エルダー・イーヴルが大地から解き放たれた際、生き残った狂信者たちは旅に同行するため異形の内部に入り込んだ。これらの下僕が見いだした運命は、恐るべきデーモンの手によって与えられた非業な死であった。この集団の数少ない生き残りは、〈麗し〉のレアスとその仲間だけであった。彼らは強力な存在であるが、それでもエルダー・イーヴルの中に集った諸力を恐れており、彼らの橋頭堡を離れて冒険をするなら、間違いなく死者の列に加えられてしまうと信じていた。
寺院に入ってからこちら、レアスは〈タリズダンの宝石〉を破壊するという強力な強迫観念に悩まされていた。彼は仲間に手伝ってくれるように依頼したが、そのような危険な仕事に命を賭けるつもりはないと断られていた。
彼らは〈闇の神〉に仕えた報酬がこのように報われない結果であることに失望していた。しかし、彼らは贖罪の機会がめぐって来ると思うほど世間知らずでもなかった。従って、冒険者パーティーに対面する際、各聖堂騎士は死を賭した戦いを行う心構えを済ましていた。
PCが部屋に入ったなら、彼女らは戦術的遭遇を引き起こす。
戦術的遭遇:遭遇レベル23 |
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準備
幾度もの死をくぐり抜けて来た、〈闇の神〉の悪名高きクレリックであるレアス。彼は個人的な護衛 ‐ デスドリンカー ‐ を狂信者最後の砦を守護し、豪胆な冒険者を撃退させるべく第17区画に配置した。もしレアスや彼の同胞がデーモンやアスペクト・オヴ・オボクスオブの戦闘音を聞きつけたなら、レアスは[冷気]化ファイアー・ストーム 呪文を待機して、扉を抜けてくる最初の者に発動する。一方アザギールは突撃を待機する。ヴェイディスは自室に引き下がっており、そしてこの部屋で戦いが起きたなら出陣する。
人物配置は住民がPCに気付いていると仮定した場合である。気付かなかった場合、アザギールとレアスを共に自室に配置しろ。PCがこの部屋に入ったなら、読め:
扉の先には、泡立つグリーン・スライムの海が広がっていた。両側には、揺らめく松明が差し掛けられ、青白い炎を発している。壁を構成する奇怪な物質に、鉄の壁が埋め込まれ、あたかも部屋がしつらえられているように見えた。 ブレストプレートを着込み、グレートソードを手にしたハーフオークが突撃してくる。部屋の奥の壁際に、パープル・ローブをまとった背の高い金髪の男がいる。彼の顔は片側が非常に魅力的であるが、反対側はぞっとするように醜くゆがんでいた。 男の背後には、巨大な祭壇がある。それは二段重ねになった逆ピラミッド型をしていた。 |
ヴェイディスが現れたなら、読め:
人間よりは大きいがオーガよりは小さい、大きな人型生物がのっしのっしと歩み出して来た。それはエナメル塗りの黒いフルプレートを着込み、極端に大きなグレートアックスを手にしていた。彼は「タリズダーン!」と雄叫びを上げると突撃してきた。 |
〈激昂〉のアザギール Frenzied Raging Azugel :ヒット・ポイント255:脅威度20
〈麗し〉のレアス Lareth the Beautiful :ヒット・ポイント133:脅威度20
〈吸血〉のヴェイディス Vadaeth Bloodseeker :ヒット・ポイント183:脅威度20
戦略
聖堂騎士のいずれも共同戦線を張らずに独立して戦うが、矜持を保つため互いが可能な限り多くのPCを倒そうとする。3人のうち、アザギールは最も単純だ。第1ラウンドに、彼は鎧の能力を起動すると、《狂乱》状態になり最も近いキャラクターに対して突撃する。彼は20ポイントをつぎ込んだ《強打》で至近のPCを攻撃し、最低でも80ポイントのダメージを与える。もし彼の攻撃が対抗者に命中しなかったなら、彼は《強打》を5ポイントまで減少させ、同じ対抗者を飽くまでも狙い続ける。
レアスはアザギールの突撃を受けて、まずダメージ呪文を直撃させようとする。もしエルダー・イーヴルの印が減衰しているなら、レアスは《呪文発動時間短縮》したサモン・モンスター[ を発動し、続いてサモン・モンスター\ を発動する。レアスは近接戦闘を好まないが、避けられない状況であるなら、彼はライチャス・マイト とディヴァイン・パワー を発動する。
ヴェイディスは第1ラウンドにアンホーリィ・オーラ とデーモンハイド 呪文を発動する。彼は登場と同時に秘術魔法使いに対してホリッド・ウィルティング を発動し、その後に近接戦闘を行う。
これら3人の聖堂騎士はいずれも死ぬまで戦う。
区画の特徴 Features of the Area この区域は以下の特徴を持つ。 照明 Light:この部屋は壁沿いに消えずの松明が配置されている。壁から20フィートまでは明るく照明されており、40フィートまでは薄暗い照明となっている。 悪性グリーン・スライム Virulent Green Slime(脅威度10):この部屋の中央は不快なグリーン・スライムのプールとなっている。スライムは接触した者に毎ラウンド2d6ポイントの【耐久力】ダメージを与える。接触したスライムは剥がすことが出来ない。スライムを剥がすためには犠牲者に[冷気]か[火]ダメージを与える必要があり、その場合は自動的に破壊される。リムーヴ・ディジーズ 呪文は悪性グリーン・スライムの5フィート平方を破壊する。悪性グリーン・スライムは金属の硬度を無視し、木材や金属に対して4d6ポイントのダメージを与える。 |
囚人との対話 Taking Prisoners
捕われの聖堂騎士は完全に非協力的であり、扱いに困る囚人であることが分かる。3人のうち、レアスだけが〈宝石〉を破壊することなくポータルを通り抜ける方法を知っている。しかし、彼はそれを告白することでタリズダンが厳しい罰を与えることも知っているため、これを明らかにしようとはしない。これは[魅惑]や[強制]呪文における「自殺的行為」として扱われる。もしPCが他の2人を〈威圧〉するなら、彼らは〈エッセンス〉に到達する鍵が〈宝石〉であるかもしれないと信じていることを認める。