Steal This Hook! 01/03/2005

学生も楽じゃない

ダグ・ベイヤー


 

スティール・ジス・フックにまたもやようこそ! エベロンでは技術を身につけたり学位を取ろうとする人間は誰でも特別な困難に直面している。ブレランドの学生は教授と同じように時間の一部を鞭を振るう遺跡ハンターとして費やさねばならず、アンデールでは卒業試験の一部として殆ど知られてない薬品を再現することを求められるかもしれない。ヴァラナーでは職人としての次のランクに進むためには先祖にかかわる宝を発掘しなければいけないかもしれないのだ。要するに、エベロンの学生はしばしば英雄であり、英雄たる貴方のPCもまた学生であるかもしれないのだ。なんらかのアカデミックな冒険の準備ができているならば、貴方のキャンペーンのためにこれらのフックを盗んで欲しい!

 

破滅を叫ぶ者達の街

PCの後援者のひとりはカルラクトンの破滅の文化に関する社会学的研究を後援している。 カルラクトンは征服王カルン以来の由緒ある街であり、モーンランドに向かって張り出した突端に立つ。モーンランドの闇を間近で見るこの街ならば、世界の破滅を叫ぶカルト集団の主張も現実味を持って迫ってくるだろう。英雄達がそうした集団のリーダーを取材するとき、それを不快に思う何者かが三人の暗殺者を差し向ける。デニス氏族の密使であるハイラーンが丁度いいタイミングで助けに現れ、PC達に都市から脱出するよう忠告する。実はデニス氏族の大尉こそが暗殺者の送り主であり、ハイラーンはカルトの主張する破滅を真実とするかもしれない、暗い陰謀に荷担しているのだ。

 

王族殺し

PCの卒業論文、エベロン・ドラゴンシャード、および鋭いレイピアに共通する物はなんだろう? それは、これらがブレランドのボラネル王の甥であるルビーノの死体の近くで見付かった、と言う事である。PCたちははめられたのだろうか? ルビーノはこの論文に興味を示していただろうか? レイピアは誰のものか? ボラネル王は悲しみに打ちひしがれ、怒り狂っている。王は自腹を切ってブレランド国外から最高の探偵を呼び寄せ、調査に当たらせるだろう。恐らくPCは何が起きているのか独房の中で考えなくてはなるまい。パーティの残りのメンバーと彼らに好意的なノーム(人権を守る市民団体の代表)が彼の無罪を立証すべく証拠を固めなくてはならない。これは世紀の犯罪であり、彼らはその真っ只中にいるのだ。

 

その名は"課程終了"

アルカニクスの浮遊塔における中級魔法(あるいは薬学)課程はその厳しい学期をほぼ終えたが、一つだけ課題が残っている。期末試験として課せられたある試練を成し遂げなければならないのだ。それは浮遊島の内部にしつらえられた「コース・エンド(課程終了)」と呼ばれるダンジョンであり、入る学生の強さと数に応じて幻覚を用いた怪物と罠を自由に設定出来るようになっている。試験を受ける者は単独で、或いは友人とパーティを組んでこれに挑むが、どちらにせよやることは変わらない。ダンジョンにひしめく危険を彼女の魔法(あるいは薬物)で打ち破り、教授に実力を見せつけるのだ。

 

ティーチャーズ・ペット(訳注:Teacher's Petには「先生のお気に入りの生徒」という意味がある)

PCはモルグレイブ大学の学生であり、教授から一日インプの世話を頼まれる。しかしひとたび教授の姿が見えなくなるやいなや、インプは「ちょっと出かけてくるぜ」と言い残して消えうせる――鬼ごっこの始まりだ。インプは大学のどこに消えたのか? カフェテリアで起きた騒ぎに関係しているのだろうか? インプは逃げ出したのか、それとも教授の秘密を探ろうとするヴォルの血によって誘拐されたのだろうか? また疑わしいことに、今日丁度翡翠詰騎士団の集会がキャンパスで予定されている。PCたちは教授が戻るまでにインプを捕まえられるだろうか? それともインプが翡翠爪の手に捕まってしまうのだろうか?

 

ライヴウッドの船

英雄達はゼンドリックとシャーンを結ぶ通商航路を行き来する商船の見習である。船長はシャコーラと言う名前の好色なハーフオークであり、彼女は他の船より何日も先駆けて品物を運ぶことで知られているが、前の船員達が逃げ出したためにパーティを雇うことにしたのである。シャコーラが彼女だけが知る秘密の航路を進むとき、パーティはシャコーラが何者かによって魅了されたことに気付く。船の一部を構成するライヴウッド(エベロンワールドガイドp127)に宿るドライアドは、船をゼンドリックのある海岸・・危険な森に向けて転針させたのだ。

 

ミニフック