Steal This Hook! | 05/23/2005 |
ダグ・ベイヤー
エベロンのDMやプレイヤーにとって、エベロンがNPC達に隠した謎を上回る唯一のものは、その真実が明らかにされる驚異的な瞬間であろう。貴方のキャンペーンで劇的な情景を更に劇的にするために、告白の囁きやスキャンダルの暴露などを用いる事も出来るはずだ。さて、それにしても貴方は運がいい。今日のアドベンチャー・フックのテーマは「衝撃的な告白」である。今回も楽しんで欲しい。
四年以上もの間、それはスローンホールドの事務員シマス・ロルフの胸にだけ収められてきた。最終戦争を終結させた歴史的な条約において、極単純な事務手続きのミスにより「ムロールホールドが国として公認されていない」状態がずっと続いていると言うことを。何と言うことか、法律的に厳密に照らせば、現在ムロール・ホールドと言う国は存在しないのだ!(つまり、ムロールホールドの隣国が領土侵犯や占領を行っても、公式にドワーフ達が抗議することは出来ない) シマスは謎めいた手紙によってPC達に連絡を取り、出来るだけ早く、そしてこっそりとスローンホールドに到着するように依頼する。PCたちが到着すると、シマスは一連の書類を渡し、動けない自分の代わりにレディ・ジャキル・イル・ワイナーンの署名を貰ってくるように頼む。が、シマスが思っているほどにそれは簡単ではないかもしれない。彼女は外交の任務でヴァラナーを訪れており、現在エルフによって厳重に警備されているだろうからだ。
誰かがこの事実に気付く前に、PCはシマスが必要とする署名を得る事が出来るだろうか? アーラムのスパイ(隠れひそむマインドフレイヤー)はこの見落としに気付いたろうか? ムロールのドワーフはどう動くか・・・そして誰を非難するだろうか? 転がり方によっては、再び戦争が勃発する危険性すらある!
悪名高きゴシップ記者、サラシアス・ソーラは12年以上に渡りハイタワー・ガゼットの彼女のコラムでシャーンの有名人や上流階級についてある事ない事書きたてて来た。スキャンダルの世界では第一人者であると自らを誇ってはいるものの、ガゼットの売れ行きは下降線であり、他の新聞は彼女の記事を買おうとはしない。それでばかり、彼女は自分自身に関するニュースをでっち上げた――先週号で予告されていた彼女自身のスキャンダルの発表である。事が予定通りに進めば二日ほどの内に、この三流コラムニストがシャーンの若きエリートの一人と目されている人物の母親であると言う事実によって、彼女の人生はひっくり返ることだろう。子供と父親の人生についてはここで言及するのは避けよう。もし本当の話であるならば、だが。
そう言った理由で、英雄達は今シャーンの模範的市民であるドーラス・ゲットバッカー氏及び彼の自慢の息子のエリオッドと接触を取っている。
PCたちはドーラスとエリオッドがソーラを黙らせることを助けるだろうか? それともゲットバッカー氏はソーラを買収するために賄賂を持ち出す(場合によっては額が足りないこともありうる)かもしれない。ハイタワー・ガゼット編集人である"二つ拳の"アーガスはこの状況にどう対応するべきか頭を捻っている。最終戦争の終わりにゲットバッカー氏とソーラを結びつけた物は一体なんなのだろう?
ひとつらなりの綺麗な石に、マジック・マウスが付与されている。それはPCの母親からの手紙だった。それぞれの石には別々のメッセージが付与されており、一度解放されると順番に次のメッセージを伝える。
「わが最愛の息子よ、元気ですか? 冒険に胸躍らせていますか? 私は――ええ、大丈夫ですよ。この石は短いメッセージしか送れないので、簡潔に伝えなければなりませんね」
「貴方と貴方の絵を描いて世界中を旅する愛らしい妹は私たちの宝物です。貴方は私たちに誇りをもたらしてくれました。しかし貴方の妹は――」
「私たちは貴方の妹が実際に学んできたのかに気付いてしまいました――私は『非道』などと言う言葉を使うことにためらってしまいます――そうですね、『発明』と言えばいいのでしょうか」
「貴方の年老いた母が想像も出来ないくらい酷い魔法の儀式と星の整列、彼女がするかもしれない事を私はとても恐れているのです、息子よ」
「彼女が書き送ってきた所によれば、それはシャドウ・マーチの、デーモン、彼女が実現しようとしている何らかの出来事か予言と言ったものにかかわってくる何からしいのです」
「息子よ、助けてください。彼女は心を病んでいるか、憑依されているか、或いはもっと悪い状態にいるに違いありません。彼女の手紙を同封します。急いで!」
「お父さんも私もおまえの事を愛しています。そして貴方のお友達にも私の愛を。さようなら」マジック・マウスは終了する。そしてPCの妹からの手紙だけが、開かれるときを待っている。
貴方のキャンペーンの主要都市の立法の長に任命されたジョン・ホドリンは自分が人間ではないと発表した。実際に記者会見で女性やハーフオークに変身することによって彼は自分がチェンジリングであることを立証したのである。また彼はチェンジリングに関する法律について全面的な改革を発表した。それには現在「違法な変身によるなりすまし」によって投獄されたチェンジリングを減刑することも含まれている。
地元の記者プレイズル・スイートブロッサムは彼を疑っていた。
この疑り深いノームの娘は地方紙で調査担当の記者をやっており、彼女がホドリンと彼の主張を調査する手助けとして数人の冒険者を募集した。ホドリンはドッペルゲンガーあるいはラークシャサのような他の変身生物なのだろうか? 本物のホドリンはどこかに幽閉されており、あのチェンジリングが彼と入れ替わっているのかもしれない。場合によっては彼の出身地に足を伸ばし、ホドリンの出生を確かめねばなるまい。あるいは、プレイズルは清廉なチェンジリングをその地位から蹴落とす悪意をもって、根も葉もない事実をでっち上げようとしているのだろうか?