FRENZIED  BERSERKER

        君のファイターライフを『ぶきちれ狂戦士』で豊かなモノに!

 

 

群れなす敵をばったばったとちぎっては投げちぎっては投げ。

並み居る敵のど真ん中に躍り込み、手にした大剣で次から次へと撫で斬りに。

 一騎当千。

鎧袖一触。

これこそが男子として生を受けた者の、究極の目標であることは疑いない。

 

 そしてその目標を満たしてくれるプレステージクラス、それがMoWで紹介された新プレステージクラス Frenzied  Berserker(以下バーサーカー)なのだ。

 

バーサーカーの能力はいろんな意味で破壊的である。

まず、その名に冠しているFrenzy能力。1レベルから使える能力で、バーバリアンのRageと同様の能力であるがSTRへの+6ボーナス(よって、命判とダメージに+3される)と、各ラウンド一回の追加攻撃(!)を得る。ACに-4と、毎ラウンド2ポイントのsubdual  damageを受け、終了時に疲労で動けなくなったりするが、無敵の超戦士を目指す君がそんなペナルティにひるむことは無いだろう。恐ろしいことに、この能力はバーバリアンのRageと同時に使用できる。いずれも発動はフリーアクションだから、両方一度に発動すれば、その瞬間君はSTRボーナス+5,Conボーナス+2(+lv毎にHP+2)の超人へと早変わりってわけだ(ACに-6のペナルティが付くけど、今更気にしないよね?)。たとえ平常時でもダメージを受けたとき、Will  STに失敗すると勝手にFrenzy状態に陥るが、寛容な君の仲間達の広い心はそんなことでは揺らぐまい(キレた君の暴れっぷりを見た後なら特に。その時の彼らの笑顔はちょっと引きつっているかもしれないが)。

ちなみに1レベルではもう一つ、Remain  Conscious feat----HPが-10になるまで普通にpartial  actionを行える。まあ、君が取る行動といえば「敵を攻撃」以外にあり得ないのだが----を得る。これさえあればRageとFrenzyを同時に使って毎ラウンド3ポイントずつダメージを受けたってヘッチャラさ!・・・・・・・まあ、たぶんね。

次いで、冒頭の男の夢、「ちぎっては投げ」を可能にするSupreme  Cleve能力は2レベル時に受け取れる。この能力はClaveないしGreat clave能力を使用する際に、1度だけ5ftステップを可能にする能力なのだ。地味なようで、この能力は強力である。前述のFrenzy能力による強大な追加ダメージはClaveをより容易にするからだ。バーサーカーを目の前にした君は、自分の前に少なくとも2列の重装歩兵の戦列を用意しておなかければならなくなるだろう。雑兵を自分の前に一列に布陣しておいても、バーサーカーはあっさりとそれを乗り越え君を攻撃してくるのだから(それも、下手をすれば最大のHRで、だ!)。

 4lvになれば、この絶対的な破壊力にスタミナが加わる。Deathless  frenzy能力は、君のバーサーカーがFrenzyによるダメージでHPがゼロになっても動き続けることを保証してくれるのだ。Frenzyが終わった瞬間に全てのダメージを通常通り摘要されることになるが、その時点で敵が全滅していなかったらどっちみちバーサーカーは死ぬことになるんだから、深く考える必要はあるまい。

 そして6lvでは、バーサーカーはついに感染力までをも得る。なんと、周囲(10ft)にいる仲間を全てFrenzy状態にしてしまうのだ(STによる抵抗は可能)!「仲間に(allies)」と明記してあるから接近戦時でも敵に気兼ねをする必要もなく、一度Frenzyになってしまえば10ft以上離れてもOKなので、積極的に利用したい。気が付いたらFrenzyなPC同士で互いに殴り合って「そして誰もいなくなった」、などということになるかもしれないが、仮にそうなったとしても数々の特典(特にRage)を有する君の優位は揺るがない。どんどん使え。

 とどめはpower  attackの強化である(5lvでimproved、10lvでsupremeに発展できる)。前者は命判を-2するごとにダメージに+3する能力、そして後者は命判を-1するごとにダメージを+2にする能力だ(素晴らしい!)。

 

 こんな狂戦士----ああ、狂ってるとも。そして一番狂ってるのはたぶんデザイナーなんだ---、バーサーカーになるための条件は以下の通り。

アライメント:ローフル以外

ベースアタックボーナス:+6以上

必須feat:Cleave,  Destructive  Rage,  Intimidating  Rage,  Power  Attack

 ほかの職業と比べてもさほど難しいことはない。ただし、Rage系のfeatが2つ含まれているため、どうしてもRage能力、つまりバーバリアンレベルを得なくてはならない。

効率よく、かつ強力なバーサーカーになるためにはバーバリアンとして冒険を始め、最低2レベルまで修得するべきだろう。 バーバリアンとして2レベルまで過ごす理由は3つ。1レベルで12+ConボーナスのHPを受け取れること、移動力の増加(+10ft)、そしてuncanny  dodgeの存在である。一つめは、まあ説明の必要はないだろう。それより2つめ---移動力の強化こそが重要である。Frenzy効果が切れる前に、つまり「殴れる間に殴れるだけ殴る」ためには高い移動力が欠かせない。Frenzy化したバーサーカーにとってもっとも恐ろしいのは遠巻きに矢や呪文を撃ち続けられることだが、Run + Chargeの距離が計20ft増加すれば、その危険からの脱出も容易になる。また、3つめのuncanny dodgeは奇襲によるスニークダメージを無効化できる。いくら体力があるバーサーカーといえど、Frenzyなどで毎ラウンド2ないし3ダメージを受けるのが確定している以上、よけいなダメージは受けたくない(そして5lvまでバーバリアンを成長させ、次の段階のuncanny dodge(フランキング無効)を得るのもよい選択だとおもう)。

 また、強力なバーサーカーになるためには、少なくとも2lvはファイターを取ることをお薦めする。ファイターは2lvまでに2つのボーナスfeatを得られるから、Improved  InitiativeやGreat  Claveなどの「必須ではないがあった方が明らかによいfeat」を得る手助けになる。また、最短距離でバーサーカーを目指そうと思うなら、human以外の種族だとfeat数が不足するためどうしてもファイターを1lvは取らなければならない。ただ、バーサーカーとして使いたいfeatはけっこう数多く存在しているので、バーバリアンとしてレベルを上げるんならファイターレベルを上げる方がよいのではないだろうか。最短ならバーバリアン2,ファイター4とか。バーバリアンと比べるとHPが平均でレベル毎1ポイント下がるが、MoWで導入された新featで補うこともできるんだし(Dragons Toughnessなど)。

 

 さて、晴れてバーサーカーになった君は、どんな装備を所持すべきだろうか?

 完全にバーサークモードに入った君(ああ、戦闘中はほとんど「入って」るだろうから、「君の生きてる間」って言い換えた方が正しいかもしれないね)は、常にACに-6ものペナルティを受けることになる。-6というと、なんとスプリントメイルやバンディットメイルのアーマーボーナスを無効化するほど大きなペナルティだ。こんな莫大なるペナルティをうち消すために重い鎧を着て移動力を減らすくらいなら、いっそ鎧はチェインシャツ、あるいはより軽いものにしてしまおう。なーに、殴られる前に殴り倒せばいいんだ。いっそ裸で歩け(*1)。

 次いで武器だが、ダメージにこだわる必要はまったくない。強烈なのはSTRボーナスによる追加ダメージであって、武器固有のダメージでは(それがホーリーアヴェンジャーででもない限り)大きな差がつかないからだ。むしろ武器の能力や汎用性で選ぶべきだと思う。そこで筆者はSpiked  chainをオススメしておきたい。Exotic  Weaponなのでfeatを一つ必要とするものの、10ftのreachウェポンで両手持ち(=STRダメージボーナスが1.5倍になる!)、しかも接近戦でも武器持ち替えの必要がないため、半径10ft以内の全ての敵を倒すことすら可能なのだ。

 

 試しにシミュレートしてみよう。STR18のBar4/Fig2/Frenzied Berserker1(spiked  chain, Great Claveアリ)(*2)が周囲を無数のゴブリンに取り囲まれたとする。

バーサーカーは手番の最初にfrenzyとrageを同時発動(フリーアクション)して手近のゴブリンを殴る。

その初撃は

クラス +7, STRボーナス +9(STR18+Frenzy(+6)+Rage(+4)=28なので)   命判計 +16

STRボーナス +9 × 1.5(両手持ちだから)                                 ダメージ 2d4+13

となる。普通のゴブリンのACが13程度であることを考えれば、1の目以外は全て命中ダメージも最低15点だから、ゴブリンはおろかホブゴブリンすら一撃で絶命せしめるだろう(*3)。

そして、倒した直後にGreat Clave能力で隣のゴブリンを殴りつけ・・・・という行為を繰り返せば、一方的に周囲10ft(5ftマスでいえば計12マス)内のゴブリンが肉塊に変わる計算になる。仮に途中で1の目を出してしまったとしても、彼にはFrenzyの特殊効果である追加攻撃(命判・ダメージ同じ)が残されている。そして(恐ろしいことに)彼は未だpartial  actionを済ましたに過ぎない。つまり、この「死の旋風」とも呼べる攻撃に加えて、移動などの行動を取ることが可能なのだ。すなわち、次なる犠牲者を求めて走り回ることが可能なのである。

そして、もし彼が、さらにSupreme Cleveを持っているなら、その犠牲者は更に5匹増加することもつけくわえておこう。半径10ftを一掃した後、5ft前進することで、更に周囲5マスのクリーチャーが標的となるからだ。また、相手のACが17までであればpower attackを使ってダメージを上げ、より大型のクリーチャーの群れでもClave葬する事が可能である(この事実は、一つの驚異的な事実を示唆するものである。そう、スニークス・ドッグス・キャンドルズの名称の元となった「召喚わんちゃん101匹大行進」作戦さえも、バーサーカーには通じないのだ!)。

 

ちなみにサブ武器はDEXが高ければジャベリンなどの手投げ武器、低ければウォーハンマーなどのbludgeoning weaponをオススメしておこう(まあ、運べる重量が少ないはずはないから両方持っていても何も問題はないのだけれど)。前者は高いSTRボーナスをダメージに活かせる点で優れているし、後者は一部のpiecing weaponが効かない相手に有効だ。特にジャベリンは2lbしか重さがない(これはスローイングアックスの半分、ダガーと同値でしかない)ので、STRに秀でた君なら5本や10本は問題なく持てるだろう。頻繁に用いるようならQuick  Draw featを修得しておけば、君は投げ槍速射砲として戦場に君臨できるというわけだ。もっとも手投げ武器ではClaveが活用できないので、あくまで非常用ではあるのだが。

 

 そしてもう一つ、バーサーカーレベルが5になる前にウィザードかソーサラーレベルを修得する事をお薦めする。理由は一つ。強化版power attackをより強力にするTrue Strikeを使うためだ。True  strike + Frenzy+ Improved (or supreme) Power  attack のコンボは大型クリーチャーさえ恐怖におののくだろう。また、防御が滞りがちなバーサーカーにとってはShieldなどの防御呪文や、相手の注意を引きつけるSummon  Monsterなどの呪文もうれしい。

 

 

 

 さあ、そろそろまとめに移ろうか。

 

1.バーバリアンレベルは必須(できれば1レベル目で修得)

2.ファイターレベルを上げて、featをたくさん取ろう

必須Cleave,  Destructive Rage,  Intimidating Rage, Power Attack, Great Clave, Exotic Weapon

できれば欲しいImproved  Initiative、Weapon Focus (ファイター4lv以上なら:weapon masteryのため)、Toughness系feat(MoW所載のもののみ

余裕があればIron  Will,  Quick Draw,  Combat  reflexes(DEXが高いなら)

3.魔道呪文(てゆうかTrue  Strike)使用能力を得よう

 

 

 

 

 

今回の結論。

 Frenzied Berserkerは前衛系最後の希望の星である。

 いいから暴れとけ!

 

 

 

 

 

 

*1:2ndならホントに裸で歩いてもあんまり問題ない(=ACは最低10だったから)んだけど、3rdになってから最低ACがなくなったからなぁ。ベストは矢の攻撃がかわしやすいディスプレッサー系のローブとかなんだろうけど、まあ、軽けりゃなんでもイイや、ってことで。

*2:ここでは話を簡単にするためにバーバリアンを4lvにしてますが、Bar2/Fgt4/Barseker1とするとfeatをより多く(ファイターとして3つ、レベルで3つ、humanならさらに1つ)とれるため、さらに命判+1(weapon  focus),ダメージ+2(weapon  mastery)とする事も可能です。どうせSTRも18より高くなってる(ハーフオークだとより強烈ですな)んだろうし、これで魔法武器なんか持った日にゃ・・・。

*3:できれば相手のACを見切った(RAINBOW用語でいう“バレキン“)上でpower attackしてダメージをあげたほうが確実に事は運ぶでしょう。てゆうか、3HDくらいまでの敵にはこの手段が使えるでしょう。雑兵がFgt2lv(HP最大20,ACは普通チェインとシールドで15)ということを考えると・・・・。