Steal This Hook! 10/25/2004

墓場にて

ダグ・ベイヤー


 

またもや「スティール・ジス・フック!(このアイデアを盗め!)」にようこそ! 冒険小説には恐怖がつき物――恐怖はキャラクターを命がけの行動(そう、アクションポイントを使うような)に追いやる最大の要因なのである。特に十八、十九世紀のゴシックホラーで顕著だったそれが今回の主題・・・「動く死体」である。これらのアイデアは一遍の陰鬱な物語、エベロンにおけるゴシックホラーを紡ぐために役に立ってくれることだろう・・・。

 

死体置き場の支配者

英雄たちの調査していた殺人事件は彼らを警察の死体置き場――国家権力により作られた特に大きなそれ――へと誘う。彼らはそこでゾッとするような光景を目撃する。死体置き場の年老いた事務員が、一つの死体の上で背中をかがめてノコギリを引いているのだ! しかも周囲にはすでにバラバラにされた死体がいくつも散乱している! 逮捕された後、人が変わったかのように優しげになる事務員を見て、地元の保安官は何者かが事務員に強制してやらせたに違いないと、PCに調査を依頼する。死霊術師によって作られたブレイン・ジャー(『Libris Mortis(未訳)』より)が死体置き場に巣食っており、自分が動かすべき新しい肉体を求めているのだ。狂った脳は完璧な肉体を手に入れる為、周囲の人間をサイオニック・パワーで操ろうとする。恐らくこれを止められるのは自身の創作物を制御できなかったことを後悔している件の死霊術師だけである。あるいは、脳は創造主の頭蓋骨の中を自らの安息の地とすることを望むだろうか?

 

鐘は霧中に鳴り響く

モーンランドを覆う霧は殆どの音を掻き消すが、その鐘の音だけは常にデッド・グレイ・ミストを越えて響く――あたかも、英雄たちを誘っているかのように。鐘の音を辿ったPCたちは小さな教会を発見する。白い塗料ははがれ、座席は腐りかけている。塔の鐘は歳若い少女と少年のゴーストの念動力によって鳴らされていた。近づこうとすると彼らは口の中で何か呟き、壁を通って裏の墓地のほうに逃げる。次の瞬間現れたのは、はるか昔に死んだと思しき聖職者のゴーストだった! 果たして彼は悪意を持つスペクターか、はたまた人恋しいだけのただの友好的なゴーストなのだろうか? 幽霊の子供たちはウォーフォージドの魔術師が仕掛けた罠かもしれないし、単にデイ・オブ・モーニング以来成仏できない哀れな霊体かもしれない。

 

手の刈り取り人

誰かが手を盗んでいる。コランベルグの街中で、ノーム、人間、その他の種族の死体が12、手首から先を失った状態で発見された。調査を進めるPCたちはついに決定的な目撃者に出会う。両手のないウォーフォージドの話によれば、信じがたいことに、全身にルーンを刻んだ、両手だけが生身のスケルトンに襲われたというのだ! スケルトンたちは彼を圧倒し、気絶するまで打ち据えた後両手(正確には片手とアームブレード)を奪い去ったという。犯人はスペルスティッチト・スケルトン(モンスターマニュアルU)なのだろうか? 襲撃は無作為なのか、それとも何らかの共通点が被害者にあるのか? 心を病んだ魔術師はそうすることによって持ち主の創造の力を得られると信じ、熟練の職人の手を集めているのだろうか? それとも、ヴォルの血の信者達が手の持ち主の秘術的能力を狙って凶行を繰り返しているのだろうか(彼らはそれを自らの作るスケルトンに植え付けるのだ)。いずれにせよ、歩く人骨たちの次の目標(次は、アームブレードを装着したスケルトンがいるだろう!)はPCたちかもしれないのだ!

 

灰の塊、数は六つ

アンデールのブルーヴァインで市民が毎晩六人ずつ行方不明となる事件が起きている。それはすでに六夜にわたって続いており、残った市民たちは勇敢な誰かに調査を依頼する。ブルーヴァインの街の集会場(町の外にある、巨大な玉石の芸術的彫刻で囲まれた場所)が事件の原因であるように思える。うち六つの玉石の土台周辺には半ダースの煤けた灰の詰まった浅い穴が開いており、土台自体も黒く煤けていた――一体何が起こるというのだろうか? 玉石は門を護る者達がデルキールの王侯を封印するために配置した物なのだろうか? 或いはダーク・ファイアーエレメンタルの力を呼び出すための儀式の舞台? 魔法の失敗がマグマ・メフィットを呼び出し、それが同類を呼び出して市民を餌食にしようと暗躍しているのだろうか? それとも玉石は地下まで続く通路を封印していて、混沌と混乱に飢えたコンブラグレーション・ウーズ(モンスターマニュアルV)が地上に出てこないようにしているのだろうか?

 

ザラシャクのヒル

ザラシャクはシャドウ・マーチの暗い沼地の上にあり、それなしでは生活できないことから一名"竹馬の町"と呼ばれている。しかし、この街の特性から別の形の利益――その活動を水上で生活している市民の目から隠す――を受けているものもいる。グラルシュはタラシュク氏族の一員であるハーフオークで、エベロン・ドラゴンシャードの生産に従事する商人であった・・・吸血鬼になる前は。今や血の渇きが悪しき行いへと彼を突き動かし、彼の愛した街で働く労働者たちを餌食としている。彼はスパイダー・クライムの能力を利用してザラシャクの歩道の裏側を這いまわり、旅人をさらって血を吸い尽くしては泥に沈めた彼の棺へと帰って行く。英雄たちは行方不明の旅人を救出するためにタラシュク氏族によって雇われた。しかし、何を置いてもまずはグラルシュを滅ぼさねばならない。

 

ミニフック

より多くのエベロン・スタイルのゴシックホラーが欲しいか? ならばミニフックがある! (ハッピー・ハロウィーン!)