Dragonshard 01/10/2005

クォーリの刃

キース・ベイカー




インスパイアドの暗殺者は暗い部屋の中でシラレスと向かい合っていた。彼女のマインド・ブレードが暗闇にきらめく。収束された純粋な悪意が、一筋の輝く刃を形成していた。「諦めろ、カラシュター」彼女が言った。「恨むならば愚かな貴様の先祖を恨め。もう一度言うぞ、諦めろ。貴様の魂を砕き、生まれ出てきた闇に送り返してやろう」

シラレスは彼の刃をカル・ジラッシュの護り手に突きつけた。「貴様はカラシュターを過小評価しているぞ、魂喰らいめ。私の精神的結合は私に力を与えてくれる。」 彼は集中して自らのマインド・ブレードを再構成し、それを両手で握り直す。

「ひび割れた器の分際で面白い冗談をほざくものだ、背教者。だがもう貴様の引き出せる力は、クォーリの魂からのそれだけだ」 彼女がそういう間にもその刃はねじれて伸び、節くれ立ち、カミソリのように鋭い刃の付いた鎖を持つ、輝くフレイルにその姿を変えた。一瞬の早業で思考略奪者が鎖を刃に絡ませた次の瞬間、シラレスの手から剣が消える。彼の手から離れた剣は瞬時に雲散霧消し、空っぽの手が残った。「そして、どうやらお前は私と戦うにはあまりに未熟だったらしいな」

 

戦争はカラシュターが受け継ぐ負の遺産である。反逆者の魂が破壊されるまでインスパイアドは休むことはなく、この目標を達成するためにカラシュターを最後の一人まで殺し尽くすだろう。リードラの無数とも思える軍と日々戦うことで、アダールの人々はこの戦いに直面しているのだということを否が応にも自覚させられる。コーヴェアではインスパイアドの勢力は限定されており、これは目的を果たすため社会の裏に隠れ、陰謀を用いねばならないことを意味する。ブレランドにいるカラシュターはリードラの軍勢を恐れる必要はないかもしれないが、誰がドリーミング・ダークのエージェントであるか分かった物ではない。

この戦いは千年以上に渡って続けられており、終わりは全く見えない。であるので、クォーリの魂を受けし者(カラシュター及びインスパイアド)は常に次なる戦いに備えている。

殆どのクォーリは鋼と木で出来た武器は絶望的に粗雑であると考えている。ダル・クォールの子らは死を与える思考を武器として戦いに臨む。大部分はサイオンの純粋な技を学び、夢の次元界の住人である彼らが夢を形作るように現実を改変する。一方で物理的な戦闘に焦点を合わせ、自らの肉体、あるいは思考を具現化したもので戦う。

クォーリ・モンク――影の道

多くのカラシュターがシーシャン・タラーラシュ・デシャナー(sheshan talarash dasyannah)――「影と踊り光に至る道」、あるいは一般的に「影の道」と呼ばれる武術に通じている。これは運動、瞑想、戦闘訓練、また芸術的表現のために活用される。影の道は美しさと人を夢心地にさせるような不思議さを兼ね備えた流水の如き技であり、滑らかかつ激しい動きを持つ。この道において純粋に舞踊としてこれを学ぶ者は「光の中にいる」と言われる一方、戦いに備えて訓練を積む者は「影と向き合っている」と表現される。多くのものはモンクとしてこの道を修めるが、特技と技能を積み重ねてこの技の熟達を目指す者もいる。平衡感覚、軽業、芸能(舞踊)は影の道の主要な技能であり、素手打撃強化、攻防一体、回避、強行突破、及び隠形の舞(サイオニックハンドブック)が重要な特技である。カラシュターのモンクはしばしば修道士の訓練特技を取り、マルチクラスの道を歩む。

インスパイアドは影の道を奉じないが、独自の修道院の伝統を持つ。それぞれの種類のクォーリの精神の本質――ドゥーロラ(du'ulora)の純粋な力、ツコラの狡猾さなど――を反映して異なった武道が発達しており、モンクの修行を積む「空の肉体」はいずれ彼に憑依することになる精神に適したそれを学ぶ。

クォーリ・ソウルナイフ

クォーリは夢と悪夢の精霊である。鉄、石、木は鈍く、生気に欠けた代物である――クォーリは思考と感情を用いるのを好むのだ。その結果、物理的な戦闘の道を歩むカラシュターとインスパイアドはしばしばソウルナイフの力を身に付ける。

カラシュターないしインスパイアドのソウルナイフを作成する時はそのマインドブレードの外観について考えるべきである。多くのソウルナイフの場合、マインドブレードは単なるエネルギーの刃である。しかしクォーリの魂を持つキャラクターにとって、武器は精神の内面の表現でありキャラクターの個性と本質を反映する。マインドブレードは物理法則で縛られることはない。純粋な思考で形成された武器はかみそりのように鋭い破片が無数に寄り集まった形状ともなれば、黒いガラスの刃、白く輝くクロスボウ・ボルトであるかもしれない。これらの形状的変化はマインドブレードの能力には影響しないが、光の道のパラディンとドリーミング・ダークの暗殺者を明確に区別し、キャラクターに彩りを添えるために大いに役に立つだろう。

三つの道

クォーリの戦士は通常三つの異なったクラスに分かれる。モンク、ソウルナイフ、サイキック・ウォリアーである。どれか一つに専念するクォーリがいる一方、これらを一つにする三つの伝統的な道――ジラシュトラ(jilashtora)、オジラシュタ(ojilashta)、およびタシャラントラ(tashalantora)が存在する。これらはカラシュターとインスパイアドの双方に見られ、同じ伝統に従うクォーリのうち優れた者は憎みあう敵からも渋々ながらの敬意を受ける。

ジラシュトラ(jilashtora):”流れる刃(Flowing Blades)”

クォーリの戦士の大部分はジラシュトラ、すなわち流れる刃である。この道はソウルナイフとモンクを結ぶ。すなわちジラシュトラにとって思考と己の拳は一つのものである。後述の「流れる刃(Flowing Blade)」特技と共に、強行突破、回避、攻防一体がジラシュトラに一般に見られる。その流水の如き動きがジラシュトラの証であり、軽業と芸能(舞踊)がこの伝統に従うもの達にとり重要な技能である。

オジラシュタ(ojilashta): "刃を生むもの(Bladeshapers)"

オジラシュタはソウルナイフとサイキックウォリアーの道を結合する。オジラシュタは彼女のマインドブレードを強めるためにサイオニック能力を用い、その時々の状況に応じて臨機応変に武器を作り直す。オジラシュタは鋼の刃を用いるものが決して出来ないような方法で夢の刃を振るう。

ソウルナイフのキャラクターは自分のマインドブレードを決まった形でしか形成できないが、サイキックウォリアーの「コール・ウェポンリィ」によってこの限界を超えることができる。これによって彼女は臨機応変にいかなる武器でも生み出すことができる。遠くの敵には弓、武装解除または転倒させるためにフレイル、犠牲者を生かして捕らえたい時はサップ。オジラシュタが「コール・ウェポンリィ」を用いる場合、武器を召喚するのではなく自らのマインドブレードを変形させて新たな武器を生み出したものとする事ができるが、変形させた武器はあらゆる特技及びクラス能力においてマインドブレードとは扱われない。

この他にもオジラシュタは武器に特殊能力を加えたり、サイオニックの鎧を生み出すようなパワーをマインドブレードの変形として生み出す(ように演出する)事ができる。例えばディゾルビング・ウェポン、イナーシャル・アーマー、フォース・スクリーン、メタフィジカル・ウェポン、プレヴェノム・ウェポン、ヴァンピリック・ブレードなど。

タシャラントラ(tashalantorat):"流水意拳(Fists of Fluid Thought)"

タシャラントラは三つの中でももっとも珍しい、モンクの武芸とサイキックウォリアーのパワーを結合させる道である。機能的にはこれはサイオニックハンドブックに提示されたフィスト・オブ・ズオケン上級クラスに等しい。オジェストラが戦闘的なパワーに偏るのに対し、彼らはバースト、カメレオン、コンシール・ソウトと言った隠密と潜入の技を磨く傾向にある。

 


クォーリの中でもっとも一般的な戦闘スタイルはモンクとソウルナイフのそれを合わせたジラシュトラのものである。DMの裁量でこの伝統を表現するために以下の特技の取得を許可しても良い。

流れる刃(Flowing Blade) [一般]

あなたのマインドブレードはあなたの精神と肉体の延長であり、あなたはそれを自らの手足と同じ優雅さで振るう。

前提条件:マインドブレード、武器習熟(マインドブレード)、連打のクラス能力

利益:マインドブレードを用いて連打を行える。

特殊:カラシュターとインスパイアドのモンクは2レベルか6レベルのボーナス特技としてこれを取得できる。前提条件は全て満たしていなくてはならない。