〜エレグソンキャンペーンにて 戦士ホッジとその息子スタインの会話
ソング・アンド・サイレンス
Song and Silense(S&S)
David Noonan and John D.Rateliff 著
クラス紹介系ガイドブック(ローグ&バード編)
96ページ
2002/09/01
2003/05/12 改稿
by B.M
いまどきS&Sかよ!って感じですが、とりあえずレビューしてないのを全部埋めようかと。
いわゆる穴埋め。これが出た当時は忙しくてレビューするひま無かったんで。
(しかも、実を言うとこれがBMの持ってる最新のクラス本だったり…)
簡単に説明すると、シーフとバードの本です。
これらクラス本は”無くてもいいけど、有ったら便利”という存在のハズで、この本はまさにそういう本です。
どこかのアホ本みたいに”無かったら終わってて、有ったらめちゃくちゃ強ぇ”っていう類のもんでもないです。
基本的にはサポート、っつー感じですかね。
良い本です(笑)。
とはいえシーフをやる分には有った方がいいのは間違い無いです。
新しいプレステージやフィート、スキル、トラップの種類、シーフ用のアイテム等々。
あいかわらず最初からPHBに入れとけよ的部分もありますが(笑)。
BMイチオシのガイドブック「HBG」と同じ作者と言うのも何かを期待させてくれます。
たしかに全般的に押さえ目で、アイデア勝負の印象があります。
ハッキリ言って贔屓ですが(笑)。
チャプター1 プレステージクラス
まずはいきなりプレステージクラスから。
分かってきたな、WoC(笑)。
全般的にローグ用のクラスは地味なものが多く、戦闘に餓えたファイティングローグの皆さんには合わないものが多いと思われます。
なんとなくセカンドを彷彿とさせる微妙な感じのクラスが多く、出来は良いですがぶっちゃけ”弱い”です。
個人的には好きな路線なのですが、パワープレイ嗜好の皆さんには物足りないかもしれません。
転職前クラスの例:どのクラスから転職したら良いかの指針です。参考程度に。
ベースアタック:ベースがどのクラスと同じかを示します。
セーブ:セーブの中に「高い」のがいくつあるかを示します(サードのセーブ数値は高低2つしかない)。
HD:レベル毎のhpを決めるダイス。
総合評価:Aがもっとも強く、Dが最弱です。Sは特別に強いことを示します。
◆ドレッドパイレーツ
転職前クラスの例:ローグ、ファイター
ベースアタック:ファイター
セーブ:1つ
HD:d6
総合評価:C
もーなんつーか海賊をやる以外にやる事無いです。
特殊能力も汎用性がほとんど無いんで、海の冒険が多いキャンペーンでないと苦しすぎでしょう。
海賊王でも目指しますか?(笑)
◆ダンジョンデルヴァー
転職前クラスの例:ローグ
ベースアタック:ローグ
セーブ:2つ
HD:d6
総合評価:B
ダンジョン潜り専門家。これはまあ、ゲームの方向性から言ってかなりイケてるクラスの気がします。
最初のうちは地味な能力ですが、そのうち小さくなって隙間を抜けたり異次元ドアを作ったりと御無体なかんじに(笑)。
スニーク上昇無しなので戦闘には不向きですが、ダンジョン探索の時はきっとそんな特殊能力が役に立つでしょう。
…ウィザードの次ぐらいには。
◆ファング・オブ・ロルス
転職前クラスの例:ローグ、ウィザード
ベースアタック:クレリック
セーブ:1つ
HD:d6
総合評価:B
どんどん変身して、最終的には”人を越えて”ヴァーミンタイプになってしまう怒涛のクラス。
バケモノ。つーかまず間違いなくNPC用でしょう(明記はされていませんが)。
→「ファングオブロルス〜あるロルス信者の日記」
◆アウトロー・オブ・ザ・クリムゾンロード
転職前クラスの例:ローグ、ファイター
ベースアタック:クレリック
セーブ:2つ
HD:d6
総合評価:C
名前は格好良いですが、ようするに無法者。
無法な能力が満載で辻強盗にオススメのクラス(笑)。
いろいろとイメージが膨らみやすいのでPCにしても面白いかもしれませんが。
◆ロイヤルエクスプローラー
転職前クラスの例:ローグ、バード
ベースアタック:クレリック
セーブ:2つ
HD:d8
総合評価:D
略してRE。ダメそー(笑)。
なんつーか探検家(学者タイプ)なんですがどうにもこうにも技能ボーナスがショボい!!
今時+4でどうしろっちゅうんじゃ。
改善の余地あり。
◆スパイマスター
転職前クラスの例:ローグ、バード
ベースアタック:クレリック
セーブ:2つ
HD:d8
総合評価:A
いいですね、これ。スパイの達人。
イラストのねーちゃんが色仕掛けしてるんで、そーゆう特殊能力があるのかっ!と思って期待したんですが、特にそういうのは無いです。
チッ。スパイと言えば色仕掛けなのに。
スニークも3d6だけ増えるし、特殊能力の幅も広くて有用なものが多いので個人的にはオススメのクラス。
中でも偽の人格をかぶる”カヴァーアイデンティティ、ディープカヴァー”はかなり強力。
NPCで出したらPCは苦労すること間違いなし。
騙すのが好きなDMの皆さん(ゴホゴホッ)一考の価値ありですよ?。
◆テンプルレイダー・オブ・オリダマラ(多分)
転職前クラスの例:ローグ
ベースアタック:クレリック
セーブ:2つ
HD:d6
総合評価:C
OLIDAMMARAが読めん(笑)。
略奪者、ってかなりすげークラスだなおい。
スニークとスペルとセーブボーナス、そしてドッジで構成された単純なクラスです。
まるでマルチクラスのコンボのよう。つーかマルチクラスでいい説あり。
呪文数は少ないけど「キュアクリティカル」と「ニュートラライズポイズン」まで覚えるので、まあ。
まあ。
…まあ。
◆シーフアクロバット
転職前クラスの例:ローグ
ベースアタック:クレリック
セーブ:1つ
HD:d6
総合評価:C
その名の通りアクロバティックな体術を得意とするクラス。
いろいろと厳しい地形でも普通に戦える、いわば逆境に強いタイプ。
DMが逆境好きだったら選択してもいいかもしれません。
アライメントの制限さえなければモンクからなっても面白かったのに。
(純粋にアクロバットのボーナスで言うなら、この後にドラゴン誌で追加された忍者クラスのが良いです。)
◆ヴィジランテ
転職前クラスの例:ローグ
ベースアタック:クレリック
セーブ:2つ
HD:d6
総合評価:B
罪を憎んで人も憎む、そんな憎みまくりの罪人キラーがこいつです。
ダイスの振り直しができ、探知系呪文が使え、罪人スマイトができるのでまあ選んでも良いかな的クラス。
”原罪”は全ての人間が持っている(?)ので、そう言い張れば全ての人間にスマイト可能?!(嘘)。
◆ヴァチューソ
転職前クラスの例:バード
ベースアタック:ウィザード
セーブ:1つ
HD:d6
総合評価:A
いわゆる”呪歌”でいろいろできる、ソードワールドのバードみたいな感じのクラスです。
呪文がちゃんと毎レベル増えるので楽です。つか、バードに比べて強いだけじゃん(笑)。
バードはレベルを上げても良い事があんまり無いので、少なくともこのクラスになることをオススメします。
(もちろん最善なのは全く別のクラス(テンプラーやキャンドルキャスター)になることですが)
チャプター2 スキルス・アンド・フィーツ
ま、定番っつーことで。
これが定番になってるっつーことに違和感を感じますが(笑)。
毒や罠の紹介はいかにもサプリ的な感じがしていいですが、ヴァリアントの〈Tumble/軽業〉チェックはPHBに入れとけよ(笑)。
ピックポケットを<クイックドロー>がわりに使ったりするルールもな。
さあみんな〈Tumble/軽業〉+10と〈Pick Pocket/すり〉+10のアイテムを買いに走れ!(笑)。
フィートは”ダブル技能ボーナス型(※1)”というショッパイやつがたくさんあります。
まず最初に<アクロバティック>と見て眩暈がして、<アスレティック>で失神確定。嫌過ぎる。
ようするに<スキルフォーカス>の2つセット版。<アクロバティック>なら〈Jump/跳躍〉と〈Tumble/軽業〉に+2、とか。(やべ、ルール書いちまった)。
はい、ここはPHBだけ見て<スキルフォーカス>でジャンプを増やした人が怒る場所ですね…ってもともとそんな人いないか(笑)。
もともと取らない<スキルフォーカス>ですが、これらのダブルスキルフィートによりますます立場を失い、そしてダブルスキルフィートも別にいらないという、なんだか悲しくなるような結果になりました。
このへんのスキルボーナスのアンバランスはなんとかしてほしい所ですな。
アイテムでいきなり+10(以上)できるし、新しくドラゴンで追加されるプレステージはボーナス+20とか平気で持ってるし。
インフレしまくってて、もはやドラゴンボール状態。
いまさら+2が2つでどうすんだよ、マット=ガファリかよおめえはって感じです(意味不明
ロイヤルエクスプローラーなんか+4で戦いを強いられてるし…。クリリン?(笑)
この中でダブルスキル以外のフィートでは
・スプラッタなアナタにオススメ、相手を血まみれにする<アーテリアルストライク>で毎R出血ダメージを!
・地味に移動力が増える<ダッシュ>で地味に(しかし確実に)パワーアップ!
・パワープレイヤー必見の<エキスパートタクティシャン>で追加攻撃!
・奪って即殴る!痛快なディザーム<スナッチウェポン>で(おもにDMに)嫌がらせ!
などが注目でしょうか。
…<ダッシュ>はPHBに入れとけよ(こればっか
チャプター3 バード・アンド・ローグ・イクイップメント
漠然としていたバードの”楽器”が詳細に説明されています。
全ての楽器のイラスト付きで、形状や使用法、Bardic Music(呪歌)を使う時の修正が説明されています。
こういう細かいところに気を配りたいプレイヤー必見です。
ローグのアクセントとなる武器や変わったツールも紹介されています。
やはりファイターたちと一線を画すためにもこの辺の”変わり種”は要チェックでしょう。
ローグらしさを出すために。
それから(もちろん)マジックアイテムも紹介。
これがなきゃサードは始まらないってか?。
チャプター4 オーガニゼーション・フォー・バーズ・アンド・ローグス
バードとローグの属する組織についての説明です。
ローグといえばシーフギルド(なぜローグギルドじゃない?(笑))。
代表的なシーフギルドのサンプルが10ほど紹介されています。
ギルドの掟や目的、ギルドのある場所などが細かく説明されています。
しかし”モンスターギルド”って凄そうだな。
バードのは”カレッジ”。
そのメンバーになることによるメリット、どのような活動をしているかの紹介、毎年払う学費(笑)などが説明されています。
スナフキンみたいな流れ者だけでなく、わりとしっかりとした組織に属するバードもいるってことですな。
チャプター5 ユー・アンド・ザ・ワールド・アラウンド・ユー
キャンペーンにおいてどのようにロールするか?。
冒険の動機は?。
他のクラスとの関係はどういうものがあるか?。
など、プレイするのに欠かせない情報のフォローです。
個人的にはここが一番重要なチャプターではないかと思います(笑)。
あとは特殊なコンバットオプションの紹介。
フランキングの狙い方。スニークのやり方。など。
チャプター6 スペルス
アサシン用、バード用のスペルがそれぞれ4個、30個(!)紹介されています。
バードはPHBだけでは物足りないので、この本のを足すと良いでしょう。
何か釈然としないものがありますが(笑)。
まとめ
あまりにも必要な情報が多過ぎて、必須なのが微妙に納得いきませんが…(PHBに入れとけ)
全体的にパワーが押さえられていて、バランスは良いのでは無いかと思います。
キャラクターを強化するというよりは豊かにするという意味合いが濃いガイドブックなのではないかと。
さすがはDavid Noonan and John D.Rateliff だ(笑)←ど贔屓
ダブルスキルフィートにはウンザリですが、個人的にはオススメです。