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週刊タイマツ 3号
第3号
2006/04/19
記者:トゥースポル
編集長:ノーザラー・ウィットーゲン
週刊タイマツ新聞社(平和橋横、剣塚館三階)
さて、明らかに月刊ペースの「週刊タイマツ」ですが……。
いやいや、あくまでも“トーチ・ポートでは週刊で出ているらしい”ということで、ご容赦を。
今回はオフィシャル・ワールドセッティングとの絡みを検証して行きたいと思います。
これで、WGやFRに導入するのがラクになる! ……ハズです。
15年前の戦争……
トーチ・ポートでは15年前に戦争が終結したことになっています。
この“戦争”が、どの戦争なの
か?
……というのが、実際にキャンペーンをWG/FRに落とし込むにあたって重要になってくると思います。
もちろん、大筋から遠く外れた些細な戦争……ということにしておけば無理なく動くわけですが、それではダイナミズムが味わえない! ので、思い切って大
きな戦争の流れの中にぶちこみます。
やはり戦争と言うのは世界に大きな影響を与えますから、この戦争を軸にしてWG/FRとトーチ・ポートの関連性を考えてみようかと。
大筋はサプリメント(みがる=まとと5ページ)に有る通り、川を挟んで二大勢力の激しい戦闘があった、というものです。
この戦争で勝利したのは東町、現コンラート伯爵側です。
不平等条約を西町に押し付け、東町は繁栄して来た……というのが主な流れです。
■グレイホー
ク(WG)
グレイホークで有名な戦争と言えば……
もう、なんといってもグレイホーク戦争しかないでしょう!
WGはダイナミックな動きを楽しめるワールドでもあるので、それはもう大きなところからコツコツと(謎)決めました。
とゆーわけで、WGトーチ・ポートの“現在”はめでたくCY599に(※注)。
“現在”とゆーのは、トーチ・ポートで『ゾンビは二度死ぬ』の事件が起きた時としておきます。
トーチの未来を担う冒険者が入札の審判として選ばれた、その時ですね。
他の国との関係を考えて見ますと、浮かび上がってくるのはアーンスト伯国との関係です。”強いニロンド”がアーンストを占領していた頃の貴族の生き残り
がコンラート家です。昔からの力有る貴族の末裔。生まれながらにして支配者ってやつですね。それと対照的に、戦争でボロボロになったニロンド内でのし上
がって来たのがゴードン家。こちらはもう、下克上を繰り返して叩き上げてきた武人の一家。戦いは数だよ兄貴と言わんばかりにファイターを集めてこの地域に
やって来たわけです。それが衝突したのがグレイホーク戦争のドサクサ、CY582頃の話でした。
この戦争はニロンドに大打撃を与えました。国内はメチャクチャ、死傷者数は七万と言われてますから、そりゃあもう凄い戦闘だったのでしょう。レッド・リ
バーを挟んで対立していたコンラート、ゴードン両家も、戦闘を維持することができなくなってなし崩し的に講和したと思われます。もちろん一番の決め手に
なったのはCY584の“グレイホーク条約”でしょう。戦闘が完全に終結したのはCY584の冬です。その際、聖職者階級や秘術使いが多数参戦していたコ
ンラートの方が余力を残しており、それが東町に有利な講和条約を結ばせる決め手となりました。
割と大きな港町なのに人口が少ないのも、戦争の爪痕ということで解釈できます。
(ニロンドからは大量に難民が西へと逃げて行きましたから)
※注
CY591ごろのグレイホークにトーチ・ポートを置く場合、戦争を“7年
前に終結”に変えて下さい。
■フォーゴトン・レルム(FR)
……と、なると、ちょうど「フォーゴトン・レルム・ワールドガイド」の設定された1372DRから遡ること14年前に起きた、いわゆるアバター戦争(災厄の時、別名“神々の大戦”“化身の危機”)と絡めてみると面白いかも知れませんね。
件の「15年前の戦争」とは、この“アバター戦争(災厄の時)”を引き金とした、蒸気湖北岸の独立都市国家同士の戦争ということになります。
その頃の両町の状態は以下の通りです。
◆ゲルトブルグ(現「西町」)
カリムシャンの系譜に連なる、血気盛んで権力欲に取り憑かれたゴードン家が支配する。
男爵は“ジンの血を引く”と噂されている。
隙あらば東町を乗っ取ろうとしている。
◆ヒルガドルフ(現「東町」)
ラサンダーを崇め、伝統と歴史を重んじるコンラート家が治めている。
野蛮で強欲な西町を啓発し、導くのが使命と考えている。
対話路線が基調。
……と、まあ、もともと利害関係のみでかろうじて均衡を保つような、緊張関係にあった両都市ですから。
ちょっとしたことでバランスが崩れると一気に衝突するのです。
そのきっかけになったのが“アバター戦争(災厄の時)”でした。
多数の聖職者、パラディン部隊を持っていたヒルガドルフは、その信仰の力でゲルトブルグを押さえつけていました。
まあ、抑圧されているというのはあくまでもゲルトブルグの言い分で、ヒルガドルフの人々は無邪気に善意を押し売りしていたわけですが(笑)
ところが、“アバター戦争(災厄の時)”のおかげで信仰の力が消失したのです。
こんな好機をゴードン(前男爵ヴォルグガング)が逃すはずがありません。
ゲルトブルグからの一方的な宣戦布告という形で戦争の口火は切られました。
……そして、その後は皆さんご存知の通り信仰の力が復活するわけで(笑)
精気を取り戻した“おパラディン様”部隊の大活躍もあり、戦争はヒルガドルフの勝利で終結します。
しかし、制圧や支配を望まないコンラートは、ラサンダーの教えである「友愛」と「融和」そして「復興」の精神に法り、ゲルトブルグを悪徳と貧困から救お
うと努力を始めるわけです。そのためにはある程度の不自由を感じる条約も仕方ない、とヒルガドルフは考えています。
当然、彼らにとっては全て善意、まさに神の導きなのですが……
……ゲルトブルグにとっては大きなお世話なわけで(笑)
この辺りのジレンマがFRトーチ・ポートの醍醐味となるでしょう。
ラサンダー信仰なども絡め、上手くワールドに組み込んでやって下さいまし。
■ファーガン
ド(FGD)
ファーガンドの“現在”はFGD1338です(キャンペーンは1339まで進んでいますが……)。
よって、戦争が終結したのはFGD1323ということになりますね。
ファーガンド設定では、この地方は傀儡王権の下、貴族同士が小競り合いをしている地域です。
“火薬庫”の意味でブレンヴァーと呼ばれています。
もはや実権の無いファーケル王家、フェニックス帝国の援助を得て頭角を表して来たゴードン家、ライルマーと同盟を結んだコンラート家。
様々な勢力の思惑が渦巻く地域。
ディリーン地方を巡るフェニックス帝国とマイディラン連合の戦争(ガルガス戦争)が激しくなったのがFGD1320ごろ。ライルマーが中立の立場を取っ
たため、フェニックスは南下作戦を開始(これが原因で、後にライルマーは激しく非難されることに)。
それに併せてゴードンは破竹の快進撃を続けますが、日和見をすると思われていたグレアムが突如進軍を開始、コンラート側に付きます。戦況は互角となり、
フェニックスがマイディランと停戦(エーチェフ平和条約)したため、ゴードンは敢え無くギブアップ。それが1323FGDのことです。今でもゴードンは、
コンラート以上にグレアムを憎んでいると言います。
……と、まあ、手当たり次第に書き散らしてしまいましたが(笑)
「グレアムがコンラートに手を貸したため、ゴードンは負けた」
というのを分かって貰えれば良いです(笑)
ファーガンド大陸の覇権を争う大国(※)同士の、政争の道
具にされたという見方もできます。
いわゆる代理戦争というヤツですね。
ファーガンドについて
ファーガンドについてはイチイチ書いていると長くなりそうなので、プレイリポート(またはリプレイ)、小説などでガツっとやっちゃった方が良いとは思う
のですが……。機会を見て色々補充して行きます。神々についてもリクエストが有りましたが、今しばらくお待ち下さいませ。
あ、そういえば、「ファーガンド」と「ヴァルカニア」は別のキャンペーンです。
ワールド的には同じですが、時代が違います。
ヴァルカニアの設定をよーく読んで貰えば分かりますが、《大災厄》が起きる前の世界がファーガンドです。
……いや、古い記事なんで余り見なくても良いですよ?(半泣)
この辺もいつか書き直したいですなー。
そんな”したい”ばっかりでまとまり無く終わります(笑)
あれもしたい! これもしたい! もっとしたいもっともっと死体ー【アンデッド】
そんなエナジードレインドレインな次回の週刊タイマツをお楽しみに!
栄光に向って走るぜ!
※注
叩き上げの戦士達からなる野望の国、フェニックス帝国。
デルソフィの名の下に世界は平和になるべきだと考える、マイディラン連合。
主義主張が正反対であり、真っ向から対立しています。
……ただ、マイディランの主張を突き詰めると、『世界は平和になるべきだから、最も平和な心と知恵を持つ私達が統治すべきだ』という地点に辿り着きます
(笑) そのための戦争は“聖戦だからオッケー!!”と考えてるらしいので、ヤバい国ですねぇ(笑)
記
事:B.M(びいえむ)
設定協力・アドバイス:ふぇるでぃん、D-Box、ジャンニ(敬称
略)