サードの特徴
by B.M
(1)コンピュータゲームに近い感覚
これは良かれ悪しかれサードの全体的な印象です。本来、TRPG(D&D)は架空現実のファンタジー世界を表現するものとして出発しました。騎士が悪い竜から姫君を助け出すドラマ。そんな雰囲気を再現するためのシステムでした(※1)。そのため、ルールには不整合な部分も多かったのですが、バランスよりも雰囲気を重視したのが初期のTRPGだと言えるでしょう。
ところが、現代のゲームであるサードのシステムは非常に合理的で、無駄がありません。コンピュータゲームのように全てが整っています。バランスも細心の注意でとられているようで、一級品のコンピュータRPG相当(もしくはそれ以上)の完成度を持っています。ですからコンピュータゲームからTRPGに入る人にもすんなりと受け入れられるのではないかと思います。また、以前のD&Dシリーズのような独特のルールはほとんど無くなっていますので、TRPGプレイヤーの方が障害無くすんなりと始めることが出来ると思います。
(2)クラス制度
サードは基本的に技能ではなく“クラス”を選択するゲームです。これは、そのままコンピュータゲームの“職業”と同じ意味です。転職は自由で、上級職も用意されているのでいろいろな組み合わせを考える楽しさがあります。
以前のように1つのクラスに“永久就職”ということは無くなったので、ドラクエ6&7、又はウォーハンマーRPGのようにクラスを渡り歩いて特殊能力を集める楽しさがあります。
例えば「ファイターで攻撃技能を取ったあとにソーサラーになって呪文を使えるようにする」、「バーアバリアンとしてパワフルさを身に付けたあとでローグになって素早さを得る」等々。それに加えてプレステージクラス(上級クラス)もありますので、その組み合わせはまさに無限大。サプリメントや雑誌でどんどんプレステージクラスは追加され、楽しさは広がります。
(3)d20システム
サードは行為判定に20面ダイスを使用します。どんな判定もほとんど20面ダイスだけで行えるのでルールを覚える手間がありません。
“D&Dはなんだかわかりにくくてめんどくさい”というイメージを払拭しました。
(4)豊富なサポート
クラスの説明(3)で少し書きましたが、サードのサポートは豊富です。毎月専門のサポート雑誌が出版され、サプリメントも続々と出ています。間違いなく世界で一番資料とサポートの多いゲームでしょう。それはプレイ人口が多い事も示しています(※2)。サードをやれば仲間に不自由するのも少しは解消されるでしょう。
これは私論ですが、さらにいえばコストパフォーマンスも世界最高だと思います【※注: 激 し く 英 語 版 の 話 で す ! !】。非常に安価に本格的なゲームと資料が手に入るので、資料としてだけでも買う価値はあると思います。
我がサークルレインボーでも、サードの質問に答えるのは勿論、サード入門コンベンションやプレゼント企画もやりますのでこの機会にサードを初めてみてどうでしょうか?。
下手をすると、これがTRPGの最後の大きなムーブメントかもしれませんよ?……(ちょっと悲観的ですね(笑))
※1…ミニチュアゲーム(フィギュアを使ったシミュレーションゲーム)のプレイ中に、ドラマ性を持ち込んだのがD&Dの始まりだと言われています。一説には攻城戦をプレイ中に誰かがフィギュアの1つを取って『俺はこの城の地下牢(ダンジョン)に入るぞ!』と言ったのが最初だとか。ま、伝説の1つとして聞き流して下さい。
※2…売上としてはかなりあったみたいです。プレイしているかどうかとは別かもしれませんが。