレイ寺院に贈答品の積み荷を信仰の証として送る。しかし今年、村人たちは捧げ物の輸送を二度試み、どちらの荷も失踪している。どのような不運が町と寺院の間にある暗い森を通る四輪馬車の御者を襲ったのか? 今三台目が準備されているが、一体誰が寺院まで安全だと思えるのか?

Owen K. C. StephensによるパスファインダーRPG用の最新の小さな冒険を君のキャンペーン世界の森に面する村のある好きな場所へと落とそう。6レベル・キャラクター4人に適している。


冒険の下見

(冒険の背景の第一段落と同じ)

(冒険の背景の第二段落と同じ)

(冒険の背景の第三段落と同じ)

(冒険の背景の第四段落と同じ)

(冒険の背景の第五段落と同じ)

(冒険の背景の第六段落と同じ)


著者について

(本文と同じ)


訳注

報酬
経験点(ストーリー経験点含む) 約14,400XP
4人が次のレベルになるのに必要なXP 48,000XP
実際の宝物 約8,940gp
脅威度から求められる宝物 約10,200gp
ジャングル(暑熱の森林)、レベル帯5
d% 遭遇 AEL
1〜4 バット・スウォーム1 2
5〜8 イエロー・マスク・クリーパー1 2
9〜14 コンストリクター・スネーク1 2
15〜18 ジャイアント・センチピード1d6 2
19〜26 レパード1 2
27〜30 ジャイアント・スパイダー1d4 3
31〜34 ヴェノマス・スネーク1d6 4
35〜40 ボア1d4 4
41〜44 ダイア・ボア1 4
45〜50 タイガー1 4
51〜54 ジャイアント・フリルド・リザード1 5
55〜60 モニター・リザード1d6 5
61〜62 アーミィ・アント・スウォーム1 5
63〜64 アンキロサウルス1 6
65〜70 ダイア・エイプ1d6 6
71〜78 ゴリラ2d4 6
79〜82 ディノニクス2d4 7
83〜84 ニンフ1 7
85〜86 ギラロン1d4 8
87〜90 ダイア・タイガー1 8
91〜94 シャンブリング・マウンド1d4 8
95〜96 トリエント1 8
97〜98 ティラノサウルス1 9
99〜100 ブラキオサウルス1 10
街道のあるまばらな森の例










































































































































































PC PC













































































PC PC







地形効果
細分 記号 効果
軽度の軽度 軽度の下生えで覆われたマスに入る場合、1マス移動するのに2マス分の移動がかかる。また、軽度の下生えは視認困難を提供する。軽度の下生えは〈軽業〉と〈隠密〉をDC+2する(木の葉や枝が邪魔になるので)。(機会攻撃は受けない)
小さい木 小さい木と同じマスにいるクリーチャーは、部分遮蔽を得、ACに+2のボーナスと反応セーヴに+1のボーナスを与えられる。木はそれ以外の影響を与えない。クリーチャーは木を利用できる時は利用するものとして扱う。普通の木の幹はAC4、硬度5、150hpを有する。木に登るにはDC15〈登攀〉判定に成功しなければならない。(部分遮蔽は機会攻撃を抑止する)
森林、丘陵、湿地、山岳、平原、暑熱な気候帯の水界を含む温暖な気候の天候の冬以外
風力 風速
(マイル
/時)
遠隔
通常
兵器
遠隔
攻城
兵器
釘付け 吹き飛
ばされる
〈飛行〉 〈知覚〉 消す火(50%) 消す火(100%) 名称 d% 持続時間 備考
微風 0〜10 通常 01〜70 春、秋:華氏40〜60度(4.4℃〜15.6℃)
71〜75 気温が華氏10度上がる
76〜80 気温が華氏10度下がる
81〜83 2d4時間 霧は5フィートを超える全ての視界(暗視を含む)を妨げる。5フィート先のクリーチャーには視界困難を得る。
−4聴覚のみ ひょう 90 1d20分しか持続しないが、1d4時間の雨を伴う 時として(5%の確率で)、屋外にいる者全員に(1回の嵐につき)1ポイントのダメージを与えるほどの大粒のひょうが降ってくることもある。ひょうに覆われたマス目に入る場合、1マスあたり2マス分の移動がかかる。
−4 −4、視認距離×1/2 覆われた 覆われていない火 84〜89 2d4時間 精神集中DC5+呪文レベル
強風 31〜50 小型 超小型 −4 −4、視認距離×1/4 雷雨 91〜99 2d4−1時間 降雨かひょう。稲妻も伴っており、これはしかるべき隠れ場にいない者(なかんずく、金属製の鎧を着用している者)には危険となる可能性がある。大まかなルールとして、嵐の中心付近にいる1時間の間、1分間に1回の落雷があるとみなすこと。1回の落雷は4d8〜10d8ポイントの[雷撃]ダメージを与える。10の雷雨のうち1つは竜巻を伴う。
台風 75〜174 不可 −8 大型 中型 −12 盲目、聴覚喪失 全て、木 通常 100 1週間まで持続することがあるが、嵐の中心部が直撃する際の24〜48時間の時間帯が、キャラクターたちにもっとも大きな影響がある 霧。氾濫の際には、川はより広く、深く、流れが速くなる。川の水面は1d10+10フィート高くなり、幅も1d4×50%増しになる。浅瀬は数日にわたって消滅する。橋が流されることもありうる。そして渡し舟も氾濫する川を渡ることはできない場合がある。氾濫中の川では〈水泳〉判定が1段階難しくなる(“穏やかな水面”は“荒れた水面”に、“荒れた水面”は“大荒れの水面”になる)。また、川の流れも50%分速くなる。
表:搭乗物の基本
能力
AC 9+操縦技能修正値
CMB 1+操縦技能修正値
CMD 11+操縦技能修正値
ST 1+操縦技能修正値/2
サイズ分類 大型
材質 木製
hp 60
硬度 5
能力値 なし
推進装置 動物クリーチャー
衝突ダメージ 1d8
操縦装置 手綱(AC14、10hp、硬度0)
操縦判定 〈動物使い〉か〈職能:御者〉
最大速度 100ft.
加速度 25ft.
搭乗物を伏せ状態から起こす 5全ラウンドと【筋】DC25
搭乗者の内訳
操縦者 自由(但し操縦しないとまずい)、機会攻撃可能
牽引クリーチャー アクション不可、接敵面なし

搭乗物の操縦

操縦アクション:搭乗物が操縦者を有する場合、操縦者は自身のターンの開始時に、他のいずれかのアクションを行う前に、搭乗物を制御する為に以下のいずれかのアクション(“無制御”アクションを除く)を行える。アクションを行わないか、他のアクションあるいは待機または行動遅延アクションを行う場合、あるいは操縦者が存在しない場合、操縦者は搭乗物の制御を失い、搭乗物は“無制御”アクションを行う。操縦者は搭乗物を制御する為に各ターンに1回だけアクションを行える。操縦者が一度アクションを選択するか、または搭乗物を強制的に無制御にする為にその他のいくつかのアクションを行うと、搭乗物は移動する。

操縦判定:全ての操縦判定の基本DCはDC5とDC20である。操縦者が戦闘中でない時は低いDCを、操縦者が戦闘中である時は高いDCを使用すること。

他者からの援護:1人のキャラクターのみが操縦者の1回の操縦判定を助ける為に援護アクションを行える(S&Sより)。

戦闘外での搭乗物の操縦:戦闘外での搭乗物を操縦は、出目10を行うことで技能判定を容易に達成できるので、通常は操縦判定を必要としない。

適切な技能なしの搭乗物の操縦:搭乗物を操縦する為の適切な技能を欠いている場合、操縦者はいつでも適切な技能判定の代わりに【判断力】の能力判定を行える。

表:操縦アクション
名称 成功 失敗 備考
加速 現在速度は最大でその加速度(5ft.単位;最小5ft.)の分まで増加する。搭乗物は前方または前方に斜めに移動できる。言い換えれば、新しい5ft.のマスに進入するたびに、搭乗物はその前方に直面したマス──直接前方のマスか、斜め前方のマスのどちらかの、いずれかを選択できる。 前方の直接的正面のマスにのみ移動できる。 標準アクション。
減速 現在速度は最大でその加速度(5ft.単位;最小5ft.)の分まで減少する。減速により搭乗物の移動速度が0に減少した場合、一定量の慣性が搭乗物を前方に移動させ続ける。搭乗物は完全に停止する前に前方(直接の前方または斜め前方のいずれか)に1d4×5ft.移動する。 減速しない。 標準アクション。いずれにせよ、搭乗物は斜め前方に移動できる。
現状維持 操縦者は搭乗物を現在の向きの前方に現在の移動速度で移動させることができ、また斜め前方に移動させることもできる。 斜め前方に移動させることはできない。 移動アクション。
逆進 半分の加速度で後方に移動し、直接後方(前方の向きの逆)または斜め後方のいずれかに移動できる。 搭乗物は後方に移動しない。 標準アクション。完全に停止している場合のみ。
方向転換 搭乗物は現在速度で移動する。移動中の任意の地点でその向きを右か左に90度変更する。これは搭乗物の左後方か右後方の側面が、搭乗物の前方を向くように、搭乗物を旋回させることによって行われる。 方向転換しないが、その移動中に斜め前方に移動できる。 標準アクション。現在速度が加速度の2倍である場合、操縦判定のDCは5増加する。加速度の3倍である場合、操縦判定のDCは10増加する。加速度の4倍以上である場合にはDCは20増加する。
無制御 無制御の搭乗物は前方のみに移動する(斜め前方には移動できない)。この状態では搭乗突き飛ばしを実行することはできないが、依然として搭乗蹴散らしと衝突の戦技を実行できる。 アクションなし。操縦者が何もしないか、操縦者が存在しない場合、搭乗物は無制御状態になる。

戦闘中の搭乗物

イニシアチブ:搭乗物は操縦者のイニシアチブで移動する。操縦者が行動遅延か待機アクションを行った場合、搭乗物は制御を外れ、誰かが新しい操縦者になるまで無制御アクションを取ることを除いて何も行わない。搭乗物に操縦者がいない場合、最後にその操縦者であったクリーチャーのターンか、あるいはGMの決定したターンに移動する。

移動:搭乗物は通常は瓦礫および落ち葉による移動困難な地形を無視するが、急な傾斜は移動困難な地形として扱い、搭乗物の種類とGMの判断に応じて、同様に他の種類の移動困難な地形の影響を受ける場合がある。

機会攻撃範囲:操縦者は搭乗物を操縦する為に使用される装置の必要条件に応じて、攻撃については限られた選択肢しか持たないかもしれない。推進力として使役しているクリーチャーは搭乗戦技の目的において搭乗物の一部として扱われる。

搭乗物からの飛び降り:搭乗物から地面に飛び降りるのは落下と見なされ、ダメージを決定する目的において搭乗物の移動30ft.毎に追加で10ft.の距離を落下するかのように扱われる。〈軽業〉はこの落下を和らげる為に使用でき、フェザー・フォールのような魔法の能力は搭乗物からの飛び降りの効果を無効化する為に使用できる。

搭乗物の制御の取得:搭乗物に操縦者が居ない場合、いずれかのクリーチャーはその搭乗物の操縦空間内にいてフリー・アクションとして操縦判定を行う限り、その搭乗物の制御を取得できる。搭乗物の操縦者はいつでもフリー・アクションとして、その搭乗物の操縦空間内におり隣接している他のクリーチャーに制御を渡すことができる。新しいクリーチャーが操縦者になる場合、搭乗物は新しい操縦者のターンに移動するが、新しい操縦者の搭乗物の制御取得後の最初のターンには移動しない。

新しいクリーチャーが操縦者になった時、搭乗物は新しい操縦者の最初のターンに動くが、新しい操縦者が搭乗物の支配を奪った最初のターンには動かない(S&Sより)。

搭乗物に対する攻撃:搭乗物に対する接触攻撃は操縦者の操縦技能または能力値の修正値を無視する;従って、搭乗物の基本ACとはその接触ACである。搭乗物が立ちすくみ状態と見なされることはない。搭乗物が動いていない場合、その有効【敏捷力】は0(ACへの−5ペナルティ)であり、そのACに追加の−2ペナルティを負う。

搭乗物は意志STを要求する効果に対する完全耐性を持つ。

他の物体と異なり、搭乗物はエネルギー攻撃によるダメージを半減しないが、攻城武器を除く全ての遠隔武器からのダメージを半減する。

搭乗物の修復:搭乗物を修復する最も迅速かつ簡単な方法はメンディングおよびメイク・ホウル呪文だが、より現実よりの方法もまた使用できる。〈製作:大工〉はほとんどの木製の搭乗物の修復に使用できる。GMが承認した場合、ダメージの性質に応じて〈製作:織物〉、〈製作:錬金術〉、〈知識:工学〉、および様々な〈職能〉さえ搭乗物の修復に使用できる。一般的に、搭乗物の修復の為に適切な技能を使用する1人による1日の仕事には、10gpの原材料とDC10の技能判定を必要とし、成功時に10ポイントのダメージ、または失敗時に5hpを修復する。

メンディングは搭乗物のような大きい物体に重要な影響を与えるのに十分な力はないが、メイク・ホウルはそれが人造であるかのように1レベルにつき1d6ポイントのダメージを修繕し、搭乗物に影響を与える(S&Sより)。

ファブリケイトは修理に必要な未加工の材料を作り出すために使える(S&Sより)。

表:状態異常
状態 定義 搭乗物 操縦装置
破損状態 hpの半数を超えるダメージを受ける
  1. AC、ST、および戦技判定への−2ペナルティを受け、また搭乗物を操縦する為のDCは2増加する。
  2. 最大速度と加速度はともに修復するまで半減される。搭乗物が動いており、新しい最大速度よりも速く移動している場合、その搭乗物は自動的に新しい最大速度まで減速する。
操縦判定は10増加する。
損壊状態 そのhpが0以下に減少した場合 操縦できない。 操縦不能になる。
破壊 そのマスの数に等しい負数のhpに減少した場合 破壊された搭乗物は修復できず、がらくた以上の何者でもなくなる。急停止する。 操縦不能になる。

搭乗物を攻撃する際、搭乗物の構造物、搭乗者、推進力、操縦装置を攻撃できる。

搭乗者への攻撃:攻撃が搭乗物の外側から行われている場合、搭乗者は部分遮蔽(ACへの+2および反応STへの+1)かそれ以上を得る。

推進力への攻撃:動物のデータを使用する。牽引クリーチャーが殺された場合操縦不能になる。

操縦装置への攻撃

表:搭乗戦技
事態 名前 状況詳細 成功 5位上成功 10位上成功 備考
牽引クリーチャーを含む搭乗物の任意の部分が自身よりも小さなクリーチャーか搭乗物のマスに入った時 搭乗蹴散らし 基本 衝突ダメージを与える。搭乗物の新しい部分が敵のマスに入るたびに何度も同じ敵に対して搭乗蹴散らし判定を行うことが必要な場合がある。 目標は搭乗物の衝突の2倍のダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、目標は打ちのめされて伏せ状態になる。 搭乗物も伏せ状態になる。伏せ状態に打ちのめされた搭乗物は急停止する。 蹴散らしとして扱い、機会攻撃や迂回の禁止、ボーナスなど操縦者のそれを修正する特技で修正できる。搭乗物が目標より2段階以上大きなサイズであると迂回できない。
搭乗突き飛ばし 操縦者が即行アクションで選択 目標は搭乗物から遠ざかるように5ft.押し出される。 追加でそのクリーチャーに搭乗物の衝突ダメージを与える。 攻撃が相手のCMDを5超える毎に、目標を追加で5ft.押し離せる。 突き飛ばしとして扱い、機会攻撃の禁止、ボーナスなど操縦者のそれを修正する特技で修正できる。
自身のサイズ以上の大きさのクリーチャーか搭乗物への衝突 “衝突” 戦技判定を行う。 衝突のダメージを与える。衝突した側の搭乗物はそのダメージの半分を受ける。 目標は搭乗物の衝突の2倍のダメージを受ける。 目標は搭乗物の2倍の衝突ダメージを受け、その速度は即座に0に下がる。 衝突を行っている搭乗物の速度は0に下がる(S&Sより)
CMDのないような硬い物体への衝突 “衝突” 双方に衝突ダメージを与える。 目標が壊れた場合そのマスに移動する。

搭乗戦技:搭乗物は一般に攻撃手段を持たない。搭乗物はその移動の一部として搭乗突き飛ばし、搭乗蹴散らし、または衝突の戦技を行え、またしばしば行うことを必要とされる。クリーチャーと異なり、搭乗物は自身よりも小さなクリーチャーまたは物体のマスに入ることができ、そのようにした時、搭乗突き飛ばしか搭乗蹴散らしのいずれかを行う。搭乗物が自身のサイズ以上のクリーチャーか搭乗物に命中するか、または固体の物体(動かない硬度5以上を持つ壁か構造物)に命中した場合、衝突の戦技を行う。

戦技判定に失敗すると急停止する。硬い物体に衝突してダメージで壊せない時も急停止する。

衝突:衝突の戦技を行う場合、牽引クリーチャーは割り込みアクションで自らの加速度の2倍で減速するか、それることを試み、可能なら衝突を回避する。操縦者はどちらかを選択する。操縦者は衝突の戦技を続けるよう強制することを試みれるが、割り込みアクションとしてDC30の操縦判定を必要とする。

搭乗物への衝突:通常の衝突と同様だが、戦技判定を行う。戦技判定の結果に拘わらず、衝突を行っている搭乗物の速度は0に下がる(S&Sより)。

急停止:搭乗物が急停止する時、搭乗物上のクリーチャーおよびアイテムの双方は、搭乗物が急停止する前の現在速度の1/2に等しい数のマスだけ搭乗物の前方に激しく突き押される。この移動は機会攻撃を誘発しない。この移動の終了時に、クリーチャー及び物体は1d6ポイントのダメージを受け、クリーチャーはDC20の反応STに成功しなければ打ちのめされて伏せ状態になる。この移動がクリーチャーまたは物体を硬い物体に向けて突き押した場合、そのクリーチャーまたは物体は硬い物体によって減少された突き押しの5ft.のマス毎に追加の1d6ポイントのダメージを受ける。

搭乗物が衝突の戦技によってダメージを受けた場合、牽引クリーチャーは同様にダメージを受け、伏せ状態になる。反応ST(DC10+命中した時の移動速度10ft.毎に1)に成功すると、ダメージは半減され、伏せ状態にならない。

例えば、60ft.の移動をしている搭乗物がレンガの壁に当たったため急停止した場合、その操縦者はレンガの壁に向けて30ft.投げ出される。衝突の時点でレンガの壁が操縦者と5ft.しか離れていなかった場合、操縦者は前方に5ft.移動し、壁に激突して、5d6ポイントのダメージを受ける。操縦者はそれから本来の1d6ポイントのダメージを受け、その後で急停止によって転倒して伏せ状態になったかを確認する為の反応STを行う。