HFO決起集会
プレイリポート:DM編(前編)
041001
文責:いしかわ
我々RAINBOWでは数々の記事でHFOの悲哀とその脆弱さ、無能さを半ば悲嘆し、半ば罵倒するその一方でこよなく愛してきた。
出来の悪い子ほどかわいいとはよく言ったものだ。
6レベルに到達した時点で人生設計の大半を終えてしまうHFOを、しかし我々は(ときにぼやき、ときに笑いながら)何度もプレイし、無数の《追加hp》 を習得し、数え切れぬキュアライトウーンズワンドを浪費してきたのである。
しかし、これまで我々はパーティの中のHFOの無能さを存分に味わい、また他クラスと引き比べての無能っぷりに落胆し、そして笑いのネタにしてきたにもかかわらず、実際にHFO単体でどれくらい冒険できるかについて検証したことはなかった。すなわち、他クラスとの対比や想定条件下での比較でしかファイターを見てこなかったのである。
この事実はHFOたちにとって非常に不公平であり、また不当なものといわざるを得ないだろう。
彼らは我々の偏見に基づいた差別により、パーティ内での交渉や索敵、解錠、治療といった各種冒険業務を任されることなく、前線での壁役という単純肉体労働への従事を余儀なくされているのかもしれないではないか。もしかしたら、我々の知らぬところで呪文さえ使用しているかもしれない。
平和と自由、そして平等を愛する我々(BM言うところの”業界一シビれる“ほど優しい)RAINBOWは、HFOのこうした扱いが本当に正しいものなのか、そしてHFOの真の能力はいかほどのものであるのかを検討し、検証することを目的とした実験を開始した。
すなわち、HFOだけで冒険を行うとどうなるのか、言い換えるならHFOたちだけでどれくらいヤれるものなのかを検証する機会を、HFO自身に与えることにしたのである。
こうしてHFO 6人の冒険が始まった・・・・・
Behind the DM screen
それはある日のことだった。 石川「25日、13忍者の収録用の会場取れたよー。」 PL1「えー、俺25日だめー」 PL2「俺もダメー」 PL3「じゃ俺もー」 石川「じゃってなんだPL3。 ・・・てことは参加者俺とBMだけですか?とーりょー」 BM「2人じゃねえ・・・・チェスボクシングでもやりますか?」 石川「なら自殺する。 とはいえ部屋代払っちゃったしもったいないな。 ・・・・D20板とかHforumで募集して見る?>プレイヤー そんで単発もののシナリオ一回やるとか。んでリプレイにする。 Dungeonとか使えばそんなに大変じゃないだろうし。」 BM「俺は大丈夫です。DM石川さんですよね? じゃ『全員HFO』とかでどうですか?しかも日本語環境限定で」 石川「えぇー。おれDMなんー? 【無責任一代男】 でもまあ『HFOは本当にダメなのか検証』とかは笑えるかなあ。 ・・・・やるか。【石勇風に】」 BM「それでいきましょう さっそく『レインボー日記』の方には記事書いときます ……やるか。【リキツ風に】」
【数時間後】 BM「なんと早くも参加者が2名・・・ 書いたの昨日の深夜だっつーの 世の中間違っ(言葉を飲み込む )」 石川「えぇー。『参加者ゼロ!しゅーりょー』とかいうおいしい展開を希望していたのにー。世の中間(ry)」 |
我々のH・Forumでも呼びかけに呼応して、わずか24時間ほどで6人の勇者が馳せ参じてくれた。ありえねー(笑)。
お前らそんなにHFO好きかいずれ劣らぬHFO愛を持つ面々に、石川は以下のレギュレーションでのキャラクター作成をお願いした。
・ 32p割り振り・4レベルスタート
・ 所持金は標準4レベルスタート(5400gp)
・ 日本語版に掲載されてるアイテムの購入制限なし
・ 通常アイテムは技能take10で作れる範囲なら作り放題(要するに条件満たせるなら全部格安)
・
シナリオは普通のシナリオ。つまりは鍵とか罠とかリドルとか普通にあり(笑)
他の職業の仕事(鍵あけとか)をHFOで埋めないと大変なことに……
・ hpはチキン(毎レベル5hp)か会場一発振りで。
#このレギュレーションに従って、PLたちがどのように、どんなキャラを作ったかはここを参照
Behind the DM screen
HFO4レベル指定にしたのは、4〜6レベルあたりがファイターが最も輝いてる時期だと判断したから(このレベルを超えれば超えるほど加速度的に終了度が増加していくものと思われる)。 あとアイテムなんでもアリとかアイテム類作るの自由ってのは純粋にファイターへの温情措置として。<製作>抜かしたらファイターに残る技能はなさそうなので。そもそも他の職業の分をアイテムで埋めなくちゃいけないだろうしな。 【この判断が明らかに間違いであることはプレイ時に明らかとなる】
|
さて当日。
集合した一同は自己紹介がてらキャラクターのすり合せをはじめる。
そこには〈Search/捜索〉+10とか〈Listen/聞き耳〉+8、〈Move Silently/忍び足〉+8、〈Spot/視認〉+5、〈Open Lock/解錠〉+9とか〈知識(宗教)〉+9とか相当にありえない技能値が並んでいた。つうかこれ本職並やん。6人中4人が<呪文学> 持ってるし。ありえねー。
石川「・・・・なんですかこのHFOとは思えないキャラどもは。」
北守「いやーだって、これくらい無いと死ぬでしょ?」
SIN「そうそう。特技くらいしか有利なところないから全力でがんばりましたよー。」
石川「・・・・こんなに《技能熟練》たくさん持ってるキャラ見たの生まれてはじめてかも (笑)
アイテムもすごいな。パーティ全体で20本以上キュアライトポーションあるぞ。」
BM「ちょっとした行商人並ですな(笑)。」
でもまあ、事前の掲示板での打ち合わせの甲斐もあってかそれなりに役割分担も出来ているのでそのままプレイに移行することに決定。
その後、全員の【魅力】が示し合わせたように8だとわかり一同爆笑。
そしてそれを見越して【魅力】 を9にしてきたBMのキャラがパーティリーダーとなり、シナリオが開始される。エロい(笑)。
Behind the DM screen
本シナリオにおいてはエンカウントを4回の他、トラップ等の捜索など一般的なシチュエーションをいくつか発生させている。 これらのエンカウントにはそれぞれテーマを持たせてあった。以下に示すのは、それらのエンカウントのコンセプトと、そしてどのような戦術でHFO |
6人のHFOは荒野のど真ん中、ソルトヒルという小さな鉱山町へむかう商隊の護衛として雇われた。
海の無いこの地方にとって岩塩は貴重な資源であり、30年程前に生まれたソルトヒルは多くの商隊の訪れる場所となっている。塩が土中に多く含まれているため、基本的には周辺に植物は生えず、住むものもほとんど無い、いわば不毛の土地であるこの地方はいきおい山賊の類もほとんど出なかったものだが、ここ最近、どこからかゴブリンらがやってきては商隊を襲うと言う噂が立ち、HFOのみ6人というありえないパーティである一行が急遽雇われたというわけだ。
そして噂のとおり、一行は移動中にゴブリンたちの奇襲を受ける。
第1エンカウント:ゴブリンの奇襲
[コンセプト]
・ 存分に低いことが予想されるHFOの策敵能力が、どのくらい奇襲に適応できるか
・ 戦闘における行動の選択などから各プレイヤーの腕を図る
・ 「普通じゃない」ゴブリンの顔見せ(シナリオ展開のため)
[出した敵]
ゴブリン(MMママ) CR1/4x4
ミュータントゴブリン(バグベア相当・特殊能力つき) CR3x2
オーガ(MMママ) CR2x1
[戦術]
「通商路を通る商隊を襲う山賊ゴブリン」という設定だったので、崖の上で待ち伏せ→PCが来たら駆け下りて攻撃 という戦術を取る。ぶっちゃけ4レベルHFOx6には雑魚もいいところなのは火を見るより明らかなので相当テキトー。
[結果]
<プレイヤー視点のリポートはこちら>
HFO軍団は平均【判断力】8という能力を遺憾なく発揮して、ゴブリンの奇襲に気づいたのは1人だけという体たらく。
なのだがかなり距離が開いていたのとほぼ全員のACが20を超えていたこと、そして有り余る特技をつぎ込んで習得した《迎え討ち》 のかいもあって、3ラウンドほどで奇襲部隊を全滅させる。つうかゴブリンの攻撃じゃ20以外命中しませーん。やる気なーし。
この戦闘において、ゴブリン隊はエーチェに20点もの傷を負わせることに成功したが、もともと46 hpもありやがるせいで回復すらせずに戦場を去っていきやがった(回復がどう頑張っても有料である彼らにとってポーションの一滴は血の一滴である。ために、半減すらしてないHFOのhpを癒す余力は無かったらしい)。なんつーか戦闘後ノーキュアで戦場を去るという新鮮な光景に一同ヘンに感動してみたり。なんだかなー。
[考察]
さすがファイター、腐ってもファイター。力押しで来る相手は問題なく押し返せるようだ。
相手を発見できないから相手がちょっと手練のローグだとほぼ100%急所攻撃されるが、【敏捷力】に頼らないACと、殴られても痛くないと言い張れるhpのおかげで結構耐えられそう。な気がしないでもない。と思えなくもない。 しかも通常パーティのように「装甲の薄いローグを先に」とか「まずウィザードを」とかってセオリーが通じないので微妙にやりにくい。ある意味相手の《強行突破》とかの能力を殺しているともいえる(笑)。
長柄武器+《迎え討ち》なら立ちすくんでいても突っ込んでくる相手へ機会攻撃できる事も含め、HFOはこの手のシチュエーションには思ったより強いようだ。
[結論]
・ HFOは弱い相手には強い
・ HFOは奇襲されても(呪文が混ざってなければ)あんまり痛くない
襲撃後、一行は「奇襲部隊が戻らないって事で増援が来たら困る」と判断し、戦闘での傷を癒す間ももなく移動をはじめた。
一行は疲れた体に鞭打ちながら夜通し歩きつづけ、ついに目的地であるソルトヒルへ到着する。
さて、ソルトヒルは人口700人程の町で、gpリミットは144gpである。
つまりは鎧すら買い替え不能、ポーションも1レベルが限界という、町の門に「準備してこなかったら死ぬぜ」と書いてあるような小さな町だ。
鉱塩の取引が産業のほぼ全てという町であるが、商隊の往来が多いためか人口の割りに宿屋も多く、またドワーフの鉱場町らしく酒場も完備されているためそれなりに賑わっている。一方、治療院や僧院もあることはあるが、クレリックよりドルイドや治療士や見習い(コモナー)のほうが多い。要するに補給基地としてはさほど役に立たないし、呪文によるサポートもわずかしか得られない。唯一のクレリックとウィザードがそれぞれ1レベルなのだ。ドルイドは3人、バードが4人いるけど。なんだこの町(*)。
*大いなる運命の神の御手により作られた町なのです。すなわちランダムジェネレータ製。文句言うな。
護衛の報酬を受け取った一行は、その後この町の唯一の行政組織でもある鉱塩ギルドで仕事を請けることに。
町の警備隊長であるケンスキーから『塩鉱からゴブリンが出てきて鉱夫が殺された。それを調べに向かったクレリックたちも帰ってこない。何が起こっているのか調べてくれないか』という依頼を受ける。
ケンスキー「どうだろう。何が起こっているのかを明らかにしてくれたら1000gp、問題を解決してくれたらさらに1000gp出す用意があるが」
エーチェ「やります!ええ、やりますとも!」
ファ=マド「全部で2000gp!HFOにこんなに払ってくれるなんて!(笑)」
ケンスキー「本当なら私が探索に行かねばならないところのあのだが、最近ゴブリンがそこらを荒らしているので町の防備を怠るわけにも行かず・・・・正直スマンかった」
ケンスキー(4lvDFO)
ケンスキー「・・・・・ところで君たちのパーティは少々編成が変わっているようだが、ウィザードやパラディンはいないのかね?」
トール「いやいや、私は魔法使いの家出身なのでご心配なく(笑)」
サイス「そそそうですとも!かく言う私もクレリックっぽいファイターですから!(笑)」
ケンスキー「・・・・だよね?ファイターだけなんてパーティある訳ないよね!(笑)」
ジム「そうですとも。あっはっは」
ケンスキー「おかしな事言って、正直スマンかった」
ケンスキー(4lvDFO)
エーチェ「いやお前『正直スマンかった』言いたいだけちゃうんかと(笑)」
その後、ケンスキーから鉱山のマップや情報を得たPCたちはキュアを一回10gp払ってかけてもらったりクレリックやパラディンを含む5人パーティが帰ってきていないという情報を得てすっかり絶望してみたり自然治癒hpを増やすために〈治療〉技能使ってみたりと通常では考えられない経験をこなしつつ、鉱道へのアタックを開始する。
漆黒の闇に満たされた鉱道は、静かに冒険者たちを待っていた。
いつもならドワーフたちの、鉱夫独特の活気ある喧騒と岩塩を掘り起こす槌音に満たされているはずのそこは、いまは不気味なまでの静寂をたたえている。
鉱道の入り口はしっかりしたつくりの鉄格子によって封じられていた。
本来なら外からの侵入者を防ぐべく閉じられるはずのそれは、いまや内側からしっかり閂がかけられ、さらに数本の鎖と無骨な錠前によって封じられていた。
いしかわ「というわけで君たちの目の前には鎖でしっかり閉じられてる鉄格子があるわけだが。」
エーチェ「任せといてくださいよ!俺〈捜索〉+10ですよ!」
いしかわ「はぁ?・・・いやありえねえだろソレ」
エーチェ「ええ、がんばりました(笑)。・・・・・あ、達成値14・・・・・。
・・・・ええ!トラップなんて!ないので!鎖を!手にとって!調べますよ!(泣)」
いしかわ「・・・・・・まあ当然のように鎖に塗ってあった毒がジューとエーチェの手を焼くわけだが(笑)。頑健セーヴどうぞ。」
エーチェ「ギャー!2が出た!・・・ってそれって酸ですか?俺、さっきエンデュアエレメンツ(酸)かけてもらってきたんですが」
いしかわ「なななにい!スゲエ一点読みだ(笑)。・・・・全部止まった。」
エーチェ「あーぶねー。じゃあせっかく耐酸性なんで、鎖についてる毒を全力でぬぐう方向で(笑)」
オットー「そして〈解錠〉のプロである私がその鍵を(ころころ)達成値24で開きます!」
いしかわ「24?・・・・・君ほんとにHFO?(笑)」
Behind the DM screen
さあ、HFOへの 「まあ、前もって『普通のシナリオだよ』と伝えてあるからHFO式〈解錠〉(*) の為の道具の類は用意してるだろ。」
などというDM予想をすごい形で裏切ってくれましたよこのHFO どもは。
NPCドルイドからのエンデュア呪文は「酸で鎧溶かされるのが一番ヤバイ!火とか冷気はファイター呪文(**)で耐える!」と[酸]で一点読み! あんたらスゴ過ぎ。 しかも〈解錠〉+9まで上げているキャラがいるなんてありえねー。
*携帯用破城槌とかバールのようなもの(かなてこ)とか。後者は実はPHBではルール的にどんな効果があるか全く分からないステキアイテムなのだが。 **ファイター1lv呪文 がんばる、2lv呪文 がまんする などが想定されていた
|
鉱道をしらみつぶしに調べ始める冒険者たちは、やがてケンスキーの地図にはない鉱道がいくつかあることに気がついた。
床を丹念に調査した結果、冒険者たちはそうした鉱道のひとつに無数の裸足の足跡が残されているのを見つけた。これがゴブリンものであろうと予想した彼らは、人一人が通り抜けるのがやっとの狭い鉱道に、一人またひとりと意を決して入っていくのだった。
いしかわ「でまあ、鉱道を進んでいるわけですが、いま先頭を歩いてるのは?」
エーチェ「・・・・私ですが」
いしかわ「では、床に渦巻きのような紋章とゴブリン語の書き付けがあるのを発見しました。〈知識(宗教)〉ある人はどうぞ」
サイス「(ころころ)・・・・よし、23!」
いしかわ「いやおかしいだろその値(笑)。ええと、インキャビュロス神のホーリーシンボルですな。そんでゴブリン語の読めるエーチェにはその文が『混沌の目を踏み越えし愚か者に永遠の災いあれ』と読めます」
トール「紋章・・・・あやしい。〈呪文学〉振ります!」
エーチェ「じゃ俺も」
サイス「俺も」
ジム「俺も」
いしかわ「〈呪文学〉濃度高いねキミらファイターの分際で(笑)。では、『紋章を使った防御呪文がある』ということを思い出しますが、『その種の呪文は紋章を見ただけで爆発したりするものだ』ということを思い出します」
エーチェ「・・・・ゴブリンの罠だからなあ。もっと単純なんじゃないだろか。てことで、紋章の向こうの床を調べます。〈捜索〉・・・19!」
いしかわ「いや、何も見つかりませんが」
エーチェ「あはははははは・・・・さあ食らいにいくか(笑)。では腰なわを後ろの人に持っててもらって、紋章の向こうを踏みます(笑)。」
いしかわ「(HFO式〈装置無力化〉)きたか。では反応セーヴを(笑)。」
エーチェ「ギャー!やっぱりー(笑)」
Behind the DM screen
HFOへの
ちなみにここの罠はCR2のもの。ダメージも安い単純なもので、セーヴ目標値も低かったのであっさりかわされました。ちっ。
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狭い鉱道を這うようにして抜けた先には石造りの螺旋階段が続いていた。
明らかに人工物と分かるそれは段の高さからドワーフのものらしいこと、そして上は外界へ続いていることが分かった。退路を確保した冒険者たちは、しかし警戒を解くことなく、一歩一歩慎重に地下へと降りてゆく。
螺旋階段はいつ果てるともなく続いていたが、やがて四方の壁全てが石造りの彫刻で装飾された広間に到着した。いずれの装飾もドワーフの伝説や英雄譚をモチーフにした精巧なものであり、多少煤けてはいるものの作られた当時の息吹を今に伝えている。
しかし、部屋の様子は異様なものだった。部屋の中央には石棺のふたやガラクタを積み上げたバリケードが築かれ、部屋のあちこちにはそのバリケードを中心に無数の死体が転がっている。いずれも戦いの果てに息絶えたゴブリンやオーガのもので、無残にも体がばらばらにされていたり、無数の矢や槍に貫かれたままに放置され、朽ち果てている。どうやら太古の戦いの後のようだ。しかし、そうした死体の中にはいくつか生々しい血の跡を残しているものもある。部屋は古臭いカビのにおいと、胸をむかつかせる甘い独特な香り---死臭が漂っていた。
いしかわ「ほとんどミイラ化した死体があちこちに転がってるわけですが、よく見るとそのうちいくつかはまだ新しいようですね。あちこちにまだ新しい血のあとが点々と残されています」
トール「先に入ったって5人組かなあ・・・・」
エーチェ「・・・・・まあ、死体と言われても我々にはどうすることもできないのですが(笑)」
サイス「いや、大丈夫だリーダー。俺がターンアンデッドを(笑)」
部屋を捜索するHFOたちは、部屋の中央を横切るバリケードの向こうに蠢くものを見つける。
白い僧服を着たドワーフのようだが、あたかも床を素手で掘りかえそうとしているかのようにがりがりと床を引っ掻いている。その指先は肉がそげ骨がむき出しになっているが、痛みを感じていないのか、ブツブツと何事かをつぶやきながら、懸命にその動作を繰り返している。
第2エンカウント:骨と幽霊
[コンセプト]
・ HFOの弱点のひとつ「通常武器の通じない相手」をどう処理するか
・ HFOの【筋力】を減らしてみよう(笑)
・ アンデッド退散がないとどれくらいツラいのか検証してみる
[出した敵]
中型スケルトン(MMママ) CR1/3x5
幽霊(4HD・CR4:実はシャドウのHD変更版。エーテル体で接触攻撃がSTRダメージ)
#幽霊はソルトヒルに住んでたクレリック。ゴブリンとの戦いで囚われ、残忍な拷問の末目を抉り出されて殺された後、怨霊となってこの部屋に、という設定。話しかけられると「わしの目はどこだー!」とかいいながら襲い掛かってくるベタな幽霊っぷりでひとつ。
[戦術]
幽霊の行動開始にあわせて、そこらに転がってる骨のいくつかがスケルトンとなり攻撃。ただし通常攻撃なんぞ当たりっこないので、1人に2-3骨があたり、いっせいに組みつきを仕掛けて動けなくなったところを幽霊が攻撃、という流れに。
[結果]
<プレイヤー視点のリポートはこちら>
部屋に散らばる骨という骨全てに全員で目を配りつつ幽霊には15フィート離れて話しかけるというエロさ老獪さを発揮したおかげで奇襲は免れた一行だが、その後の戦闘では大いに苦戦する。
まず、幽霊に攻撃が当たらない。
さすがにみんな+1武器は用意してきていたものの、それでも50%ミスチャンスまでは消滅するわけでもなく。
重戦士トールはいち早く幽霊に接近し、攻撃を仕掛け、かつ毎R命中させていたにもかかわらず全てミスる。10面で6以上といえば1が、5以下といえば0が出る徹底振り(笑)。まあこればっかりはダイス神の思し召し、どうしょうもないのだが。他にも「ターンアンデッド!」という叫びとともに投げられた聖水(**)がやっぱりミスチャンスによって無効化されてみたり。切ねえ。
あと、意外なことにスケルトンにも結構てこずっていた。当初は楽勝の相手となめてかかっていたPCたちであったが、ダメージが1/2になる(*)特殊能力に加え、実はスケルトンのhpが2d12もありやがるため、殴っても殴っても向かってくるという強力にいやな状態に。さらに攻撃は全て機会攻撃上等の組みつき攻撃で、一体でも組み付きに入った瞬間に他のスケルトンが寄ってたかって組み付いてくるという徹底振り。で、動けなくなったところを幽霊がふわりとなでていく、というステキ戦術でエーチェとトールに多大な【筋力】ダメージを負わせることに成功する。
とはいえ、さすがに通常ダメージは組み付きで多少与えたくらいで、【筋力】も高いHFOのこと、多少減らされても死に至るほどではない。結局のところ、一体ずつスケルトンを処理されたあと、幽霊も取り囲まれて討ち取られた。無念。
*鈍器もって歩けよとお思いかもしれないが、みんな分厚い鎧のせいで重量がいっぱいいっぱいだったのと、《武器開眼》やら両手持ちやらのおかげで「ダメージ半分」と「持ち替えて鈍器で攻撃」とのダメージが大差ないということから多くは通常使ってる武器で戦っていた。まあ4レベルあたりだと微妙にありがちな光景かも。
**ここではミスチャンスによってはずれていたが、実はサイスはここで聖水をビンごと投げていた。エーテル体の幽霊にビンが当たってもすり抜けるだけなので、どの道このターンアンデッドは無効だった(笑)。きむらさんサンクス!
[考察]
CR4にしてはかなり苦められた。「誰かマジックミサイル撃てよ!」という切実な悲鳴がこのエンカウントの全てをあらわしているように思う。
これが普通の、たとえばクレリックのいるパーティだったら2Rくらいで片付けられてたんだろうなあなどと思うと涙が止まりません。
あと、追加サプリないと組み付きが相当つらいなあ、と(いや、あってもつらいんだけど)。
結局のところ数人懸かりで組み付きに来られるといつかは捕まって毎R 組み付き判定だけをし続けるハメに陥るのがなんとも。実は無理やり抜けようとせず高い【筋力】を生かしてスパイクトガントレットで殴り続けるのが安定との説もあるが、それとて次から次へと来られるとお手上げだし。
[結論]
・ HFOはアンデッドが嫌い
・ HFOは組み付きも嫌い
・ アンデッド退散は擬似じゃダメだ(笑)
Behind the DM screen
この手の敵にはゴーストタッチ能力のある武器などが通常の対応となるのでしょうが、4レベル=5400gpスタートでゴーストタッチ武器を買うガッツはさすがになかった模様【あたりまえだ】。 50%ミスチャンスがあるということは、確率論的にはhp倍ってことだからなあ。まあつらいわな。
やっぱマジックウェポンって重要だなあ。あとパラディンがいないせいで攻撃されるまでアンデッドかどうかもわかんないというのも辛過ぎる。まあそもそもクレリックがいればアンデッドは問題g(以下略)。
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HFOにとって唯一にして無二の武器【筋力】を大幅に失ったトールとエーチェ。
特にエーチェは突然装備重量が重荷重になるという不思議現象発生。
オウミラクル。
しかし冒険はまだ終わっていない。
HFOたちはいまだ敵の主力である(らしい)ゴブリンたちの影すら見ていないのである。
どうするHFO。どうなるHFO!
(其の四「プレイリポート:DM編(後編)」に続く)