Steal This Hook! | 11/08/2004 |
ダグ・ベイヤー
またもや「スティール・ジス・フック!(このアイデアを盗め!)」にようこそ! 本日のテーマは生と死を賭けたカウントダウンである。生と死の境界を分ける重要な数日、数時間、或いは数秒の間に、PCはどのような反応を起こすだろうか? このアイデアを盗め! そしてシナリオで使いこなせ!
PCは夜中に宿屋の主人(インキーパー)に起される。リムーブ・ディジーズ・ポーションを急輸していた使者がここから目的地――疫病に冒された村までの間で行方不明になったというのだ。PCは急いで彼を見つけ、ポーションを村に届けなくてはならない。毎日新たな感染者と死者が出ており、宿屋の主人の妹と義弟がその村には住んでいるのだ。村への街道は山賊のテリトリーを突っ切っていくが、彼も他の者も山賊が使者に手を出したとは考えていない。事実、犯人は急使その人――より高い値をつけてくれる顧客にポーションを売り払ったのだ。すなわち、鉱山でのグリーン・スライムが大量発生に困っていたコボルドである。PCは村を救うため、時間以内にコボルドとの交渉を成功させることができるだろうか? また、恥知らずな急使は実はキーパーの名で呼ばれる暗黒の神の手先であり、街から街へ自ら病気を撒き散らしつつ、偽のリムーブ・ディジーズのポーションを売り捌いているとしたら?
牙が不愉快な丸い傷痕を残した――しかし、ワーボアが殺された現在、唯一の問題は負傷したPCの血に潜むライカンスローピーだけである。シャドウ・マーチの中で特効薬であるベラドンナを探し出すのは難しい――しかし、負傷したPCは1時間以内にそれを見つけ、服用しなければならない。ベラドンナを見つけることが出来ないならば次の満月――PCが新たな姿と属性を獲得する時――までのカウントダウンが始まることとなる。傷つけられてから3日の間に12レベル以上のクレリックを見つけ、ヒールかリムーブ・ディジーズを掛けてもらわなくてはならない。それも出来ないなら満月期の三日間にリムーブ・カースを掛けてもらうのである・・・しかし、その間に旅の途中のシルヴァー・フレイム教会の使節がPCの状態を発見した。彼はPCを助けると申し出るが、その裏では各地にこっそりとコンタクトを取る――彼が「民衆と彼自身の敵」になる前に捕獲するために。いずれにせよ、余裕は後何日もない。
タワリングウッドの西の端の小さな町を訪れたとき、ヴァダリス氏族の家長であるダリン・ド・ヴァダリス卿はラクシャーサの暗黒の呪文の犠牲となってしまう。彼の肉体は打ち捨てられ、魂はデーモン荒野での邪悪な実験のために奪い去られる。ヴァダリス氏族は彼の弟ブラマール・ド・ヴァダリスに同行させるために冒険者たちを雇う。彼を助け、デーモン荒野の奥地に赴き、8日以内に家長の魂を取り戻さなければ彼は本当に死んでしまう! 更に悪いことには、魂を奪い去ったラークシャサはヴァダリス氏族が封印されたラークシャサの大王を復活させるための鍵だと信じており、囚われた魂に占術の儀式を行い、ヴァダリスの血統の中にタリスと呼ばれる高貴なブルードラゴンの血が混ざっていることに気づくかもしれない。もしダリンの魂から、タリスが施したカイバーの封印を破る術が見つかってしまえば、それは新たなデーモンの時代の幕開けとなるかもしれない!
ドルラーは百年に一度だけ物質界と隣接する。最後に隣接した時、死者の世界はエベロンに何千人もの死者の魂を落していった(その時、最終戦争が始まったばかりであった)。その再来が後数日に迫っており、それを知ったスレインは致命的な失策を犯そうとしている。モーンランドのスレインとの国境付近にドルラーの新たな顕現地帯が出現したのである。スレインの政府はパラディンであれコモナーであれ分け隔てなくフレイムタッチトの剣で武装させ、顕現地帯から現れるであろうアンデッドへの攻撃を準備している――しかし、そこに現れるのは凶悪な亡霊ではなく、実際のところは気高い軍人たちの魂であり、スレインの市民やデイ・オブ・モーニングの犠牲者を含む最終戦争の時代を通じたあらゆる世代の人々なのである。問題はそれを信じるにたる理由を知っているのがPCだけだということだ。彼らはドルラーの効果によって心が磨耗し、混乱し、喋る気力すら奪われている。だが罪無き人々を傷つけるような意図はまったく持っていない。PCはこの魂たちを救うために証拠をそろえることができるだろうか? 死者の一人(サイアリの為に戦死した若き将軍)はデイ・オブ・モーニングの裏に隠された秘密を知っている。PCたちがドルラーの年が終る前に彼から様々な秘密を学び取れれば、ドルラーから支社を救うか、或いはモーンランドそのものを元の姿に回復することさえできるかもしれない。
古のゼンドリックの高度な技術で作られたダンジョン、今は絶滅したヒル・ジャイアントの親戚によって作られたそこで、PC達は休止状態にあるもののダンジョンと同じくらい古く驚くべき、そして罠と同じくらい致命的な機械に遭遇する。失われたアーティファクトの封印を解くために、巨大な石像をダンジョンの奥深くまで引きずっていかねばならないPCは、これによって生死を分ける数十秒に突入することになる。部屋に入った瞬間扉が閉まり、落し格子が落ちる。動く歩道は突然加速し、また突然急停止する。秘密の部屋を開くダイヤルの5つの組み合わせのうち4つは数秒後に部屋を密閉し、3つは同時に水を流し込むだろう。ダンジョンの中心にある謎めいた装置はこの地中構造物全体に神秘的なパワーを放射している――実際それは、数世紀以上にも渡り本来逃れ得ざる時間という力からこの地を守ってきたのだ。英雄達が回転する刃の壁を防ぐために巨大な石像を運んで来れるなら、この強力なアーティファクトを手に入れることも可能だろうが、それを取り外した瞬間、神秘の力を失った古代の建築物は崩壊を始める。PCたちには10ラウンドの時間しか残されていないかもしれない!