Steal This Hook! 11/21/2005

世界が震撼した日

ダグ・ベイヤー


 

ドラマダイヤルは11、今日のスティール・ジス・フックで!(アメリカの人気番組「Dancing with the Stars」の決まり文句のパロディ) エベロンは多くの邪悪な陰謀、伝説的冒険、そして陽気なセッションの元を形作る世界である。しかしそれは単なる始まりに過ぎない。あなたはそのDMとしての強力な権限の全てを使ってエベロンの歴史をあなたのお気に召すままに改変し、新たな悪役を登場させ、コーヴェアの政治バランスを一変させ、そのほかどんな設定でも好きな様にいじくる事ができる。本日我々が提供するのはそうした改変のきっかけとなりうるいくらかのインスピレーションとそれをもたらす様々なイベント、今日のテーマは「世界を震撼させる大事件」である。

 

炎は揺れる、されど・・・

シルヴァー・フレイムの聖なる炎の護り手、若きジャエラ・ダラン(エベロンワールドガイドP168)はシルヴァー・フレイムとして知られる銀の炎の柱が歴史上常に不動であったその地、スレインから移動しなければならないと宣言した。PC達はシルヴァーフレイムをゼンドリック(あるいはあなたの決めたどこか異国の地)に運ぶ飛行船フレイムホスト(炎のゆりかご)号の重要な部分の建造の為スレインを訪れる。飛行船の建造の護衛であったり、この宗教的行事の監督のためであったりするかもしれないが、ともかく英雄達はいつの間にか殺人事件の渦中に巻き込まれることとなるのである。

トゥハン・ジャムハス(フレイムホスト計画の主任メイジライト)は彼の製図机の所で死体になって発見される。ジャエラ自身が英雄たちを召喚し、この事件の解決を依頼する。神聖な炎の移動に反対し、殺人に手を染めるのも厭わないようなライバル大司教が存在するのだろうか? スレインの政治に巣食う魑魅魍魎が権力の移動を意味しかねない今回の計画を食い止めようとしたのか? ジャムハスの同僚の一人がこの計画で脚光を浴びる恐るべき誘惑に耐えかねたとしたら? PC達は手がかりを求め、フレイムキープ城の下に眠る古代の地下墳墓に踏み込んでいく。埃が分厚く降り積もり、蜘蛛が巣を張り、そして事件の鍵を握る邪悪な存在が眠るそこへ・・・。

 

破滅はカイバーより来たる

ベラニダムス(Berannidamus)という名の灰色の髭のドルイドはデーモン荒野に現れた新しい脅威を英雄達に伝える。彼は石の大釜の周りにベリー、骨、血を集め、煙を焚いて詠唱を始める。蒸気の中、英雄達はいずことも知れぬ場所に存在する不浄な生物の姿を見た。次に現れたのは二つのいかめしい顔。氷のように冷たい目を持つ黒い縞のラークシャサ、もう一人は話に聞くカイウス三世とそっくりの顔をした男。彼等は家が業火に崩れ、木が腐れ果て、真白い人骨がコーヴェアを埋め尽くすのを見る。

大地の割れ目からどのような邪悪が生まれ出でると言うのか? ロード・オブ・ダストが死すべき者と盟約を結び、カイバーに捕らえられたラークシャサの王侯を解放しようとしているのか? この新しい敵はエルデンリーチを一とする近隣の国、またコーヴェア全体にどんな影響を及ぼすだろうか? このたくらみの第一歩は具体的にはなんなのか、そしてPC達はそれを阻止するために何ができるだろうか? PCはどんな妨害に直面するだろうか? そしてそれらに打ち勝つためにどんな犠牲を払わなくてはならないのだろうか?

 

塔の街、鳴動す

シャーンは地震に襲われた。通りの敷石はギザギザにひび割れ、塔と橋が崩れ落ち、石の床は瓦礫となって降り注いだ。ヒルト(シャーンに隣接する入り江)から水が押し寄せ、堤防は崩壊して海抜の低い地区は水に飲まれる。ライトニング・レイルは導線石のレールから放り出され、人で賑わう市場は大地の割れ目に飲み込まれる。

数時間を待たずして街は活動を停止する。市の警護団が勇敢な冒険者達に手当たり次第救出作業の代理を依頼する中、シャーンの市長は苦しい演説を行う。多くのボランティアが救援プランと緊急医療活動の説明、救援装備の受領のために即席の会議所に集められるが、PCはブレランド王室の特使に呼び出される。そこで依頼されたのはシャーンの下水を探索する任務だった(そこが地震の源、あるいは地震の発生した理由の手がかりが在るのではないかと思われているのだ)。自然の物でない地震を引き起こすことなど可能なのだろうか? いかなる巨大な力がこの塔の街の地下をここまで破壊したと言うのか? コーヴェアでもっとも巨大な地下街の機能不全がいかなる社会的政治的波紋を呼び起こすだろうか? 政治動乱、あるいは犯罪、はたまた魔法的な「余震」がこの大揺れに続いて起こることだろうか?

 

デルキールの道具

ガリファーの初期以来、チャンバーの二頭の若い竜シャーラッシュとオファーンは常命の者の営みを観察し続けてきたが、もう単に観察するだけでは飽き足らなくなっている。事件は一見関係ない三つのアーティファクト――召喚儀式に関するリードラの書物、防御術魔法を帯びて震動する古代のオークのワンド、ゼンドリックから出土した巨人の時代のタイムレス・オーブ――これらがコーヴェアに集まったことから始まった。シャーラッシュとオファーンは彼らの研究からこれらの三つのアーティファクトが共通のルーツを持つ事を知っている。即ち狂気の領域ゾリアット。拭いがたき悪の汚れまとわりつく、物言わぬデルキールどもの故郷である。

シャーラッシュは、死すべきものたちの行動を妨げるべきときだと信じており、直接侵入してアーティファクトを盗み、きゃつらの手下がこれらのアーティファクトの使用法を解明してデルキールの王たちを地下から甦らせる前に破壊するべきだと思っている。しかしオファーンはコーヴェアがドラゴン達の侵入にパニックを起こさないよう、直接行動は場所を見つけるだけにとどめ、実際の行動は死すべき者たちを雇って行わせるのがより良いやり方であると彼女に納得させる。現在アーティファクトを所持しているのは一体どう言う組織、或いは個人なのだろうか? ドラゴン達は一体どう言う手順でこれらを見つけ、また安全に隔離して保管するつもりだろうか? ひょっとしたら既に他の勢力がこれらのアーティファクトの持つ潜在的な価値に気付いていないとも限らない。

 

ミニフック