Monk-Tips!
 004:セイクリッド・フィストの罠
090417
モンク向上委員会
いしかわ・編


 セイクリッド・フィスト。
 『信仰大全』に収録された彼らは、信仰の力、そして自らの肉体の力を信じ、日々研鑽を積むストイック極まりない上級クラス。自らの肉体以外の武器を使わないという誓いを立て、肉体と呪文を用いて敵と立ちあうという、イメージ的にもなかなかいい感じのクラスなのです…が。
 このクラス、実はPCとして使う上で、致命的な弱点を抱えています。今回はこれについてお話ししていきたい。

 まずセイクリッド・フィストの基本的な能力を、このページから引用しておさらい。
  (どうでもいいけどレインボーの中の人は早く上級クラスレビューを完成させて欲しいなー)



セイクリッド・フィスト 和名:清浄なる拳
出典:信仰大全
前提条件:BAB+4;〈知識:宗教〉8;《素手攻撃強化》、《戦闘発動》、《迎え討ち》、《朦朧化打撃》;1レベル信仰呪文
ベースアタック:ファイター
セーヴ:2つ
HD:d8
呪文:最大+8レベル

 最短でモンク1/レンジャー4orパラディン4からなることができる計算です。
 成長が少し遅れるものの、モンク4/クレリック2orドルイド2orフェイヴァード・ソウル2orスピリット・シャーマン2に置き換えるという手もありましょう(モンクとクレリック他のレベルは逆でも可)。

 それはさておき、以上のように、セイクリッド・フィストは、モンク能力が上がりつつBABが良好、かつ技能が4+【知】、おまけに良好なセーヴが二つで、戦闘系クラスなのに10レベル中8レベルも呪文能力が上がるという強力さが光る正統派ストロングスタイル(同じサプリのウォープリーストを見てみよう!)

 呪文から特殊能力からいちいち細かくモンクをいじめるようなデータを作っているスキップ・ウイリアムズ先生が見たら、5秒でやり過ぎを非難されそうな勢いの優良なクラスであるがために、その力を縛る、二つの行動規範がついています。


 一つ、「武器を使ってはいけない」。
 一つ、「一度レベルを上げたら二度と他クラスになれない」。



 なかなかに厳しい縛りといえますが、真にヤバいのは後者です。何の気なしにマルチクラスしちゃった考えなしなお方は、このクラスの制限が自らを苦況に立たせることに、しばらく後に気付くことになるでしょう。

 セイクリッド・フィストは10レベルまである上級クラスです。
 しかし、セイクリッド・フィストになれるのは最短でも6レベル目です(上述のように、レンジャー4/モンク1から)。
 よって、前提条件を満たしてすぐにセイクリッド・フィストへの道を歩み出すと…16レベル時点でもはや制限を破らずには次のレベルに上がれなくなってしまうという。

 なんだこれw

 同様の制限はパラディンやサムライにもありますが、セイクリッド・フィストにだけこのような現象が発生してしまう原因は、前二者が基本クラス、すなわち20レベルまでのデータがあるのに対して、セイクリッド・フィストが上級クラスであり、そのためにデータが10レベルまでしか存在しないことにあります。
 エピック級のデータを適用できるのが21レベル以上であるために、クラスの構成によっては、高い確率で空白の期間が発生してしまうのです。

 それに加えて、このクラスのベースとして想定されているモンクもまた、同様に別クラスを経験した後では戻ってこられないクラスであるという点が、問題をさらにややこしくしています。
「モンクになる→信仰呪文能力を得る→セイクリッド・フィストになる」という順番だと、セイクリッド・フィストになった時点でもはやモンクに戻ることができなくなっているわけですが、そこでセイクリッド・フィストまで成長不能になってしまったら、いったいどのクラスになってレベルを上げればいいものやら。
僕チム怒りを通り越して笑いしか出てきませんよ? 
はっはっはっ。
【声が怒っている】

 ヴォイド・ディサイプル(in『信仰大全』)のように13レベルまでデータがあったりすれば、話はまた違ったのでしょうが…
「非エピックの上限である20レベル」-「最短でなれる5レベル」=15レベルまではデータが必要なわけですが、通常の1.5倍も続く上級クラスってのもなぁ。
それもうほとんど基本クラスじゃん。

 以上のような理由で、セイクリッド・フィストになる時は、途中でやめて別クラスにいくつもりでなければ、必ず11レベル目以降に入れるようにして人生設計をすることを強く推奨します。
…開発陣がこの強クラスを作ったのはこの罠の存在を見越してのことだったりするんですね、わかります。


ちくしょう……ちくしょおおおおー!



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