by 石川
●概要
前回、モンスターに占領されていた砦で大量の宝を手に入れたPC達一行は、マスターの気まぐれが続いている間に(笑)いらないものを売りさばき、必要な装備を調えることにした。今回購入した主なアイテムは術者用に数本のスクロールのほか、キュアライトウーンズワンド、レイズデッドスクロール、ブーツオブエルブンカインド、クロークオブエルブンカインド、ヘルムオブコンプリヘンドランゲージアンドリードマジックなど、いずれも値段の割に性能の高いアイテムばかり。のちにマスターに鼻血を吹かせることになるアイテム揃いであった。
また、各々レベルアップにより明らかにパワーアップしている。特に新しいfeat(*1)を手に入れたパラディン アレイとスクロールの大量購入で大幅に使用可能呪文を増やしたウィザード エレーネ、そして他の全てのプレイヤーに30分にわたる説教をうけ、ようやくキャラクター設計をやり直した(笑)バード レインの3人は大幅な強化を果たした(*2)。
●冒険
前回の冒険から数週間が経ったころ、アレイは教会本部に召喚される。
南の通商路から枝分れする巡礼路で、修道僧や巡礼者ばかりが失踪するという奇妙な事件が起こっている。同道していた商人や護衛の兵士達はほとんどが殺されており、そうでないものは修道僧同様行方不明になっている。誘拐された可能性が高いと思われるが、身代金の要求があるわけでもなく、何のためにさらわれているのかもわからない。そこでハイエロニアス教会は名うてのパラディンであるローゼンマイヤー卿を派遣したが、彼もまた消息を絶ってしまった。
そこでアレイは事件現場の近傍に位置する宿場町マサーダへ向かい、事件の真相究明とローゼンマイヤー卿の消息調査を行うことになった。
アレイ:「というわけで手伝ってくれ。つーか手伝ってくれないと、たぶん俺死んじゃうし。」
そう、アレイは前々回、レベルダウンなしに蘇生してもらったの代償として教会への絶対服従を呪文によって強制されているのである。神の意志に背くと本当に命を失ってしまうため、正義を護ろうとする彼の意志は硬い(笑)。
エレーネ:「ところでローゼンマイヤー卿って誰?」
アレイ:「さあ?貴族だって話しか聞いてない。任務中に行方不明になったとか...。」
スタイン:「まったく、ハイエロニアスのパラディンてろくな奴がいねーな(笑)。」
アレイ:「ほっとけ。南の方だっていうから、『クマ』(*3)のところによって情報集めてから行こう。」
そういう仕事は街でやってくれんかなぁ...とのDMの思惑をよそに、一行は通商路を南へ下る。街から半日ほど歩いたところにはいつもの『クマ』の酒場が。しかし、なにやら様子がおかしい。いつもなら『クマ』一人で切り盛りしているところが、今日は50がらみのおばちゃん2人で営業をしている。
エディン:「アレ?クマは?」
おばちゃん(DM):「ああ、南の方で仕事ができた、ってんで2週間前くらいに出かけちゃったよ。そういうときは、あたしらよくこうやってここの切り盛り頼まれてんのよ。」
スタイン:「どこ行くかは聞いてない?」
おばちゃん(DM):「南としか言ってなかったよ。いつも教えてくんないんだよねぇ、あの人。」
アレイ:「空振りか...まあしょうがない。マサーダに直接行けばなんかわかるだろ」
マサーダに到着した一行は、教会に指示されたとおり修道院へ向かう。町はずれに建つ修道院は、しかし修道院とは思えぬほど厳重な警備に護られていた。
アレイ:「...なんでこの修道院、廻りにバリケードがありますか?」
エディン:「うわ、礼拝堂に傭兵がぎっちり。このへんの傭兵、信心深いんだなあ。」
スタイン:「違う!」
修道院長(DM):どうもここの修道院長は尼僧のようだ。70代のおばあさんとおぼしきシスターが出てきた。「おお、お待ちしておりました。」
アレイ:「教会本部から派遣されて参りましたアレイです。こちらは友人達、いずれも信頼の置けるものですのでご安心を。で、早速ですがローゼンマイヤー卿が行方不明になったと...」
修道院長(DM):「はい、ローゼンマイヤー卿にはここ一月ぐらいの間に多発している失踪事件の調査をお願いしていたのですが...」
詳しい話を聞くも、誰が、何のために礼拝者達を誘拐しているのかは結局わからないまま。ローゼンマイヤー卿は今日の危機を予測していたのか、私費を投じて傭兵を雇い、修道院の護りを固めさせて南通商路へ向かった、という。
エレーネ:「さらわれてるのが修道僧ばっかり、ってのが気になるわね」
スタイン:「...ローゼンマイヤー卿はパラディンなんでしょ?じゃあ僧服着てたんだよね?それで一緒にさらわれたんかなあ」
レイン:「だったら僕らも巡礼者に変装して通商路をうろうろしたらいいんじゃない?」
アレイ:「そうだな。修道院長に何着か僧服を貸していただこう。あ、ところで『クマ』っておっさんがこちらにおじゃましていませんか?」
修道院長(DM):「は?ローゼンマイヤー卿のことですか?私個人としてはあのようなご立派なかたをそのようなあだ名で呼ぶのはどうかと存じますが....」
アレイ:「は?....あのおっさん貴族だったんかい!」
レイン:「げ!じゃあクマがさらわれた、ってこと!?あんなのをさらえる奴が相手なの?(*4)やばい!」
とはいえ他にいい方法も思いうかばず、結局変装作戦を実行することになった。
ただし、前回の収入で多くの装備を調えたスタインは極端に敵に発見されにくくなっていた(*5)ため、一行からやや先行して敵襲などに備える事にした。
さて、通商路を下って2日目のこと。先行していたスタインが、通商路の様子をうかがうホブゴブリンの斥候を発見した。ホブゴブリンもほぼ同時に一行に気がついたらしく、西の方へ走り去ろうとする。
スタイン:「俺、気付かれてないよね。じゃあスニークアローショット!」
DM:「命中。ダメージは?....っておい、なんだよそのダイスの数は。」
スタイン:「だって俺、スニーク+2d6だもん。えーと11ダメージ。」
DM:「.....即死だっつーの。釈然としねー。」
エレーネ:「あら、死んじゃった?ホントは捕まえて本隊まで案内させたかったんだけど...」
スタイン:「まあ、やつが走っていこうとしてた方向に向かってみよう。徒歩で見張りさせてるんだからそう遠くにはいないだろ」
そして予想通り、一行はホブゴブリンの仮設テント2張りを発見した。夜行性のホブゴブリン(*6)は眠っているらしく、入口に2人の見張りが立っているのみである。
スタイン:「(当然のように)じゃあ草むらに隠れて後ろから・・・・・・」
DM:「・・・・・・・・」
マジックアイテムによる+10はやっぱりひどいと思う。いやホントに。
スタインは2人の見張りを倒したついでとばかりにテントの中に潜り込み、眠り込んでいるホブゴブリン達をなんと11人も葬り去った。全てのホブゴブリンがHearチェックを行ったものの・・・。
スタイン:「Move silentlyチェック。ホブゴブのHearと対抗ロールだよね。(コロコロ)えーと41。」
DM:「は?・・・・・・・成功するわけねー!納得いかねー!!」
当然のように一度も成功せず、眠ったまま冥府へと旅だったのであった。そしてただ一人生き残ったリーダー(らしい)ホブゴブリンを取り押さえ、本拠地へ案内させる一行。途中、アレイの油断からホブゴブリンに逃げられたり、沼でグールの麻痺攻撃をうけ全滅しかかったり、といくつかのミスを犯したものの、森の中で前回の冒険で知り合ったノール(*7)のドルイド グラスクと出会い、情報交換することで、ついに連れ去られた人々が森のなかに大きく残る不毛にして不浄の地----呪われし森の傷、The Scarの際に残る、かつてのドルイド達の神殿に捕らわれていることを突き止めた。
エレーネ:「そのScarってのは?」
グラスク(DM):「汝らの立つ母なる森、すなわち母なるアリス自らが己が体になされた傷。それがScarだ。森に大きく口を開けたままである故、Scarと呼ばれている。」
レイン:「そういえば聞いたことがある(*8)。百年以上前、森の一部分が急に地面の下に沈んで大きな谷になったって。で、その周りはアンデッドのほか、見たこともないような生き物がうろうろする沼地になったとか・・・・。何でそんなことになっちゃったの?」
グラスク(DM):「・・・・・・それを語ることは我々には許されてはおらぬ。許してくれ。」
様々な謎を残しながらも旧神殿へ潜入し、次々と襲いかかるホブゴブリン達をなで切りにするPC達。3倍以上のホブゴブリンを相手に、もてる呪文と特殊能力を駆使し(*9)、ついに捕らわれていた巡礼者達、そしてクマことローゼンマイヤー卿を解放することに成功した。
クマ(DM):クマはずいぶんと拷問を受けたらしく、ほとんど裸同然のかっこうで、ずいぶん消衰している。「俺のことはいい。それよりはやく南西の現場へ・・・・」
アレイ:「現場?現場って何のこと?」
クマ(DM):「奴ら・・・・ホブゴブリン達はこの神殿に隠された『扉』を探してるんだ。この神殿は百三十年ほど前にScarができたとき、大半が崩壊して、地中に埋まっていた。奴らは人手を狩り集めて埋まってた神殿を掘り返し、そして『扉』はもう見つかっている。でも、善神に仕えるものにしか開けることのできない封印が施されているから、奴らには開けられなかった・・・・」
エレーネ:「それでハイエロニアスの巡礼者をたくさん集めてたのか!」
クマ(DM):「俺も開けるように強要されたんだが、無視してたらこのざまだ。」
エディン:「で、その扉ってなんなんだ?」
クマ(DM):「神の・・・・・そう、神の卵が隠されている。そしてこいつには、俺達ハイエロニアスのパラディンが深く関わり合っているんだ。だから、俺達は命に替えても『卵』を護らなきゃいけない。さあ、急ごう。ホブゴブリンより何倍もヤバイ奴がここの指揮を執ってる。そいつがでてくる前に『卵』もってとんずらするぞ!」
クマの案内で発掘現場へ向かった一行。かつては壮麗な神殿であったろう各々の部屋は一様に泥だらけになっていたが、そこに降り積もっていたであろう土砂や瓦礫は、不要と見なされたらしい脇道や隣室に捨てられている。そうした部屋の最奥部に、その扉があった。アリス神の神殿であるはずのその扉に、ハイエロニアス神の聖印である『雷を握る手』が刻印されているのが奇妙と言えた。『クマ』は扉に刻み込まれた『手』に手を触れると静かに目をつぶり、ごく小さく祈りの言葉をつぶやく(*10)。すると刻印が、ついで扉全体が淡く白い光に包まれ、ゆっくりと開いていく。扉の向こうの飾り気のない小部屋には、中央に小さな台座が見えた。
DM:「台座の上には15cm立方ほどの木製の箱が置いてある。日本の茶碗を入れる箱に近いかな」
アレイ:「手に取ってみよう。開く?」
DM:「あっさり。中には野球ボールくらいの大きさの、卵形の宝玉が入っている。宝玉は水晶のように透明な輝きを放っているが、宝玉の中で透明なものが渦巻くように揺らめいているのが見える。時折ピントがあったように像を結ぶ揺らめきは、翼を持つ女性の様にも見える」
DM:クマが感に堪えかねたように「これが『神の卵』か・・・・・・。」とつぶやく。そのつぶやきがみんなの耳に届いたのとほぼ同時のこと。今箱を持ってるのはアレイだよね」
アレイ:「う゛・・・・・・はい、そうです・・・・」
DM:「じゃあアレイはspotをDC27で。」
アレイ:「成功するわけねー!」
DM:「(そりゃそうだ)ならアレイの足下の影の中から、黒い衣に身を包んだ腕がにゅっ、と突き出し(*11)、アレイの掴んでる箱をがしっと掴んだ!アレイとSTRのopposed勝負だな。」
アレイ:「うわ!負けらんねー!(コロコロ)・・・・よっしゃ、19!」
DM:「う・・・・・・じゃあ何とか箱を奪われずには済んだ。じゃあ次のラウンドってことで。」
全員イニシアチブロール。何名かが黒衣の敵より早く行動できたものの、敵はアレイの陰に隠れて状況がはっきりしていないため、移動だけで終わってしまう。そして、敵と唯一対峙するアレイは(よりによって)敵よりイニシアチブが遅くなってしまっていた!
DM:「てことはflat-footedだね(にやり)。相手の攻撃・・・・・・命中。(ゴロゴロ)」
アレイ:「ちょっと待て!なんだその多量のダイスが転がる音は!」
DM:「いや、間違って振っただけだから気にしないで(笑)。ところで18ダメージです(*12)。」
アレイ:「きたーねー!死ぬ死ぬ死ぬ!」
DM:「そんで意味はないけどDC17のFort ST(*13)振ってみ。いや、ホントに意味はないですよ?(笑)」
アレイ:「うそつけ!・・・・・・よし、成功!(*14)」
DM:「(ちっ)そんじゃもう一回STR勝負ね・・・・・・くそ、また負けか。」
アレイ:「あーぶねー」
DM:「あ、まだあぶないの終わってないよ。アレイの後ろに立ってる人・・・・・・あ、全員か。じゃあいつの間にかアレイの後ろに黒い人影が立ってるのに気付く。影のようにおぼろな姿のそいつはアレイに襲いかかる、というよりすうっと手を伸ばす感じで背中に触る・・・・・・命中。3ダメージ。」
アレイ:「なんだ。たいしたこと・・・」
DM:「あ、STRにだよ(*15)」
アレイ:「・・・・あった。きたーねー!つーかホントにヤバいって!」
エディン:「僕、その相手見えてる?じゃ<ランダムアクション>を!」
DM:「へっ、ドロウエルフのWill STをなめるなよ(コロコロ)・・・・・・って1かい!(*16)」
エディン:「オッケイ!効果決めます!」
DM:「うおー!“2”でろ、“2”(*17)!!」
エディン:「(コロコロ)・・・“1”。“自分に攻撃”だ!」
DM:「・・・・・・あのー。この人毒付きのダガー持ってるんですが。Fortチェック・・・・・(コロコロ)・・・・なんで2回連続で1がでますか?やってらんねー!」
アレイ:「え?ドロウの人ぶっ倒れたの?・・・・・・じゃあ振り返って影っぽい人斬っとく?(コロコロ)・・・・・AC21まで。」
DM:「(投げやりに)あたりあたり。」
アレイ:「ダメージ12点」
DM:(無言でフィギュアを取り除く)
このキャンペーン中最大の脅威であったはずのドロウ=シャドウダンサーとシャドウのコンビをわずか1Rで葬り去った一行は、クマの『もっとヤバイ奴がここの指揮官だ。奴がでてくる前に逃げよう』という言葉に全力をもって神殿をあとにするのだった(*18)。
さて、森に逃げ込んだ巡礼者達を森の生き物たちの助けを得て街に返したPCは、グラスクの待つThorn
circle(*19)へと『卵』 を持ち帰った。そしてついに、『卵』に隠された歴史と秘密を知ることになる。グラスクは『卵』を前にしばらく逡巡した後、PC達に『卵』に秘められた秘密と、そしてScarとの関連を語りはじめるのだった。
グラスク(DM):「今から130年ほど前・・・・・・北の森に住み着いた緑竜を、人間達との協力で封じたときのことだ。その戦いは熾烈を極めたが、何とか勝利できた。その後、アリス神は自らの力が尽きたときのことを考え、自分の子を残そうと2つの『卵』を産み落とされ信者達の手にゆだねられた。『卵』は森の中にいくつかある『力の井戸』と呼ばれる力場に建てられた、アリス様を祀る神殿に納められ、森の力を受けながら孵化の日を待っていた。
「しかし、『卵』のことを嗅ぎ付けた暗黒神の信者達によって、我らの神殿は襲撃され、『卵』は2つとも奪われてしまった。奴らは強大な力を持つ『卵』に呪いを込め、アリスの力を受け継いだ、自分たちの神の眷属を作り出そうと目論んでいたのだ。
「我々森の民は『卵』奪還のため、再び人間達に助けを求めた。ハイエロニアスのパラディンをはじめとする幾人かの冒険者達が求めに応じ助成してくれた結果、1つの『卵』は呪われたものの、もう1つの卵は無事なまま奪還することに成功した。そこで森の民は呪われた『卵』を神殿の奥深く、僧侶の助けを受けて封印し、一方無事であった卵を孵化させるべく、孵化の儀式を続けた。
「数年の時が過ぎ、ついに卵が孵化する日が訪れた。大いなる喜びの日となるはずだったその日は、しかし我らアリス神の信者にとって、呪わしい日となった。卵より生まれ出でたのはアリス神の意志を受け継ぎその力----生命を生みはぐくむ神ではなく、暗黒神の呪いを受け、生命を呪い、汚し、腐敗と混沌をもたらす神セレーネだったのだ。孵化を待っていた信者達は何が起こったのかわからぬまま、降り注ぐ土砂とセレーネの暗黒の力によって死んだ。神殿を崩壊させ、半ばを地の底に沈めたセレーネは、神殿の外に踊り出し、自らの母の体----森にあふれる生命をむさぼった。セレーネの手に触れたところはたちどころに生命力を奪われ、生命の宿らぬ腐敗した沼地へと変わっていった。
「その邪悪の力に気がついたアリス神は、自らの体を切り裂いて、セレーネをその周囲の森ごと地下深くへと送り込んだ。その大きな傷は、今も回復することなくThe
scarとして残されている。そしてセレーネが沈んでいったあとも、周辺には汚れた力があふれ、多くのアンデッドがあたりを支配するようになった。さらにはScarの中心からは地上には存在し得ぬ奇怪な生物が這い上がり、辺りを徘徊するようになったのだ。」
クマ(DM):「そしてこの事件には、我々ハイエロニアスの同胞----『卵』奪還に協力したパラディン モハブが大きく関わっている。高潔にして慈悲深き騎士と呼ばれたモハブは、『卵』奪還ののち、呪われし『卵』とそうでない『卵』を入れ替えたのだ。すなわち、封印された『卵』こそが汚されていない卵であり、信者達は呪われた方の『卵』を孵化させてしまったのだ。モハブがいつ暗黒神の力に魅せられたのか、あるいはいつその力に操られたのかは定かではない。いずれにせよこの事実は我らが同胞の中でもごく限られた者たちにしか知らされてはいない。事実、教会に伝わる伝説では、モハブは緑竜退治の後、いずれかへと旅立ち帰ってこなかったことになっている。なればこそ、我らハイエロニアスに仕えるパラディンはアリスへの『借り』を返さねばならぬ。そう、たとえ命に替えても・・・・・。」
一行は、暗黒と混沌に傾きつつある世界の平衡を取り戻すため、すなわち清浄な『卵』を孵化させるために、『卵』を『力の井戸』に運ばなければならない。果たして一行は、無事『井戸』までたどり着くことができるのだろうか?
――――以下次号
<文中*>
1.各種サプリメント所載のfeatが導入されるにつれ、PCは格段に強力になった。中でもDefender
of the Faith のパラディン用featはしゃれにならないくらい強力。カリスマが高いアレイは4R間、攻撃とダメージに+4ボーナスを得るディバインマイトfeatを学び、鬼神のように強くなった。つーかファイター悲惨。
2.能力値入れ替えアリ、feat・スキル取り直ししほうだいのテストプレイ用ルールでプレイしていたにもかかわらず、バードなのにSTRが高くてINTが低い(=スキルがとれない)というキャラクターを作り、しかもバードにとって非常に重要なPerform技能を最大まで上げていないなどの不備が多数発見され、他のプレイヤーにものすごく怒られていた。最後には見本キャラクターが作られ渡される始末。
3.NPCの元パラディン。高レベルの上相当な実力を持つ(なんとホーリーアベンジャーを所持)も、今は引退して街道の酒場の主。と見せかけて、実はハイエロニアス教会のエージェントだったりする謎の男。
4.ホーリーアベンジャーは剣として強力なだけでなく、周辺に対魔法フィールドを発生させ、さらにdispel magicを複数回使用する能力を所持するパラディンに与えます。しかも異常な回復力を有する高レベルパラディンが相手となると、ドラゴンを相手にするくらいのつもりでかかる必要があるでしょう。ただし、正義を愛するパラディンはドラゴンと違って人質などに極端に弱かったのでした・・・。
5.ブーツオブエルブンカインドはMove Silentlyに+10、クロークオブエルブンカインドはHideに+10のボーナスを与えます。つーか+10ってナニ?1d20を追加するゲームで+10って、%ロールのルーンクエストなら+50%のアイテムってことじゃん。それが1つ2000gp。ちなみに2000gpでは+1の剣すら買えません。防具ならぎりぎり+1までかな?納得いかねー。
6.実はホントに夜行性かどうかよくわからない。Dark vision持ってるから夜行性かな、とか思うんだけど。昔(AD&D2nd)はモンスターマニュアルにちゃんと活動時間帯とか食性とかも書いてあったんだけどね。
7.ハイエナ頭の獣人。アリスの森の神官は、非人間ヒューマノイドが多く、ほかにもホブゴブリンやコボルド、オークのドルイドなどがいたが、前回の話で多くが死んでしまった。彼は数少ない生き残ったドルイドの一人。
8.バードの特殊能力の一つバード知識。便利過ぎるため、けっこうDM泣かせ。「どの程度わかるか」の扱いが難しい。
9.この時点で使用可能な呪文の約2/3を使い切っていた。にもかかわらず死者が出ていないのは明らかにキュアライトウーンズワンドのおかげ。つうかキュア50回使用可能で750gpは安すぎないか?剣や鎧にしたら+1も買えんぞ(しつこい)。ファイター無惨。
10.Defender of the Faithで追加された新能力『チャネリング』。グッド神の神官がターンアンデッド能力をを一回分使用することで神聖な力で扉を封じたり、開けたりすることができる。
11.今回の「ボス敵」、シャドウダンサーの特殊能力の一つ。影と影の間を自由に行き来する。ま、テレポートの一種とでも思ってください。しかも影のあるところに隠れながら(これもシャドウダンサーの能力)、エルブンカインドブーツで接敵という極悪ぶり。
12.シャドウダンサーになる前に5レベルのシーフだった、という設定なので、スニークアタック+3d6が付いてます。HPに乏しいエレーネあたりが箱を拾ってくれたら即死でしたな。ははは。
13.そして彼女はドロウエルフなので、Fort ST(=体の頑丈さ)に失敗すると即気絶という毒を持っています。
14.パラディンはCHRボーナスをSTに追加できるため、他のクラスに比べて非常に強力です。たとえばアレイはFort ST値が8(!)。きたーねー。
15.シャドウダンサーの鬼能力の一つ、シャドウの召喚。恐ろしいことにこうして召喚されたシャドウはターンアンデッドを受けない。しかもダメージはSTRに1d6で、+1以上の魔法武器でしか傷つかない。ひでえ。
16.ドロウエルフは精神に影響をもたらす呪文に対し、STに+2のボーナスを得ます。が、チェック時の1は自動失敗。やってらんねー。
17.<ランダムアクション>呪文は対象に本当にランダムな行動を強いる呪文なので、「当たりはずれ」があります。ここで2がでれば“最も近くの敵に斬りつける”だったんだけどなー。“8”の「術者に攻撃」も捨てがたいんだけど。
18.無論立ち去る前にシャドウダンサーの持っていたマジックアイテムを奪い去るのを忘れていない。でもクマの持ってたホーリーアベンジャーは・・・・・。
19.前回のお話にでてきたドルイドの集会場。茨の生け垣に囲まれたストーンサークル。