『NPCの作り方』拡張サプリメント
NPC特徴決定ランダムチャート
040515
文責:いしかわ
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本サプリメントは当サイト記事『NPCの作り方』の拡張サプリメントです。
まず『NPCの作り方』を一読してからのご利用をお勧めします。
まあ、見なきゃ見ないでどうとでもなるんですけど。
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さて、NPCには特徴が必要だということを『NPCの作り方』では述べたわけだが、この『特徴』というやつは意外と曲者だったりする。
人間の想像力には限界がある。自分が見聞きしたことやそれを発展させたものを考えるのはそう難しくないが、よく知らないこと、今まで深く考えたことのない物事を想像で何とかする、というのは意外と困難な作業だ。
そして当然ながら、ファンタジー世界のNPCの特徴だって、そうポンポン思いつくわけではない----彼らは中世風の世界で生きている、といっても、魔法や神が実在する世界に生きているし、そもそも現実世界の中世のことだって僕らはよく知らないことを忘れてはいけない----。長くDMをしていればだんだんとそのストックが目減りしていき、しまいには特徴をいちいち考えるのも面倒になって『衛兵1』『店主3』『大臣4』とかって名前でNPCを呼ぶようになったりするようになる。PCたちですら名前も付けられずに(あるいは名付けられていさえ)「戦士」「クレリック」などと役割名で呼ばれることが多いD&Dというゲームにおいて、こうした殺伐とした傾向はより顕著なものだ。
そうした事態を回避するためか、和DMGp149には「100の特徴」と称する表が掲載されており、想像力か知識のどちらか(あるいは両方)に欠けるDMのため、簡単な特徴がリストアップされている。
このアイデアは非常にクールなものだと思う。どうでもいいNPCの特徴づけなどという、言ってみればDMにとっては手間ばかりかかるどうでもいい作業を一回のダイスロールで済ますことができるというのは、時間と知恵というリソースの浪費を抑える上で非常に有効な手段だ。
もちろん、PCが自身のキャラクターにちょっとした“味”を加えるために使うことだってできる。そう、ウィザードのところに敵が移動するのを防ぎ、また呪文や飛び道具の的になることで術者への被害を防ぎ、あるいは地道に敵を転ばしたり敵の周りを走り回って機会攻撃を消費させることでパラディン様の悪を討つ一撃やローグ様の急所攻撃を助けるほかに大して能のない君のHFOにも、『片目がない』とか『どもりがひどい』といった人間らしい特徴を付け加えることが可能なのだ。もちろん、表を利用することで『特徴を考える時間が節約できる』という点も見逃せない。HFOはよく死ぬので、すぐに次のキャラクターを作らなきゃいけなくなるからちょうどいいよね。
このように、かの表は大変有用であるにもかかわらず、しかし残念なことにたったの100種類しか特徴が記されていない。
一人のキャラクターに複数の特徴を使ったり、中には強烈に使えない特徴も含まれていること(おお神よ、いったいどこの世界に****なキャラクターを使うDMがいるというのでしょうか!)を考えれば、100種の特徴といえどもそんなに大勢のNPCに適用できるわけでもなさそうだ。
ふむ。だったら作るか。
というわけで作成されたのが以下の表である。
100個の特徴が記されたページが2枚ある。そう、DMGの表とあわせて使うことで、君のPC・NPCの特徴ストックはなんと3倍になるのだ。酸素欠乏気味のテム・レイ博士もびっくりである。
ダウンロードして印刷するなり表を丸暗記するなりして利用していただきたい。
NPCランダム特徴決定表
注)内容はどちらも同じ
え?これじゃ足りない?
まあ確かに。どっちかといえば一般人向けの特徴が多いからなあ。
まあ冒険者といえど、ダンジョンに潜ってないときには普通の人と変わらないわけだから、特徴としてはこんなのでも十分といえなくはないけど、冒険者NPCっぽい特徴もちょっとほしいかも。
OK。じゃあ作ろう。
というわけで作成されたのが以下の表である。
<ダウンロード>
冒険者NPC職業・性格決定表
注)内容はどちらも同じ
こちらはNPC冒険者の名前、クラス、性別、特徴(+持ってそうなアイテム&特技)について一覧にしてある。
1から00まで番号が振ってあるので、突発的にNPCが必要になったときにd100で決定してもいいし、ランダムエンカウンターやさして重要でないNPCを作るときに参考にするのもいいだろう。この表に書いてある特徴だけじゃちょっとキャラが薄い、と思ったら、前述のランダム特徴決定表の特徴を付け足してもいいしね。
さあ、あとはサイコロの神様が君のNPCを決定してくれる。
まあ、この手のランダム決定をすると、サイコロの神と一緒にお笑いの神が降りてくるというのが世の常であるが、それもまたよし、だ。キャラクターの良し悪しは設定が決めるんじゃない。設定がもたらす行動が決めるんだから。
君の卓に良きNPCの現れんことを!
◎本稿はDragon#246“A Few Good Henchmen”(Christopher Perkins)をベースに作成されています