ここはかつて研究室にして蔵書室として使われていたが、現在では衛兵詰所として用いられている。
この半円形の部屋はなかば屋外だ。開いた窓から凍てつく寒風が吹き込み、露出した垂木には、樹氷のように氷が張り付いている。東壁には大男が手を伸ばせば届くと思われる、何も置かれていない棚が並んでいる。中央は十分なくらい開いている。人間の肩口まである粉砕されたテーブルと、オーガでも座れるほど大きい擦り切れた椅子がいくつか置かれている。 |
クリーチャー:ハイニア、もしくは1対のエティンからなる見張が常時警戒を続けている(どちらがいるかは半々だ)。ハイニアが監視を離れている間は自室に戻る(第2区画)。エティンたちは自身の兵舎に戻る(第3区画)。
ハイニアは鱗のある皮膚に邪悪そうな目を持ち、2本の小さな角が前頭部から突き出ている。彼女は角を隠す頭巾をかぶっている。しかし彼女の全体的な様子は異界風であり、PCを警戒させるべきである。〈知識:次元界〉判定難易度10に成功することで、彼女がティーフリングであることがわかる。
ハイニア Hoinnia ;女性のティーフリング・ローグ7:ヒット・ポイント31
エティン Ettins (2体):ヒット・ポイント65;MM38ページ参照
エティンは鎧の下に防寒具を着込んでいる。
戦略:ハイニアとエティンたちは部屋の開かれた窓から外部を監視することを任務としている。もしエティンたちが何者かが接近しているのを発見したなら、1体が窓を閉め、もう1体はハイニアを呼ぶために第2区画に移動する。エティンは来客が近づく邪魔をしないように命令されている。そこで彼らは攻撃されるまで、あるいはハイニアが合流するまで部屋に残るエティンは無言でPCたちを監視し続ける。
窓際に立つことにより、エティンは遮蔽を得る(ACに+4)。もし攻撃を受けたなら、彼はジャヴェリンを投げるかクラブを振り回す。もし敵が近接間合いとジャヴェリン射程限界をともに超えているのなら、彼は冷静に窓を閉じて掛け金で締め、それから第4区画に移動して閉じた扉に楔を撃つ。
もしハイニアが警戒中に誰かが近づいてきたのなら、もしくは彼女が呼ばれて部屋に来たのなら、彼女は新来者を歓迎してそれらが彼女のために何を持ってきてくれたかを尋ねる。回答の内容によらず、彼女はそれらが塔に入る手伝いはしないまでも、彼女は来客をもてなそうとする。
もしこの部屋が戦場になったなら、第3区画のエティンの見張りは2ラウンド後に合流する。もしハイニアがここにいるのなら、彼女は早々に第2区画に撤退し、展開で述べるように静かに任務を遂行する。
戦いとなった場合、ハイニアは〈軽業〉を駆使して危険な敵を避け、可能な限り《急所攻撃》を行う。彼女は第3区画のエティンが来援するまで侵入者を足止めし、その後〈軽業〉を使って離脱する。戦いを離れた後、彼女は追跡を撒くためにダークネス 能力を使い、そしてピュンノーキを見つけるため第2階層第7区画か第3階層第10区画まで泳ぐ。ハイニアは数時間ごとにピュンノーキからウォーター・ブリージング 呪文を受け取っている。そのため彼女は通常、塔の下階層での呼吸について頭を悩まさなくてもよい。もし彼女がディスペル・マジック 効果のためウォーター・ブリージング を失っているのなら、彼女は自室(第2区画)に赴き、そこでしまっておいたウォーター・ブリージング・ポーション を1本飲む。
展開:この部屋の窓は内部からでも西方への開けた視界を与える。衛兵はその方向から塔に接近する可視のクリーチャーを問題なく発見できる。
もしPCが平和裏に塔に入るなら、ハイニアはしばらくの間彼らと談笑する。もし彼らが彼女の異界的特性のため彼女を信用しないのであれば、ハイニアは彼らに他者をその容姿によって判断すべきではないと注意する。ハイニアの顔はかなり正確に彼女の性質を反映しているが、彼女は〈はったり〉に長けている。特に怪しむPCは〈真意看破〉判定を行うことが出来る(ハイニアの〈はったり〉との対抗判定で)。キャラクターが判定に失敗した場合、ハイニアは信用できる人物と思いこむ。判定に勝利した場合、彼女はその容姿が示すように嫌らしい人物であることがわかり、彼女は戦闘準備が整うまで来客を引き付けておこうとしていることを看破する。
もしPCが攻撃までハイニアと談笑を続けるのなら、彼女の雇用者が懸命な女性であり、彼女自身が鳥や鳥類クリーチャーに対して非常に造詣が深いことに気づく。会話中、ハイニアは〈真意看破〉を用いてキャラクターが何の目的で塔を訪問したかについて理解しようとする。
彼女がPCたちを侵略者と位置づけたなら、彼女は敵が油断している隙に《急所攻撃》をするため先制攻撃をかける。それから彼女は大声で助けを求める。ハイニアは巨人語を解さないためエティンに細かい命令を与えることはできないが、彼らは彼女の雰囲気を理解する。彼女は可能であるなら戦闘から離脱し、そして上記の戦略欄で記したようにピュンノーキの元に向かう。
もしハイニアがPCたちは無害であると判じたなら、彼女は彼らを快適に寛がせ、その後ピュンノーキの元に赴く。部屋を去る前に、彼女は来客たちに、この塔は古いため不慣れな者は危険であると告げ、この部屋を動かないように注意を与える。彼女の警告は真実を含んでいる。彼女は彼女が立ち去った後、PCがこの塔を荒らすことを望んでいないからだ。
もしエティンがここを守備している間に第2区画か第3区画に侵入されたなら、1体のエティンが確認のために2ラウンド後に出発する。2体目のエティンは最初のエティンが戻らなければさらに2ラウンド後に出発する。