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CDS:PE&レインボー合同
D&Dサード プレイリポート企画

キャンペーンの背景&お約束

2003/5/23
2003/07/07 更新

by B.M

背景設定

荒廃の地、ヴァルカニア。
そこは慈悲の欠片も無い見捨てられた場所である。
かつてはここが肥沃な大地を耕す農民と、荷物を満載した馬車を引く商人とで溢れかえっていたことなど想像する余地も無い。

恐るべき<ドゥームズ・デイ>の”大災厄”を遁れ得た者など存在しない。
それはあの無限の命を持つかと思われたエルフや、岩のごとき頑強さを誇ったドワーフですら例外ではなかった。
破滅が等しく大陸を覆った後、彼らは人間の愚かさが招いた大災厄に呆れ、絶望し、人との交わりを避けるため森に地下に潜った。
彼らが捨てた森は死の森となり、坑道は闇の洞窟となり、魑魅魍魎がはびこる魔境と化した。
わずかに生き延びた人々は身を寄せ合うようにして侘しく暮らし、その日の麦を得るために働いている。
餓えた子供を抱えた貧者と、それを襲う血も涙も無い夜盗で溢れ帰る土地。
ここに慈悲は無い。

元は材木を扱う小さな町であったヴァルカニアは大陸の要として繁栄していった。
西の帝国、東の連合へと戦争のための武器を輸出し、その貿易で莫大な収入を得ていた。
高度な魔術を誇る秘術ギルドが商権を争い、蛮族たちを魔術で平定し、異種族さえも恭順させていた。
その光り輝く蝋燭の都市は畏れを込めて”ブリリアント・シティ”と称された。
それは名実共に大陸の光り輝く都市であった。

東西の2大国をも凌ぐ経済力と軍事力を備えたヴァルカニアは我が世の春を謳歌していた。
欲望の町ヴァルカニアで市長を勤める男が、自分を世界の王だと、他の人間とは違う存在だと思いこんだのも無理からぬ話である。
その地位と力に似合わぬ小心ぶりで影からは”チキン”と呼ばれた男ではあるのだが。
彼が市長になったきっかけ…そして彼の地位を不動のものとした発明が”アイテム作成アイテム”である。
上位の魔法の品から下位の魔法の品を自動的に作り出すこの発明で、マジックアイテムは大量生産の時代に突入した。
その維持には莫大なエネルギーが必要であったので、この時期は多くの初級魔術師たちが命を落としたという。
市長マンデルが”アフェグノス”を作ろうと思ったきっかけは、魔術師が死ぬのをかわいそうだと思ったからではない
より多くの魔術を扱えない普通の市民をそのエネルギーの、いや富の、欲望の元として使うためだった。
多くの市民が”自発的”にこの装置にかかり、生命力を吸われて死んでいった。

この時点で彼は狂っていたと考えるのが妥当であろう。
人智を越えたエネルギーを手にした彼はその力でイモータルの存在を明らかにし、挑戦するべくさらに大きなエネルギーを集め始めた。
大陸中から集められた人々は次々とアフェグノスに入っていき、二度と出てくることは無かった。
2大国が事態の深刻さを悟り、両国間の紛争に平和条約という最高の結末を(異例の早さで)用意した時には既に遅かった。
砂糖に群がる蟻のように、崖から身を投げるレミングのように、人々は蝋燭の都市に飲み込まれていった。
1つ、また1つと町の灯かりが消えていく中でヴァルカニアだけが禍々しい光を放っていた。

そして、大災厄は起こった。
光と共に全ての文明は破壊され、偉大なる秘術の結晶の数々は閃光とともに消え去った。
あとに残されたのは暗く野蛮な未開の地。
怪物どもが蠢き、強者が弱者を貪り喰らう厳格な地。
今日の食を得るために鍬を握れ。
生き残るために剣を握れ。
ヴァルカニアは容赦しない。


信仰

プレイリポートを読むのに必要とされる最低限の情報を書いておきます。


神格
Alignment(属性)
Domain(領域)
典型的な信者
ヒルディール、新しき太陽
LN
太陽、秩序、知識
裁判官、行政官、学者
ゴートス、悪即斬
LG
善、戦、力
パラディン、モンク、ファイター
デルソフィ、慈悲の女神
NG
守護、治癒
治療者、都市の護り手
ダラナーラ、森の賢人
TN
動物、植物、幸運
ドルイド、レンジャー
ヴァモン、究極の諸悪の根源
CE
悪、混沌、破壊、死、力、戦
悪党、悪人、人間のクズ

<教義>

・ヒルディール
教えに忠実であれ。秩序を尊べ。
武器は太陽の光を示すスピアやジェヴェリンなどのSタイプウェポン。

・ゴートス
イービルを破壊することに生涯を捧げよ。
武器は男らしくグレートソード、グレートアックス。

・デルソフィ
全ての生き物に慈愛と加護を。人類みな兄弟。
武器はメイス、クラブ、サップなど叩く武器。刃物はNG。


・ダラナーラ
森に生き、自然に生きよ。そうすれば運命は見えてくる。
木製、動植物製品(骨とか皮とか)。


・ヴァモン
殺せ呪え壊せ犯せ盗め略奪しろ。
秩序を破壊しろ、人の嫌がることを進んでしろ。
全てを壊しつくしてしまえ。
武器は強ければなんでもよし。弱い武器なんざいらねぇ。
「錬金術の火」や火器だって使いたい放題。
勝ったもん勝ち。弱いやつは死ね。
ちなみにヴァモン信者はダメージとDamage Reduction(ダメージ減少)にボーナスを得る。強い。
スペルのDCにボーナスが付き、自分はセーブにボーナスが付く。単に強い。
強まりたいならヴァモンで決まりだ!。


お約束

というサード用の世界設定です。タイトルはとりあえず”ヴァルカニア”で。
分かる人はすぐ分かると思いますが”ある問題”をクリアするために大半を設定しました。
蝋燭の都市、滅びちゃいましたねぇ(笑)。
(普通のセッション用のはこういう世界にしておいて、”なんでもありキャンペーン”をやる時はマンデル市長の時代でプレイしようかとも思ってます。
かの悪名高き”マンデル・ザ・チキン”の時代で。がんばってアイテムを買ったり作ったりして世界の破滅に加担してください、というキャンペーン(笑)。)

というわけでこのキャンペーンの約束ごとを。

<ルール>
・基本的に使用するルールはPHB、DMG、各クラス本のみ。ドラゴン誌の記事は使用しない。
・エラッタ等は最新のものを使用。ただし、ルールが変更になったからといってキャラクター作成の”巻き戻し”は行わない。
・3.5版に関する修正は、正式発表があってから考慮する。


<全般>
・エルフやドワーフといたデミヒューマンは滅多に人前に姿を現さない。人間を嫌っている。
・荒野は怪物と夜盗の跋扈する地帯。土地は痩せていて人々は貧困に喘いでいる。
・”十三忍者”と言われる最大の盗賊団がヴァルカニアを恐怖で牛耳っている彼らが実質的な支配者。
・無政府状態である人々の拠り所は”宗教”。各地の寺院や聖堂が傷ついた民を癒し、怪物や夜盗から守るために聖堂騎士を送り出している。とはいえ彼らだけで手におえる筈も無く、荒野はひどい有り様である。


<マジックアイテム/秘術に関して>
・アイテム購入はスクロール、ポーションのみ可能。スクロールの技術は残っているので割りと安価だが、ポーションは作れる者が少ないためにやや高 価。どちらにしろ定価で買えることはほとんど無い(キャラクター作成時は例外)。その他のアイテムには天文学的金額が付けられていることもある。
・アイテム作成フィートはその技術を誰かに”教えてもらえば”修得可能。マイディランに若干名、フェニックスにごく少数のアイテム作成者がいると言う。
・特殊なマテリアルコンポーネントは手に入りにくい可能性がある。
・このような状態であるため秘術の知識を得るために禁断の領域に足を踏み入れるものもいるという。 


<物価>
・やや食料が高め。武器や防具はPHBの2倍以上。そもそも欲しいものが売っているかどうかも定かではなく、高品質の物はまれにしか手に入らない(キャラクター作成時は例外)。
・一般的な武器はクラブ、スピア、スリング、弓、ダガーなど。防具はレザー、木のシールド。それ以外は大きな町で無いと手に入りにくい。
・そのかわりに寺院での治癒や宿泊が無料(ただし宿泊は自分の信仰する神に限る)。無料であるために人々が列をなしている場合が多く、逆に金を出しても早く治療してくれるわけではないので実は不便なのかもしれないが。