4レベル・プレイヤー・キャラクター4人用の短い冒険
Design: | Owen K. C. Stephens |
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Editing: | Penny Williams |
Typesetting: | Nancy Walker |
Cartography: | Rob Lazzaretti and Dennis Kauth |
Web Production | Julia Martin |
Web Development: | Mark A. Jindra |
Graphic Design: | Sean Glenn, Cynthia Fliege |
Based on the original DUNGEONS & DRAGONS® game by E. Gary Gygax and Dave Arneson and on the new edition of the DUNGEONS & DRAGONS game designed by Jonathan Tweet, Monte Cook, Skip Williams, Rich Baker, and Peter Adkison.
不吉の光は4レベル・プレイヤー・キャラクター(PC)4人用のパスファインダーRPGの短い冒険だ。この設計はゲームへの参加が楽なようにしており、悪党の動機は単純でプレイヤーが決意しやすいものになっている。
このシナリオは暗礁に脅かされる海路付近の海岸線を舞台としており、崖に沿って建てられた灯台が話の中心である。この冒険は動かすのにそうした要素を全て使うが、君は君のキャンペーン世界の好きな海岸で、通常の地形に暗礁と崖を追加する事でこれを起こせる。いつも通り、君のキャンペーンでうまく機能するよう思いのままにここに書かれている文書を適応させること。
君(GM)にはこの冒険を運用するのにPathfinder RPG Core RulebookとBestiaryが必要だ。
始めるには、この冒険を地図も含めて印刷すること。最低1回はシナリオを通して読んで状況、脅威、そして主要なNPC(特にその同期)に精通すること。上下に線が引かれた区画の文章はプレイヤーへの情報であり適切な時にプレイヤーに向けて大声で読むか言い換えて良い。
かつて外壁を覆っていた真珠層の鱗からその名が付けられた真珠の塔は危険な暗礁の周辺を往く船舶を誘導するため数世紀前に建造された古の灯台だ。暗礁は波のすぐ下に横たわっており、表面からは極めて見辛く、夜なら特にだ。塔が照らす水を避けることで、貿易船の船長は何マイルも迂回することなく安全に暗礁を回避できる。
暗礁付近の幅の狭い浜辺は上に高く横に長い崖によって遮断されている。真珠の塔は崖のほぼ垂直の箇所に水平に建てられているため、船を導くという重要な役割に加え、崖の上から砂浜まで容易に昇降できるようにしている。
崖によって釣りは実用的ではなく、この土地は岩がちで農業も牧畜もできないため、共同体が真珠の塔の周辺で拡大したことは一度もなく、領主はここの防備の為に駐屯部隊を配置するつもりもない。灯台はいつも様々な商業組合から役務に対し少額の給料を受け取る貧しいコモナーによって維持されている。真珠の塔に価値ある物が入れられたことはなく誰もそこに定住しているというわけではないため、悪漢たちがそこを困らせたことはなかった。
しかしながら最近、ライカストという名前のグリーン・ハグが宝がないにもかかわらずその塔から金を創造する方法を考えついた。その目的の為、彼女はスクロームという名前のバーゲストと同盟を結び、2人はスクロームが統べているゴブリンの部族を使って真珠の塔の経営者を蹴散らした。かつて彼らのものだった塔にライカスト、スクローム、そしてゴブリンたち全員が移住してきて共同住宅にした。
ライカストとスクロームはそれからゴブリンたちの一部を使って1〜2マイル離れた海岸線に偽りの灯台を建造させた。現在真珠の塔の灯台は暗いまま灯ることなく、偽りの灯台は眩く燃えている。そうして、通り過ぎる船舶は早く岸側へと旋回をはじめてしまい、真珠の塔の目の前の暗礁に乗り上げてしまう。難破船の乗員はライカストと残りのゴブリンの部族に太刀打ちできなかった。このグリーン・ハグは大量のメロウとも盟約を結んでおり、メロウらは船からよそとの交易品として使える価値あるアイテムを買い取っている。
そのようして暗礁でその生を終えた船舶は数少ないが、交易の盛りの開始まであと数日しか無い。真珠の塔の灯りは信用出来ないという一報は地元の商人まで届いているが、異国の商船の船長はその情報を掴んでいない。状況がすぐに改善されない場合、数ダースの船舶と数百の生命が喪われるかもしれない。
ライカストとスクロームは真珠の塔の中で安穏と暮らしており、移動するつもりもない。しかし統率者2人はお互いを愛しておらず、それぞれがどうやれば相手なしで事を運べるかを検討している。しかしながら現時点ではゴブリンの部族を統制するのにスクロームがライカストには必要であるし、メロウ(この冒険では登場しないが、悪漢2人の計画の重要な要素だ)との取引にはライカストがスクロームが必要だ。ハグとバーゲストは冒険的事業を統合することで金を得て更に護衛(恐らくメロウの傭兵)を雇う予定であり、最終的に塔を海賊の安息地に変えるつもりでいる。難破船に値する良い季節は彼らに独自の船を借りるのに十分な追加の財宝を与え、付近の町や商船を襲い始められるに違いない。
キャラクターらはこの状況に複数の方法で対処できる。最も単純な戦術は上か下から塔を攻略してモンスターを一掃することだ。ライカストかスクロームを倒した集団はこの脅威を終了できる、残った敵単独ではこの企業を存続させられないため、1日か2日で離散してしまうからだ。(しかしながらPCは単に去っていった悪党の経験を得るべきではない。)キャラクターはゴブリンによる偽りの灯台の灯火を邪魔する事でこの海域における船舶の安全な航海を可能にできるが、スクロームがまだ倒されていない場合それを繰り返さなければならない(エリア6にその詳細がある。)
GMである君はPCがこの灯台にどうやって至るかを決めなければならない。君は以下のきっかけを、想像力を掻き立てることに使ってよく、君のキャンペーンやキャラクターたちに必要に応じて修正して良い。
不吉の光は真珠の塔内とその周辺で事件が起こる拠点型の冒険だ。この冒険はこの建造物がキャラクターの視界に入るところから始まる。
キャラクターは崖の上からでも浜辺からでも塔に到達して良い。キャラクターが見つけた順序の通りに下記の遭遇エリアを使用すること。
真珠層の鱗がかつては真珠の塔の外壁を覆っており、堅固な真珠のひと塊を削って造ったかのような見た目だった。しかし略奪者たちがずっと前にその鱗を剥いでしまい、現在この塔は単なる崖から突出した岩の尾根を削った石造りの建造物となっている。塔は元から管理人が泊まれるよう意図された4階建てで、外壁は堅固な石製だ。窓4枚は内側から鉄で閉じられ閂をかけられている。特記ない限り、扉は厚切りの樫で出来ており、施錠されていない。螺旋階段は塔の4階を貫いている。
鋼鉄の雨戸:厚さ2in.、硬度10、60hp、破壊DC30。
キャラクターが真珠の塔の麓の浜辺を見た時に以下を大声で読むか言い換えること。
無数の船の歪み砕けた残骸が浜辺の浅瀬中に散らばっている。壊れた船体の破片、折れた帆柱、そして他の破片が海辺の珊瑚礁――明らかな問題の発生源――のあたりに漂っており、その珊瑚礁は波の下でほどんど見えない。蟹や他の海岸の捕食者がその漂着物を漁っており、あらゆる種類の水浸しのゴミが砂浜を覆っている。ぶつかる音と軋る音が寄せる波が木材を揺らすことで生じ、強烈な腐臭が海の新鮮な香りを圧倒している。カモメが幾羽も頭上を旋回しているが、壊れた船の付近には一羽たりとも海鳥は止まっていない。一番大きな船体の残骸から、湿った布が千切られるのにも似た、ひび割れ割かれる音が鳴っている。
崖を背にした荒削りの四角い石柱がこの物悲しい景色の中で佇立している。この柱は4階建てほどの高さの正方形の塔のようだ。その屋上は崖の上と同じ高さだ。この建造物に漆喰の塗られた煉瓦はない――実際、一つの石を削って造ったかのような見た目だ。見える限りでは窓が様々な高さで閉じられており、石の摩耗した迫持造りの門構えに設えられた木製の扉が1枚1階にある。
1ダースの船舶が既に計略に嵌って偽りの灯台(エリア6参照)によって航路を外れており、難破貨物が灯台の目前にある浜辺を彩っている。ライカスト(エリア3参照)は難破船が発生する度に船へと降りて宝物(自分用に選りすぐりの安ピカものを取り除いた後に手下に分配する)と、好物である新鮮な肉の為に砕けた船体を略奪する。ライカストは最近難破船の船員を食らったため、1〜2日の間は新たな座礁があっても調査に降りては来ない。つまり、PCは難破した場合、灯台とその周辺を探索できるような時間が多少あるということだ。このエリアに居続けるが、3日間以内に塔に入れなかった場合、ライカストはエリア6からゴブリン4人を連れて逢魔が時に攻撃する。
クリーチャー:難破船の中で死んだ船乗り全員が、墓標のない不浄の墓の中で心安らかに眠っているわけではない――彼らのうち4人がグールとして起き上がっている。こうしたクリーチャーは最大の船体の中におり、夜にそこから飛び出て人間の死骸を貪るか、余りにも飢えていた場合蟹を食らう。ラケドンではないため、彼らは泳げない。
グール(4) | CR1 |
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Bestiary参照。
hp13
戦術:グールは庇としている壊れた船体の中に居る間箱や梁の裏に隠れている。今いる難破船については詳しいため、彼らは内側にいる間〈隠密〉判定に+2の状況ボーナスを得る(暗視や夜目を持っているキャラクターに対してさえ)。可能な場合、グールは不意討ちラウンドに突撃しようと30フィート以内に近付かれるまで生きている標的を待つ。
進展:グールたちは生肉に飢えているが、ライカストより先に生肉に手を出そうとすることはまずない。つまり、食料候補が逃げるのを放っておくのはまずい。グールは捕まえるか破壊されるまでPCたちを追いかけ困らせる。
宝物:ライカストの略奪を逃れた価値ある物は殆ど無い。グールの生活していた船体を手探りに依る〈知覚〉判定でDC20に成功することで200gpの価値のある金剛石の粉末の入った小さな小箱が明らかになる。
この塔の1階はいくつもの小部屋で構成されており、その全ては補修されていない。
内側からでも外側からでもキャラクターが1階の玄関扉に近付いた時に以下を大声で読むか言い換えること。
扉は暗色の木でできており、石の枠で囲われている。窓も窓以外の景色が見える穴もない。扉の木は鋲の打たれた厚い金属の帯で補強され、その蝶番は眼に入らないよう工夫されている。木にも金属にも深い切り傷が刻まれているが、それ以外には扉に損傷はないようだ。
鉄で補強された扉は極めて良質な造りで、良い錠前で守られている。叩き壊した場合、反対側のクリーチャーに警報することになる(塔の内側のグリックか浜辺のグール、扉のどちらから開けるかに依る)。ライカストはこの扉の鍵を持っている(エリア3参照)。
補強された木製の扉:厚さ2in.;硬度5;hp25;破壊DC24;〈装置無力化〉DC30。
1階全体は現在グリックの住まいだが、ここの部屋部屋はかつて用務員や客人を泊めるのに使われていた。PCが初めて1階に入った時に以下を読むか言い換えること。
放置されて久しい家の堆積した黴の臭いが潮の刺激臭と入り混じっている。腐った衣服の山が冷えた石の広間の隅に積まれ、床は乾燥した砂で覆われていて奇妙な引き摺り跡が伸びている。壊れた家具の欠片が床じゅうに散らばり隅に積まれていて、松明数本と錆びたランタンが壁の突き出し燭台に設置されている。ボロボロになった綴れ錦の残骸が壁のそこかしこにかかっており、石膏細工が天井から剥がれ落ちている。
グリック | CR3 |
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Bestiary 2参照。
hp27
PCはこの引き摺った痕跡は中型サイズの蛇のようなクリーチャーの跡によるものだと識別するためのDC20の〈生存〉判定を試みれる。グリックの跡を追おうとするキャラクターはこの階の無作為に決定された部屋にいるグリックを見つけ、不意討ちできるかもしれない。そうしないなら、このクリーチャーはキャラクターの匂いを嗅ぎつけ這い進み、この階に来てから2d4ラウンド後に攻撃する。
クリーチャー:ライカストはゴブリン(エリア5参照)がこっそり浜辺に降りないように愛玩魔獣のグリックをこの階で飼っている。このクリーチャーは彼女を攻撃せず、傷ついた場合彼女の元へ行くほどに手懐けられているが、芸は調教されておらず実際に彼女の命令に従うわけではない。
エリア | 目的 |
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1A | 貯蔵庫 |
1B | 用務員の待機室 |
1C〜1H | 寝室 |
1I | 大広間兼食堂 |
1J | 厨房 |
1K | 保冷庫 |
戦術:グリックは攻撃し死ぬまで戦う。PCがグリックを傷ついたまま放っておく場合、エリア3のライカストまで行く。彼女は、まだ戦闘で使っていないのであればポーションを使ってそいつを治癒する。
進展:グリックとやりあったなら、キャラクターたちは塔のこの階の探索が自由になる。残っている家具は皆無だが、こうした部屋部屋は適切な補充と改修を行えば機能を取り戻すだろう。個々の部屋の本来の目的は右記の表に示した。
宝物:この階にある高価な物は少ないが、PCは容易に松明10本(それぞれ1cpの価値)と覆い付きランタン5つ(それぞれ7gpの価値)、そのうち1つには油が1パイント入っている(1spの価値)。
この階は真珠の塔が建造された時はそこを守護する部隊が鍛錬する道場だった。ライカストは現在ここを住まいにしており、本来の目的の痕跡は残っていない。PCがこの塔の2階に到着した時に以下を大声で読むか言い換えること。
この階の空気はむっとするような濃密な腐臭だ。海原の潮騒が遠くから聞こえてくるが、他の音は何も聞こえない。石の壁、天井、そして床はかつては石膏細工とツヤのある木材で覆われていたが、その表面が薄れ剥がれ始めてから長い年月が経っている。
この階の部屋はライカストの私室(下記参照)以外は空っぽだ。彼女の扉はこの階において唯一閉じられており、彼女はいつでもその扉を施錠している。
木製の扉:厚さ2in.;硬度5;hp20;破壊DC23;〈装置無力化〉DC25。
クリーチャー:ライカストは恐ろしく、悪意に満ち、強欲なクリーチャーであり、苦痛を与える事に楽しみを感じ心には慈悲も愛もない。彼女は何者も信じず、信用されるとも思っていない。狡猾で疑り深いが、自分の目先の利益以外を良く考えられるほど忍耐力はない。ライカストが金銭を欲するのは美しい物や豪華な物を買う為ではなく、金銭欲を満たし苦痛をより与えられるようにする為だ。
このグリーン・ハグはスクロームの仲間になっているが、その必要がある間だけにする心算である。彼のダメージ減少を克服するのにグリックは有用であろう事を知っているため、彼なしでもやれるようになったならグリックの力を借りて彼を殺すつもりでいる。
食料が尽きるか、この塔を彷徨くゴブリンに疑念を持つか、船が暗礁に乗り上げる音を聞かない限り、ライカストは自室(エリア3A)に居続け、スクロームに対する計画を練る。
ライカスト | CR5 |
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女性のグリーン・ハグ
Bestiary参照。
hp58
装着品5ポーション・オヴ・キュア・ライト・ウーンズ、宝石(300gpの価値)、3鍵(自室の扉、エリア3の扉、エリア5のはねぶた)、クローク・オヴ・レジスタンス+1、+1スタデッド・レザー
*外套と鎧により、AC+4、ST+1の修正を受ける。
戦術:敵が近付くのを聞きつけた場合、ライカストは不可視になる。それから彼女は最も弱そうな者を狙い、最初の攻撃の標的を装甲の最も薄い者にする。可能なら相手が倒れるまで1人の敵を攻撃し続けてから自分に最もダメージを与える相手へと向き直す。呪文抵抗のため、術者はさほど恐れない。彼女は時折遠隔戦闘者を最初に排除する事を選び、続いて残りへと接敵する。彼女は弱体化の攻撃を使って武器を使う特に有能そうな敵の【筋力】を下げる。
ヒット・ポイントが10以下に減少した場合、ライカストは逃げる。彼女の防御的発動の為の精神集中判定の修正値は通常であれば機会攻撃範囲内にいてさえ不可視になれるほど高い(《戦闘発動》込みで+15)――この戦術は逃走の可能性を大いに高める。彼女は足跡をパス・ウィズアウト・トレイス能力で隠す。
進展:殺されなかった場合、ライカストはPCたちが塔の中かその周辺にいる限り彼らを困らせるだろう。傷ついた場合、彼女は癒しのポーションを使う。彼女はインヴィジビリティを使って後でPCを待ち伏せするかもしれないし、ディスガイズ・セルフで標準的な船乗りに外見を変えるかもしれない。後者の場合、彼女はPCを先回りしてスクロームか愛玩魔獣のグリックの囚人のふりをする、どちらの囚人になるかはPCが塔をどちらから進むかに依る。
ライカストが負けると、PCは彼女の部屋を探索できる。この部屋には調度が椅子が1脚、釣床が1枚、そして宝箱が1箱あり、また彼女は腐った人間の四肢を食用として手元に置いている。
宝物:以下のアイテムがライカストの住まいの宝箱に貯蔵されている:480gp、1,200sp、3,600cp、10マラカイトの宝石(それぞれ10gpの価値)、金の胴衣(60gpの価値)。逃げざるを得ない場合彼女はこの宝物を置いていく。
キャラクターがこの階に着いたら以下を大声で読むか言い換えること。
この階は毛、古い肉、そしてゴミの臭いがきつい。汚穢がどこの隅にも堆積し、広間に散らばっている。
スクローム | CR4 |
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男性のバーゲスト
Bestiary参照。
hp45
この階ではかつてこの塔の重要な職員が泊まっていたが、スクロームが自らの部隊の為に徴発している。バーゲストはこの階の最も大きい奥座敷(エリア4A)を巣にしており、彼の部隊は他の部屋全てで睡眠する。
クリーチャー:スクロームはライカストと共に行動しなければならない事を憎んでいるが、難破船から奪った品を売るにはメロウの伝手が必要である。このバーゲストは自力ではPCと公の折衝を行いそうにないが、ゴブリンを殺していない集団から敬意を以って持ちかけられたなら、彼らが略奪した商品の故買を約束する限り彼は彼らとの同盟を前向きに考えるだろう。この出来事において、彼はライカストの殺害に手を貸すかもしれない。しかしながらスクロームはどのような場合でもこの塔の所有を保持すると主張する。
エリア | 目的 |
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4A | 図書室(現在スクロームの部屋) |
4B | 戦勝品の間 |
4C | 医務室 |
4D | 礼拝堂 |
4E | 会議室 |
4F | 高官向けの高級客室 |
4G | 職員室 |
4H | 司祭の部屋 |
戦術:スクロームは五感が鋭いため一行が彼を不意討ちすることはありそうにない。この階に侵入者がいることを聞きつけた場合、彼は狼形態を取って忍び寄って攻撃する。スクロームは攻撃者はライカストが送り込んだ暗殺者だと認識し、彼女のために塔を離れるくらいなら戦死を選ぶ。彼は可能なら術者を攻撃するが、その為に機会攻撃まで受ける危険を冒す気はない。
進展:スクロームを攻撃した集団が彼を排除するには殺さなくてはならない。逃げてもスクロームは追い、死を確認する必要がある限り追跡する。ゴブリンが誰も殺されていない場合(エリア5と6参照)、スクロームは敵を探す為の略奪に1ダースのゴブリンを伴う。傷ついた場合、彼は自らの傷が癒え敵が野営するまで待ち、それから原野で彼らを不意討ちしようとする。
スクロームと戦ったなら、PCはこの階を完全に探索できる。スクロームの部屋はエリア4Aにあり、そこはかつて塔の図書室だった。石製の棚が壁に並んでいるが、かつてそこに埋められていた本と巻物全ては大昔に失われている。スクロームは就寝用に敷いた草と椅子を1脚持っているが、他に家具はない。
他の部屋には野営道具とゴミしかないが、適切な補充と修繕によって機能を取り戻すだろう。個々の部屋の目的は右記の表に記載している。
宝物:スクロームは250gpと、それぞれ25gpの価値のある黒曜石の欠片10個の入ったハンディ・ハヴァサックを持っている。
キャラクターが塔の最上階に辿り着いた時に以下を読むか言い換えること。
この塔の最上階は奥に生えている崖の上と同じ高さにある。銃眼のある石製の狭間胸壁が塔の最上階の三面を囲っており、崖に面する側が残る四面目となっている。黒く煤でまみれている5フィートの高さのある台座が2つ、この胸壁の上から突き出ている。台座それぞれは短い階段によって登れる。崖の窪みに位置している塔の外側へは跳ね蓋で開けられる。
黄ばんだ肌の色の長い腕をした、鳶色の衣服を着た十数人の小型の人型生物が最上階を徘徊しており、明確に見張っているようだ。
この塔は守りに易いよう造られており、スクロームはその要素から優位を得る。
クリーチャー:スクロームの指揮下にある1ダースのウォリアー・ゴブリンがいつも塔の最上階を巡回している。彼の部族は実際にはゴブリン120人を数え、そのうち60人はウォリアーであるが、残りは現在付近の原野に隠れている。
宝物:ゴブリンが戦うのはスクロームを恐れるからであって、塔を守りたいからではない。攻撃された時、彼らはスクロームに聞きつけてもらえるよう跳ね蓋を叩く(スクロームはDC20の〈知覚〉判定)。聞きつけた場合、彼は5分経ってから何が起きたかを見に行く(エリア4参照)。守れなかった場合スクロームは自分たちを殺すであろうことを知っているため、ゴブリンは塔を守ろうと死ぬまで戦う。
進展:この遭遇を生き延びたゴブリンはスクロームに警告に塔の奥へと走る。スクロームが生きている場合、彼はPCを狩ろうとし(エリア4参照)、その日の内に篝火を点けさせにより多くのゴブリンを送り出す。スクロームの戦士が全員殺された場合、残りのゴブリン部族は逃げ出す。スクロームが殺された場合、ゴブリンは部族を解体し離散する。
宝物:12人のゴブリンそれぞれは塔攻略の分け前として50gpを持っている。
真珠の塔の崖から約3マイルくだったところに偽りの灯台がある――大きな篝火だ。キャラクターが火とその守護者を明瞭に見れるほど近くに来た時に以下を大声で読むか言い換えること。
巨大な篝火が崖のへりで焚かれ、それを1ダース程度のゴブリンが警護している。この小さく薄汚いクリーチャーは退屈しているようで、巡回する気も燃え盛る火を監視する気もあるようには見えない。
焚き火は崖からたった5フィート離れたところで燃やされ、海の遥か遠くからでも見えるようになっており、ゴブリンはそこから50フィート以内の木々を一掃している。彼らは昼夜を問わず篝火を焚き、周辺地域を漁って燃料にしている。
クリーチャー:焚き火は大抵の捕食動物を遠ざけるため、ここのゴブリンたちは安全性について怠慢になっている。彼らはこの地域を監視する努力も巡回する努力もしない;単に燃料を集めて火を絶やさないようにするだけだ。
ゴブリン・ウォリアー(12) | CR1/3 |
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Bestiary参照。
hp6
うち2人が経年劣化した残チャージ10の小型用オートグラップルヌを持つ。
戦術:ゴブリンは篝火を守りたいがためではなくスクロームを恐れるがために戦う。彼らのうち半数を超えて死んだ場合、残りのゴブリンは逃げ出す。
進展:この遭遇を生き延びたゴブリンはスクロームに警告に塔へと駆ける。まだ生きている場合、スクロームはPCたちを狩ろうとし(エリア4参照)、その日の内に篝火へとより多くのゴブリンを送り出す。彼が死んでいる場合、ゴブリンは部族を解体し離散する。
宝物:12人のゴブリンそれぞれは塔攻略の分け前として50gpを持っている。
前述の通り、2人の悪党は計画の遂行にお互いを必要としているため、ライカストかスクロームの打倒によって脅威は終わるこの海域での安全な航行を確保するにはPCはエリア6の偽りの灯台を消火し塔の灯りを再点火しなければならない。
君がPCたちに作戦基地を与えたいなら、地元の農夫は彼らに真珠の塔の新たな管理人になってほしいと頼んで良い。付近の原野でクリーチャーとやりあう複数のゲーム・セッションに費やせるし、商会組合は彼らに以降の脅威の対処について給金を支払い、不在の際には一時的な管理人を寄越してくれるだろう。
かのハグの計画の関係者を拡大したいなら、ライカストは魔女団の1人という事にして良い。彼女が死んだ場合、姉妹は殺人者に対する復讐を求めるだろう。ライカストの交渉相手だったメロウたちは取引相手の死に憤り、真珠の塔を制圧して偽りの灯台を復活させようとするかもしれない。
スクロームが生き延びた場合、彼は後でPCを追い詰めると決意するかもしれない。しかしながら彼らは強力な敵対者だと認識している彼はグレーター・バーゲストになるまで殺し喰らい続けてから再度まみえる。
Owen Kirker Clifford Stephensは1970年にオクラホマ州のノーマンに生まれた。彼は1997年にWizards of the Coast Game Centerが開催したTSR Writer’s Workshopに参加し、2000年にシアトルへと引っ越し、それからウィザーズ・オブ・ザ・コースト株式会社でゲーム設計者としての職を得た。14ヶ月後、彼は妻と3匹の猫と共にオクラホマ州へと戻って自由契約の物書き兼開発計画者となった。彼は無数のスター・ウォーズとエバークエスト企画において著者や共著者の1人として名を連ねており、それはGreen Ronin社のBastards and Bloodlinesでも同様である。彼は印刷可能な書割も含む、様々なIDA製品の制作者でもある。
真珠の塔――船に不実な暗礁に近付かないよう警告するため建造された古の灯台――に何が起きている? 船舶は失踪しており、交易の繁忙期が始まろうとしている。誰かが灯台を制圧し船を座礁させているのだろうか? Owen K. C. Stephensによる最新のパスファインダーRPG用の小規模な冒険を、君のキャンペーン世界の暗礁と崖があって付近に海路が走っている沿岸地域に落とそう。4レベル・キャラクター4人に適している。
(冒険の背景1段落目と同様。)
(冒険の背景2段落目と同様。)
(冒険の背景3段落目と同様。)
しかしながら最近、船舶が海路から失踪しており、この塔が疑われ始めた。灯りは何故信用出来ないのか? 何らかの悪のクリーチャーがそこで生活し交易船を襲っているのだろうか?
(本文のものと同じ。)
経験点(ストーリー経験点含む) | 約10,800XP |
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4人が次のレベルになるのに必要なXP | 60,000XP |
実際の宝物 | 約8,236gp |
脅威度から求められる宝物 | 約10,150gp |
市価2,000gp;種別両手遠隔武器;ダメージ(小型)1d6+6刺突;クリティカル×3;射程30フィート;容量20(現在10);消費1チャージ;特殊組みつき、緩射;重量5ポンド
オートグラップヌルは小さなアダマンティン製の釘が銃身から突き出たライフルのように見える。発射すると、オートグラップヌルはくぐもった発射音と共に釘を射出する。この釘の後ろには、非常に強力で細い金属のケーブルがつながっている。釘が固い目標に突き刺さった後すぐに、小さなトゲが突き出て釘をその場所に固定する。オートグラップヌルのケーブルは最大射程である300フィートの長さまで伸ばすことができ、500ポンドの重量まで支え引き寄せるだけの強力なモーターが内部で駆動している。オートグラップヌルが目標から外れた場合、標準アクションで巻き取ることができる。移動アクションにより、銃身にこの引っかけ鉤を際装填することができる。
オートグラップヌルはダメージを決定する際、有効【筋力】能力値22で攻撃する。クリーチャーに攻撃が命中すると、この武器は目標に突き刺さったままとなり、目標は金属ケーブルでこの武器および使用者とつながる。ケーブルはAC12、硬度10で20hpを持つ。DC32の【筋力】判定に成功すればケーブルを引きちぎることができる。クリーチャーとつながっている間に使用者がケーブルを引き戻すと、オートグラップヌルはCMB+16で引き寄せの戦技判定を試みる。物体に対して使用すると、全ラウンド・アクションにより、オートグラップヌルは25ポンド以下の重量のアイテムを使用者のところまで引き寄せるか、より重たい100ポンド以下の物体の場合、20フィートの速度で使用者へと引き寄せることができる。
固い物体に固定された場合、〈登攀〉判定を助ける固定具として用いられる間、オートグラップヌルの収縮率はぴんと張った直線を維持し続ける。
再チャージできない。今回の戦闘において、以下の状況では、経年劣化したアイテムは50%の確率で突発異常を引き起こす。
d% | 突発異常 |
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01〜02 | 武器は機能しない。残っているチャージは全て失われる。 |
03〜24 | 武器は機能しないが、通常のチャージを消費する。 |
25〜39 | 武器は通常の2倍のチャージを消費し、消費するチャージ毎に1d6ポイント(最低1d6)の[電気]ダメージを使用者に与える。 |
40〜65 | 武器は通常の2倍のチャージを消費する。 |
66〜75 | 武器は通常通り機能するが強く輝き、1ラウンドの間使用者と隣接している全てのクリーチャーを1ラウンドの間盲目状態にする(反応セーヴDC15に成功すれば無効)。 |
76〜84 | 武器は通常通り動作する。 |
85〜92 | 武器は想定より優れた形で機能する。1ラウンドの間、この武器を用いた攻撃ロールに+2のボーナスを得る。 |
93〜96 | 武器は想定していたよりも遙かに優れた形で機能する。この武器を用いた攻撃ロールとダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。 |
97〜98 | 武器は通常通り機能する。この回の使用において、チャージは消費されない。 |
99〜100 | 武器は通常通り動作し、電力サージがこのアイテムのチャージを1d6だけ回復する(ただし容量を超えることはない)。 |