正者の行進

CREDITS

Design: Owen K. C. Stephens
Editing: Penny Williams
Typesetting: Nancy Walker
Web Production: Julia Martin
Web Development: Mark A. Jindra
Graphic Design: Sean Glenn, Cynthia Fliege

Based on the original DUNGEONS & DRAGONS® game by E. Gary Gygax and Dave Arneson and on the new edition of the DUNGEONS & DRAGONS game designed by Jonathan Tweet, Monte Cook, Skip Williams, Rich Baker, and Peter Adkison.

正者の行進は5レベル・キャラクター用の短冒険である。このシナリオは神秘的な、PCがこの世界における自身の立ち位置と究極の目的について考える機会を与えるものである。このシナリオには最高潮になる前にキャラクター内で討論し議論するような複数の機会があり、最高潮には恐らく戦闘になる。

この冒険での事件は彷徨う信徒の一団を中心として起こる。君のキャンペーン・ワールドのほとんどどこででもこのシナリオは起こせるが、強力な憲兵や巡回員が信徒を見張っていない地で最もよく機能する。道と路傍にある旅籠がこのセッティングで要求される唯一の要素である。いつものように、自由にここにあるものを君のキャンペーンで機能するように修正してよい。

準備

君(GM)にはこの冒険を運用するためにCore RulebookBestiaryが必要である。

始める為に、この冒険を印刷すること。シナリオを少なくとも1回は通して読み、状況、脅威、そして主なNPC(特にその動機)を把握しておくこと。冒険の概要にはPCが妨害しないと想定しての特定の起きる出来事の順序が詳述されている。

背景の違う箱の中にある斜字体の文章はプレイヤーへの情報であり君はプレイヤーたちに適切な時に大声で読んだり言い換えてよい。

冒険の背景

数年前、死霊術師ビュール・タンゾンの墳墓は、そこに埋められていると噂されていたある悪の聖遺物を破壊しようとしていた冒険者の一隊によって開かれた。墳墓はアンデッドで満ちていると予想していた彼らは事前に準備し、アンデッドどもにエネルギー放出を与える為に複数のクレリックを伴ってきた。そうしてさえ、迎え撃ってきたアンデッドの軍勢を圧倒するのは至難の業だった。激しい抗争の最中に英雄たちと合流していたより経験を積んだ僧侶が最強の相手とやりあい、一方で若い僧侶はゾンビや他の下位アンデッドにエネルギー放出をした。数日をかけて、増強された一行は墳墓の最下層へと到達し、アーティファクトとかつてタンゾンであったレイスの両方を破壊した。

英雄たちは墳墓で見つけたアンデッド・クリーチャーそれぞれは打倒したが、全てを破壊できたわけではなかった。特に、ゾンビの大半は若い僧侶によって退散させられ精神ないまま拡散していき、彼らにとっての入り口から出ていった。気の遠くなるような距離を移動したゾンビたちはついに小さなイーヴンファードの村を見つけ、攻撃した。

村にいたほぼ全員は血まみれの暴行により殺され、そして僅かな生存者は逃げた――ウォー卜という少年を除いて。自分の家の地下室に隠れながら、彼は煤けたガラス越しにゾンビが見つけた者を手当たり次第に殺害しているのを、そして家族や友人の死体が道に転がっているのを観た。

墳墓の攻略を完了すると、英雄たちは逃げたゾンビの追跡へと動き出した。彼らがイーヴンファードに現れゾンビを虐殺した時には、村にとってはもう手遅れだった。死体の埋葬後、彼らは生存者を捜索し、地下室でウォー卜を見つけた。少年は受けた精神的外傷の割にはそう異常はないようだったが、彼は実際は多少以上に狂ってしまっていた。英雄たちが、自分らが略奪していた墳墓からゾンビが逃げたのだと説明した時、ウォー卜は自分の「救い手」が我が家の壊滅の究極的原因であると認識し、彼の精神はその事実に執着した。

英雄たちはウォー卜を格別な質の孤児院に入れ、そこで彼は朗誦の業を学び言葉で人々を動かす経験を積んだ。自分の村が破滅へ至った経緯を理解する為に、彼は寝食を忘れて本を読み漁った。歴史や伝説を研究するうち、1つの事実が水晶のように明瞭になった:悪が栄える時、英雄が来てそれを打倒する。しかし、そういった英雄たちも単なる定命の者である事は変わらない。彼らはただ悪に対抗する為、虚空から完全に形成された状態でひょいと跳び出たわけではない――彼らは悪が隆盛する前から存在していた。そうして、ウォー卜の混乱した頭脳は、英雄という存在そのものが、最初に悪という存在を生み出すのだと結論づけた。英雄が悪を止めなければ、悪は存在しないのだと。

そのような理由により、ウォー卜は英雄の文化そのものが社会にとって非情であり、それを助け誉めそやす者は狂っていると結論づけた。そしてこの正者は社会を良くする為に全ての英雄を排除すべきという道徳を持つに至った。

ウォー卜がこの意見を指導を受ける者に説明する時、受講者たちは即座に反論し、悪は独立して起こるのであり、英雄への対応ではないと主張した。それに納得したわけではないが、ウォートは教育を完了させたいのであればもっと知恵を付けなければならないと学習した。彼は英雄たちを直接殺す事も不可能だと認識した、彼らは直接的な脅威を圧倒する事に慣れすぎている。より有効な技は、英雄を支援する文化や居住地を破壊することだ。この目的に向かって計画を始めた時、ウォートは単なる狂人から真なる悪へと転落した。

成人の年齢に達するとすぐに、ウォートは孤児院を出て未来図を実現させる為に行動を始めた。説得力のある話し手である彼は自身を平和主義者と表現し、あらゆる形の暴力を否定する説法をした。すぐに、暴力は誤りであり悪の始まりであるという彼の言葉に賛同した者たちが町から町へと彼に着いて行き始めた。彼らの手助けもあり、彼は平和の為には――それが悪への暴力であろうと――暴力に頼る者への手助けは断らなければならないと町民を納得させる組織的活動を始めた。町がこの考えのもとに団結すると、ウォートはそこを平和の地と宣言して離れ、見守る数人の信徒を残した。

定命の者は弱く、新たなる危険と対面した時に道徳を忘れがちなことを知っているウォートは、平和の地の非暴力の称号をどう維持するかについて系統立てられた訓練をする信徒を残したのだ。彼の離脱から数週間で、そうした信徒たちは住人を無力化し、そして離れ、町を付近の敵対的な勢力に対して脆弱にした。そうして、平和の地の多くはオークの略奪隊やアンデッドの攻撃によってウォートが離れてからたった数週間で滅んでいる。ウォートはそうした町の住人を殉教者として扱い、その町で育つかそこに暴力を持ち込みさえする英雄を非難する。最終的に、彼は信徒の活動によって王国中を支配したいと願っている。

正者として知られるウォートの信徒は戦争に適するスタッフ戦闘の伝統方式の鍛錬を受けている。彼はこの鍛錬は支持者が長旅や直面するであろう過酷な状況にも耐えられるよう強壮かつ丈夫であるよう、純粋な健康目的であると主張する。実の所、彼は時折支持者たちを、小さな農家や荒野にある宿屋が英雄や冒険者達を押し返すよう強要する粗雑な軍隊として使っている。そのような目的に対しては、彼は他者に非暴力を強要する為に暴力を使用するという論理に疑問を抱かないほど忠実な支持者のみを使っている。

ウォートの支持者は狂信的なほどに彼に献身しており、心から彼の狂気の計画を手助けしている。彼は狂気への長い道を彼と歩む者に対してゆっくりと少しずつ小さな革新と変化を紹介していき、最終的に彼らは質問することなく暴力の求めを受け入れるようになってゆく。彼の偶の暴力の理論に気付いていない少数の者はそのような証拠を信じることを拒否し、そしてウォートの策動には理由があるに違いないと主張する。個々の教養がどれほどであろうと、正者たちは全員完全にウォートに骨抜きにされ、人々がただ英雄になろうとするのをやめるだけで人型生物は平和と幸福を持てると信じ切っている。

そうして、ウォートの言葉は数個の町の完全なる破壊だけに留まらない、彼の英雄のいない人生という言葉は未だ拡散を続けているからだ。しかし彼の権力は支持者数を増やすとともに着実に成長していっている。ウォートは幾つかの魔物の来訪者たちの注目さえ引くようになり、その一部は彼の悪性と話術が自分の計画に使えないか興味を持ち始めている。

冒険の概要

このシナリオでの出来事はPCが調停を選ばない限り以下の順序で進んでいく。彼らがそうする場合、彼らのアクションによって必要に応じて連続する出来事を修正すること。

この冒険はPCが魔の鳥がウォー卜の信徒に攻撃しているところに遭遇するところから始まる。このクリーチャーは実はウォートはどれだけ忠義を得ているかを試すため下級の魔物たちが代理人として送った存在である。そのすぐ後に、ウォー卜と正者の集団は巨人の刃亭と呼ばれる路傍の旅籠を訪れる。ウォートは宿屋の主人モリガンにこの宿を平和の地であると宣言させ、武器や魔法の衣装を纏う者への持て成しを断らせようと説得を試みている。モリガンはその要請を断るが、ウォートとその支持者たちがこの宿屋に無料で留まることを認める。

その夜、ウォー卜は狂気の預言者に関心を持っているフィーンドからの密使であるグレーター・バーゲスト、サーラアドの訪問を受ける。サーラアドはウォー卜に彼の支持者を犠牲に捧げれば強大な力を与えようと申し出る。この申し出はこの魔物の最終試練である――ウォートが自分の為に忠実な支持者たちを自らの意思で殺す場合、彼は悪の真なる代行者となれる。ウォー卜が同意すると、サーラアドはダイア・ウルフの姿を取り彼の相棒として振る舞い始める。

新たな力を得て大胆になったウォートは次の朝旅籠の談話室で雄弁に語り、常連客を正者の信徒に変えようと試みる。どれだけの数変えられるかはPCがいるかどうか、そして彼らの行動にかかっているが、試みの終わりに、モリガンは正者全員を彼の建物から蹴り出す。その夕、ウォー卜はモリガンの娘であるアンゲルの誘拐のため数人の信徒を送る。彼らは宿屋の主人に選択を迫る走り書きを残す――娘の死か、あるいは公にウォートの大義を手助けするか。走り書きにはモリガンがウォートと会い、そして正者の1人となる場所が詳述されている。

PCが介入しない場合、最終的にウォートはモリガンを改心させ宿を平和の地にするが、彼はそうする為にアンゲルを殺したと主張し、宿の家族の残りを脅かさなければならない。これらの出来事がPCたちの耳に届いた時、彼らはウォートを追って妥当と思える正義を与える新たな機会を得る。彼らがそうしない場合、ウォートは背後の魔物の手助けもあり権力を増していき、キャンペーンにおけるより危険な勢力となる。

冒険の導入

GMである君こそが、君のキャラクターたちを冒険に巻き込む最良の方法を知っている。望むのであれば、君は以下のとっかかりで自身の想像力を刺激し、これらのとっかかりを必要に応じて君のキャンペーンあるいはキャラクターに合うように修正してよい。

冒険の開始

正者の行進は拠点型の冒険であり路肩にある宿屋の中とその周辺でアクションのほとんどが起きる。この冒険はキャラクターが下記の遭遇1に達した時に始まる。冒険の間のいずれかの時に、キャラクターはこの状況を少し調査することを選択できる。

調査

キャラクターがウォー卜の出自と活動の調査に時間をかける場合、捜索者は〈交渉〉判定を試みてもよい。以下の表の結果と比べること。キャラクターは自身の判定結果以下である全ての情報を得る。

ウォー卜の現在の計画を明らかにするのに判定は必要ないが、彼の背景についての知識に触れるには、PCはいい結果を出さなければならないだろう。

判定
結果
取得情報
15 ウォー卜は孤児院で育った。
20 彼は両親をイーヴンファード町がゾンビに全滅させられた時に失った。
25 孤児院にいる間、ウォー卜は英雄は悪と辛苦を引き起こし、だから排除すべきだという信念を語っていた。最近、彼は複数の町全体を英雄に対して敵対的に変えている。
28 ウォートが平和の地を宣言した町は全てほんの数ヶ月で全滅している。それが平和主義者がこの過酷な世界で受ける命運である。

1.正者の斥候(EL5)

achaierai-map.jpg

PCがウォー卜とその支持者が現在活動している地へと向かって旅している時に以下を大声で読むか言い換えること。

葉の擦れる音だけが、うねる田舎道の異常な静寂を妨げている。通常、このような田舎道には動物の生活音、虫の羽音、そして鳥の歌がするものだが、ここに動くクリーチャーはいない。危険の迫る感じがしてくる。

突然、静寂は命からがら逃げる人々の叫びによって破られた。前方のくねる道から簡素なローブを着て木製のスタッフを運搬している6人の人間が現れた。彼らの奥から走ってくるのは怖気の走るような鳥1羽であり、そのギラついた恐ろしい目は悪意に滲んでいる。距離が近付くにつれ、ローブを纏った姿のうち数人は引き返し、スタッフで自衛を試み始めたが、どう見てもこの怪鳥に敵わない。

ウォー卜の強大な悪と増大する狂気は様々な悪の来訪者の興味を惹きつけ、その何人かは彼なら悪の僧侶の役割を果たせる、あるいは地獄の戦場の将軍さえこなせるかもしれないと考えている。

クリーチャー9人の人間はウォー卜が危険の確認のため偵察に宿営地へと送り出した正者の信徒である。彼らはついさっきまで何の問題も見つけられなかった。

信徒を追う鳥はアケイライであり、それはウォー卜がその支持者に脅威が迫った時どう反応するか観察するようフィーンドにここに送られた。

アケイライ CR5

Bestiary 2

XP1,600

hp45(6d10+12)

信徒(9) CR1/3

付録参照

hp11


戦術:ウォー卜は彼らに戦えとは言っていないため、信徒は単に逃避を試みる。最初のラウンド、それぞれは防御的戦闘をしたあと移動し、次のラウンドは防御専念アクションを使用しながら5フィート・ステップする。以降のラウンドはそれらのアクション一式を繰り返す。彼らはそのような戦術では助からないだろう事は知っているが、ウォー卜は何も命令していないので暴力を振るうよりむしろ死んだ方がマシと思っている。PCがその振る舞いに介入した場合、信徒たちは逃げ出す。

アケイライはまず近接戦闘者を狙い、術者を後回しにする。(高いSRのため、彼らが危険性を明かすまで術者についてはそれほど心配しない。)アケイライは自身の出身次元界の安息地まで逃げられないため、死ぬまで戦う。

進展:PCたちがアケイライを殺害した場合、彼らはいくらか離れたところで信徒たちが傷を手当しているのを見つける。信徒たちは彼らに感謝し、朝に道の横にある宿で出会う際に心の師、正者ウォートからのお礼を約束する。そして彼らは、PCたちはあのクリーチャーには暴力を使わずただ追い返しただけなのだろうという願望を口にする。そうでないと伝えると、彼らはキャラクターに暴力の悪性について教導を始め、暴力を振るうくらいだったら死んだほうが良かったと主張する。願望を黙認した場合、信徒たちはウォートの強さについても語り、彼を平和を広める賢い聖人であると賞賛するが、彼の実際の過去については明らかにならない。(彼らは何も知らない。)

信徒たちはウォートを待つ予定の宿屋まで同行するという申し出に対しては感謝しながら受け入れるが、そのようなことを直接彼らに頼むことはない。

2.正者の行進(EL6)

次の朝に巨人の刃亭が視界に入った時に以下を読むか言い換えること。

前にあるのは大きな、よく手入れされた路傍の旅籠である。玄関の上に貼られている木製の看板には大きすぎるソードの絵と「巨人の刃」という言葉が書かれている。焼きたてのパンの匂いが建物から漂ってきて、騒がしい冗談の応酬の音が石の壁の内側から聞こえてくる。

前方のどこかから大きな歌声が近付いて来る。歌詞が全て明瞭というわけではないが、「共に生きよう、平和に生きよう」という言葉が時折繰り返されているのは分かる。音が近付くにつれ、人々を従えた背の低い赤髪の男が見えて来る。全員簡素なローブで身を包み錆びた杖を携帯している。

巨人の刃亭はモリガンという名前の引退した冒険者が所有する、素晴らしいと評判の店だ。

クリーチャー:正者ウォー卜と24人の平和主義者の信徒がちょうど巨人の刃亭に着いた。

正者ウォー卜 CR4

XP1,200

付録参照

hp39

信徒(9) CR1/3

XP135

付録参照

hp11


戦術:戦いを強要された場合、ウォー卜は即座に不可視状態になり、彼は次のラウンドにサモン・モンスターIを発動する。その朗誦の一部として、彼は信徒に敵の中で最も頑丈そうな闘士を傷つけず、そして脅かすなと命令する。その次の2ラウンド、彼はブラーを自身に発動し、必要に応じてパール・オヴ・パワーを使用する。そして彼は敵の中のその最も頑丈そうな闘士をチャーム・パースン呪文の目標とし、自分を守れと命令する。ウォートが対抗【魅力】判定に失敗してさえ、魅了された人物が誰かにウォートに重症を負わせることを認めるとは考えにくい。その後、ウォー卜はヒディアス・ラフターを使用しフレアで従者を援護する。彼はキュア・ライト・ウーンズ呪文を自身に使用できるよう備える。

ウォートの支持者は彼の為なら何の疑いもなく死ねる。彼らは身を投げ出して彼を助け、遠くから彼を攻撃する者を総がかりで攻撃する。彼らは彼の命令それぞれに従う――それには特定の敵を攻撃するなという司令も含まれる。戦闘でその特定の敵の攻撃を受けてさえ、その一撃を受けた正者は不平も言わず報復もしない。

ウォー卜が死んだ場合、宿にいる支持者は死ぬまで戦う。現在ここにいない者は統率者なしの教団に居続ける意志を失う。

進展:攻撃されない場合、ウォートは斥候に暖かく感謝し、そして不審そうにPCたちを見る。信徒は最近の出来事をウォートに説明し、それにはあればPCたちの干渉も含まれる。説明を終えた時に以下を大声で読むか言い換えること。

「私はウォー卜と呼ばれる者、そして彼らは正者です」赤髪の男が言う。「あなた方の厚意には感謝しますが、あなた方にもう私どもの為に暴力を振るうことのないよう頼まなければなりません。どのような形であれ暴力は私どもの信念に対する冒涜であり、私たちは誰かが私たちの為に他のクリーチャーを攻撃するという罪を犯すくらいなら死んだほうがマシと考えています。貴方たちがただ助けようとしただけであることは分かっていますが、もし本当にこの世界の為に尽くしたいのであれば、あらゆる形で暴力を捨て、私たちと共に歩みましょう。」

ウォートはこの議題で討論したいという彼の意見に同意は得られないことを見て取る。PCたちが彼の言葉に耳を傾けることに興味を持っているように見える場合、彼は彼らを、宣教する予定であった巨人の刃亭の常連への話を聞くよう招待する。PCたちは正者たちの中ではウォート以外の立場から手助けを得ることはできない。信徒は完全に統率者とその理想に傾倒しているため、何らかの弁解は耳を塞がれる。PCたちが助けた者たちがあの状況を容認したとしてさえ、彼らは死なせた方が良かったのだ。

PCが宿屋に入ると決めるか離れると決めるかした時、以下の遭遇3に進むこと。

3.正者の挨拶(EL5)

数分後、宿屋の外での揉め事は経営者の興味を引く。

クリーチャー:モリガンは外の騒音を聞くと、長女のアンゲルと2人の息子ダークとレインスに警告する。

Paizoの公式無料シナリオA Vision of Betrayal出典の地図。合っているのは内装だけです。
ダークとレインス CR1/2

男性の人間レンジャー1

NG中型の人型生物(人間)

イニシアチブ+3;〈知覚〉+5

防御

AC16、接触13、立ちすくみ13(+3鎧、+3【敏】)

hp12(1d10+1+1)

頑健+3、反応+5、意志+1

攻撃

移動速度30ft.

近接ロングソード+3(1d8+3)

遠隔コンポジット・ロングボウ[+2【筋】]+4(1d8+2/×3)

戦術

戦闘中直接攻撃されない限り、モリガンとその家族は戦闘に加わろうとはしない。

一般データ

【筋】14、【敏】17、【耐】13、【知】10、【判】12、【魅】8

基本攻撃+1;CMB+3;CMD16

特技《技能熟練:知覚》、《無視界戦闘》

技能〈動物使い〉+3、〈治療〉+5、〈知識:自然〉+4、〈知覚〉+5、〈騎乗〉+6、〈生存〉+5、〈隠密〉+7;クラス修正+1〈生存〉(追跡時)

言語共通語

SQ得意な敵(巨人)、野生動物との共感

戦闘用装着品20コンポジット・ロングボウ・アロー

他の装着品スタデッド・レザー・アーマー、ロングソード、コンポジット・ロングボウ(+2【筋】ボーナス)、550gp

正者ウォー卜 CR4

XP1,200

付録参照

hp39

信徒(24〜33) CR1/3

XP135

付録参照

hp11

モリガン CR4

NPC Codexのレンジャー5のMounted Archerを使用すること。但し属性をNGにすること

アンゲル CR1

GMGのバード2の語り部を使用すること。但し属性をNGにすること


戦術:戦いを迫られた場合、ウォー卜とその信奉者は遭遇2に書かれている戦術を使用する。直接攻撃されない限り、モリガンとその家族は戦闘に加わろうとはしない。

進展:モリガンはウォートの信念と態度に激昂している者を宥めようとする。そして彼は皆を内側へと招き、外にいるよりも宿の中で麦芽の醸造酒の注がれた柄付きの盃を持って哲学について議論したほうがよほど楽しいと主張する。

ウォー卜はその意見に同意し、旅籠の中で宣教の許可が欲しいと頼む。モリガンはこの要求を快くは思わないが、最終的にウォートの魅力のある振る舞いに屈し、同意する。

4.平和の伝道(EL6)

宿の内側に入ると、モリガンとその子らは新たな客をもてなすため忙しなく動き始める。一方で、ウォー卜は演説の準備をする。ウォートが話し始めた時PCがそこにいた場合以下を読むか言い換えること。

ウォー卜とその信奉者に加え、12人ほどの後援者が宿屋の丸机を囲んで座り話している。主人とその子供たちは飲食の注文をこなそうと忙しなく動き回っている。一方、ウォー卜は隅の丸机を徴用し、その上に立ち、傾聴を求める。

「親愛なる友人たちよ、」彼は抑揚をつけた声で始めた。「僕は今日あなた方に平和の伝道をしに来たんだ。僕たちは皆平和を望んでいる、そうだろう? ならどうしてまだ平和が来ないんだろう? なんで男も女も子供たちも略奪、戦争、そして力によって殺されるんだろう?

「答えは、友よ、僕たちは平和を求めていても、僕達の行動は時にその欲求を反映しないことがあるからだ。武器と魔法で武装して歩く人たちは平和を願っていると言うかもしれないけど、彼らは起きている間暴力を拡散している。友よ、平和は剣では勝ち取れない。振るう者の理念に関わらず暴力は暴力であり、暴力を振るう者が平和の代理人となることは決してない。結果が手段を正当化することはないのです、友よ、そして暴力が平和の手段となることはありえない。

だから言わせてもらうと、君たちが最も信頼する友人にしたくないようなことは、いつだって誰に対してもしてはならないんだ。暴力はその1つであり――弱きを助け邪悪を挫く為に見えるものでさえ――それは誤った思考によるものだ。

「そして、君たちは暴力を振るう人々を英雄として扱ってはならない、それは全く誤った意思を伝えてしまうのだから。暴力の賛美は、それが善の理念と呼ばれるものの為であってさえ、ただより多くの人々に剣を執らせ暴力と死の連鎖を続けるだけだ。つまり、言いたいことは武器を握り潜在的に有害な魔法を持つ者は皆非難されるべきだということだ。そうした人々に歓待や応援を与えてはならず、そして家や店へ入れることも忘れてしまいなさい。これが町を平和の地にし、暴力と悪の呪いから解放される唯一の方法だ。」

ウォートの言葉は最初は不審を以って迎えられ、僅かな嘲りさえあるが、彼は甲斐甲斐しくも話し続ける。

クリーチャー:宿にいる12人の常連は滞在中の冒険者か、近くの町の巡査である。他にいるのは宿の主人とその子供たち、ウォート、そして最大33人の信徒たち(24人に加えPCがアケイライから助けた者)だ。

常連(12) CR1/3

GMGのウォリアー1の歩兵を使用すること。

信徒(24〜33) CR1/3

XP135

付録参照

hp11

正者ウォー卜 CR4

XP1,200

付録参照

hp39


戦術:戦いを迫られた場合、ウォー卜とその信奉者は遭遇2に書かれている戦術を使用する。直接攻撃されない限り、モリガンとその家族は戦闘に加わろうとはしない。

進展:常連からウォートに対する最初の態度は非友好的であるが、彼の〈交渉〉修正値は彼の言葉をどうしても考えさせてしまえるほどに高い。彼は10分間話した後にこの判定を1回行え、そして手助けする支持者の一団がいることによって+4の状況ボーナスを得る。態度が協力的になった常連は正者に参加することに同意し、友好的になった常連は彼の言葉を考え、また後日彼と話し合うことに同意だけする。

ウォートと話すPCは〈交渉〉判定をする資格を得る。群衆の反応を決定するに際し、PCが得た最大の〈交渉〉判定の結果をウォートのものから引き、その差をウォートの判定の結果とすること。つまり、PC1人さえ話せば、ウォートはおそらく誰の態度も協力的に変更できず、そして友好的にすることもまた難しくなる。

モリガンとその家族はウォートの言葉に常連よりも強く抵抗する。引退した英雄の子として、息子と娘の最初の態度はほとんど敵対的であるが、彼らは上手くその態度を隠している。よって、ウォートはその判定結果に関わらず、彼らの態度を中立よりも上に向上できない。

ウォートは話し終えると、モリガンに巨人の刃亭を平和の地にして欲しいと頼み、そしてまたPCに出るよう頼めと迫る。モリガンはその頼みを考慮すると約束するが、彼はどう見ても同意する意図はない。更に、彼はウォートにその夜用に無料でひと部屋提供し、彼を談話室から出そうとする。ウォートは信徒たちにも無料で部屋に泊まらせるならその申し出を受け入れると言い、モリガンはそれに同意する。そして、正者たちはその夜は全員就寝する。

モリガンとその家族は英雄たちにとても感謝しているため、彼らはそっと一行が部屋を無料で使えるようにする。アンゲルは特にキャラクターたちの旅について聞きたがり、そして彼女は彼らにいつか独力で英雄になりたいという計画を打ち明ける――弟たちが大きくなるまではしないがと。

宝物:気になるような唯一の宝物はウォートの装備だけだ。

5.密使(EL8)

この遭遇はPCたちがウォートの部屋を確認するか、あるいは他の手段で彼を盗み見しようと決めた時にのみ発生する。彼らがそうしない場合、ウォートは朝まで誰にも知られることなくその夜バーゲストのサーラアドと話し合う。

ウォート1人で寝台に座り、茶を啜っている。彼はゆっくりと深呼吸し、時折目を閉じ、そして数秒後にカッと見開くと素早く部屋を見渡す。定期的に立ち上がり、寝台の下を見て、そして部屋の衣装棚の中を調べる。そして彼はまた座って茶を啜り、その一巡をまた始める。

突然、身長8フィートの、ゴブリンに似たクリーチャーが部屋の中央に現れる。ウォートは音も立てずに湯呑みを置いて顔を上げる。この巨人ゴブリンはニヤリと笑うと話し始める。

「俺のことはサーラアドと呼ぶがいい、」とそれは唸る。「俺はお前の動向に興味を持っている様々な勢力の為にここに来た。俺の雇い主はお前に取引を持ちかけることを決めた:週に1人信徒を生贄に捧げる見返りとして、お前の英雄的行為を終わらせたいという欲求を助ける強大な力を与えてやろう。どうだね?」

クリーチャー:サーラアドはフィーンドの連合によってここに送られた。ウォー卜と話している時、サーラアドは誰が自身をここに送ったかを特定させない、なぜならば彼は実際のところ知らないからだ――彼は夢の中で指示を受けている。

サーラアド CR7

XP3,200

グレーター・バーゲスト(Bestiary参照)

hp85

正者ウォー卜 CR4

XP1,200

付録参照

hp39


戦術:この出会いの間にPCが攻撃を決意した場合、サーラアドはウォー卜を守る努力はしないが自身が攻撃された場合やり返す。10人の正者の信徒たちは、戦闘が始まってから1〜4ラウンド後にスタッフを構えた状態で現れる。彼らが場面に現れると、サーラアドは疑似呪文能力(マス・ブルズ・ストレンクスマス・エンラージ)を信徒とウォー卜に使用し、そして可能であれば離れる。彼はまたウォートに申し出をする為に後で戻ってくる。

進展:PCがこの会合を邪魔せず行わせた場合、ウォートはまず慎重になる。彼は時間をかけて〈真意看破〉判定を行い他に隠れて後ろから糸を引いている者がいないか確信する。結局彼はサーラアドの誠実さに満足し、彼の申し出に同意する。

サーラアドは最初の生贄数人が捧げられるまではウォートと共にいると約束する。彼はダイア・ウルフの姿を取ってウォートの傍に立ち、来訪者と考えられないよう動物の相棒のふりをする。どこかへこのバーゲストを連れる前に、ウォートはアンディテクタブル・アラインメントを彼に発動する。

6.招かれざる客(EL7)

この遭遇はウォー卜がサーラアドと出会ってからすぐに起こる。PCが巨人の刃亭に未だいる場合以下を読むか言い換えること。

正者ウォー卜 CR4

XP1,200

付録参照

hp39

信徒(24〜33) CR1/3

XP135

付録参照

hp11

モリガン CR4

第3章参照

hp42

ウォー卜とモリガンから上がった声が宿屋の広間で反響する。「暴力によって世界を良くしようとする者に対して門を閉ざし閂をかけなければならない!」ウォー卜が叫ぶ。「うちのやり方に口を出さないでください!」モリガンが応える。

大きくはないが、宿にいる正者数人とわずかな常連の声も議論に混じっている。

ウォートとモリガンは最初はもっとずっと静かに討論していたが、怒りとともに音量も増していった。ウォートはモリガンに宿を平和の地に今すると決めて欲しがっており、モリガンは断っている。正者の多くは煽っており、それはまるで平和主義者が暴力を誘発しているかのようだ。

クリーチャー:ウォー卜、モリガン、そして12人の信徒は宿屋の談話室で議論している。

PCが姿を見せ人々を静めようとする場合、ウォートもその努力に参加する。そうしないのであれば、彼が自力で人々を静める。どちらにせよ、モリガンは良心の命ずることを行わなければならないと彼は言う。ウォートは正者たちに階段を登って部屋へ戻るよう指示し、そして彼もすぐ後に続き、モリガンにまた朝に意見が変わっていないか確認しに来ると約束する。

7.消えたアンゲル(EL5)

朝の僅かな時間の出来事の後、ウォートは更に劇的な手段を取る頃合いだと決断する。宿の中での変遷が終わるこの時点でPCが彼を殺していない場合、主人の娘アンゲルが早朝に森で苺や薬草を摘んでいる間に彼は信徒のうち12人を宿の主人の娘アンゲルの誘拐に送る。彼女は旅籠の見えない場所に居り、自衛する武器を持っていない。信徒が行った後、ウォートはモリガンが見つけるべき走り書きを準備する。

PCたちがアンゲルから目を離さない場合、彼らは彼女の為に介入しても良い。その場合以下を大声で読むか言い換えること。

明朝未明にアンゲルは籠を腕にかけて出てゆく。迷わず森を進む彼女は苺の茂みで立ち止まり、籠に詰め始める。突然、数人のローブ姿が近くの茂みから飛び出て、彼女の腕を掴む。もう片方の手は彼女の口を塞ぎ、叫べないようにする。

信徒たちはアンゲルを攫って近くの丘へ連れていき、そこで彼女を縄できつく縛る。12人が彼女の見張りとして残る。彼らはこの少女を助けようと試みる者がいた場合致命的な力で以って攻撃しろと命令を受けている。

クリーチャー:アンゲルと12人の信徒だけがこの洞窟で生きている者だ。

信徒(12) CR1/3

XP135

付録参照

hp11

アンゲル CR1

XP400

一般データは遭遇3参照

hp16


進展:PCたちがアンゲルの誘拐を妨げたり彼女を早期に助けたとしても、ウォートの究極の最後通牒がモリガンの手の内に届くのは変わらない。下記の遭遇8に続く。

abandoned_copper_mine_hi2

8.災害の予兆

朝モリガンが起きるとすぐ信徒のうち2人がウォートの走り書きを彼に渡す。配達があった時にPCが宿にいる場合以下を読むか言い換えること。

モリガンは手元の紙から顔を上げ笑みを顔に浮かべる。「我らが友ウォートは色よい返事をもらうためなら――おそらく――手段を選ぶつもりはないようですな、」彼は言って大声で走り書きを読み上げ始める。

「主人よ、暴力は暴力を生む。娘はあなたの先見性の欠如の代償となってもらう。狩りの細道の分かれ道へ来て正者との協調関係を誓わなければ、息子たちだけの父親となることだろう。

署名者、

―W―」

モリガンは件の平和主義者たちによる娘の誘拐に青ざめるが、1人で出向きウォートに会うのはやめる。彼はこれを見た時に罠を理解し、自分のいない間に信徒が家族の残りを傷つけたり旅籠を焼き払うような危険を犯すつもりはない。

進展:宿屋の主人はPCたちに娘の生還に750gp支払うと持ちかける。彼女が死んだ場合、彼はPCたちにウォー卜を殺せば同じ額支払うと約束する。

PCたちがこの時点でもう宿から出ている場合、彼はダークに走り書きを持たせて彼らに助けを求めに行かせる。

9.正者の終幕(EL9)

ウォートはモリガンが狩りの細道の分かれ道で自身に会い、理念への忠誠を誓うと予測している。そうなる場合、ウォートは彼をサーラアドの主人への最初の生贄に提供するつもりだ。

クリーチャー:ウォー卜、サーラアド、そして12人の正者が狩りの細道の近くの分かれ道で待っている。

Paizoの公式無料シナリオA Vision of Betrayal出典の地図。
ウォー卜 CR4

XP1,200

付録参照

hp39

信徒(12) CR1/3

XP135

付録参照

hp11

サーラアド CR7

XP3,200

グレーター・バーゲスト(Bestiary参照)

hp85


戦術:ウォートはキャラクターたちを英雄たちと呼び、つまり平和の敵と憎む。よって、信徒たちはPCを見るとすぐに攻撃してくる。正者ウォー卜とサーラアドが使用する戦術は上記の遭遇2と5に詳細がある。

進展:アンゲルは待ち合わせの場所から約1/4マイル離れた場所で縛られている。彼女の父がウォー卜の要求に同意しない場合でさえ、彼女を殺しても教団が得るものはないため、彼女が危険になることはない。ウォー卜はアンゲルを毎日の〈交渉〉判定で最終的に彼女の態度を協力的へと変える(洗脳のようなものだ)ことで自らの大義へ改宗させようと計画している。

一方で父が協力しないのであれば、彼女は死に、そして信念を変えない場合息子たちにも危害がある、とモリガンと知らせる走り書きをウォートは送るつもりでいる。

冒険の結末

キャラクターたちがアンゲルを助けた場合、モリガンは永遠の感謝をし、彼らが許すのであれば旅籠を彼らに因んで改名する。PCたちは今から無料で泊まれるようになり、そしてモリガン一家全体の態度は協力的に変化し一行を尊敬する。

さらなる冒険

ウォー卜が死んだ場合、正者の信徒は解体される――他の信徒にこの哲学の露骨な偽善と向き合いながら結束を纏められる話術を持つ者はいない。ウォー卜がどうにかして逃げた場合、正者はいつか確実に再興するだろう。

付録:NPCの一般データ

ウォー卜と信徒の一般データは以下の通り。

信徒 CR1/3

XP135

男性あるいは女性の人間(ストリートの心)ウォリアー1

N中型の人型生物(人間)

イニシアチブ+1;〈知覚〉+0

防御

AC14、接触11、立ちすくみ13(+3鎧、+1【敏】)

hp11(1d10+2+1+3)

頑健+4、反応+1、意志−1

攻撃

移動速度30ft.

近接クオータースタッフ+1(1d6)

遠隔足留め袋+2接触(絡みつかれた状態

一般データ

【筋】10、【敏】12、【耐】15、【知】11、【判】9、【魅】8

基本攻撃+1;CMB+1;CMD12

特技《追加hp》、《合唱団》

技能〈芸能:歌唱〉+0、〈威圧〉+3;ACP−6

言語共通語

装着品スタデッド・レザー・アーマークオータースタッフ足留め袋

正者ウォート CR4

XP1,200

男性の人間(ストリートの心、雄弁)バード5(扇動家)

NE中型の人型生物(人間)

イニシアチブ+2;感覚〈知覚〉+8

防御

AC19、接触12、立ちすくみ17(+7鎧、+2【敏】)

hp39(5d8+10+3);一部代替適性クラス

頑健+3、反応+6、意志+4;バードの呪芸、[音波]および[言語依存]の効果に対するセーヴに+4のボーナス

攻撃

移動速度30ft.;荷重16lb.

近接素手攻撃+2(1d3−1非致傷に加え機会攻撃の誘発)

特殊攻撃

修得呪文(CL5;精神集中+9)

2レベル(5/日)―ブラーインヴィジビリティ

1レベル(7/日)―チャーム・パースン(DC17)、キュア・ライト・ウーンズヒディアス・ラフター(DC17)、アンディテクタブル・アラインメントサモン・モンスターIタイムリー・インスピレーション

0レベル(回数無制限)―ディテクト・マジックフレア(DC15)、ゴースト・サウンド(DC15)、ライトメイジ・ハンドメッセージ

一般データ

【筋】8、【敏】14、【耐】14、【知】13、【判】10、【魅】18

基本攻撃+3;CMB+2;CMD14

特技《合奏団》、《技能熟練:芸能:朗誦》、《中装鎧習熟》

技能〈脱出術〉+8、〈知識:宗教〉+12、〈知覚〉+8、〈芸能:朗誦〉+15、〈芸能:歌唱〉+12、〈威圧〉+12、〈真意看破〉+8;クラス修正+2〈知識〉(未修得でも判定可能)

言語共通語、オーク語

SQ呪芸、万能なる芸(朗誦―〈交渉〉と〈真意看破〉)

戦闘用装着品パール・オヴ・パワーII

他の装着品+1グラマード・ミスラル製ブレストプレートヘッドバンド・オヴ・アリュアリング・カリズマ+2呪文構成要素ポーチ

特殊能力

名声ウォートは人口を合計しても5,000人を超えない人々の1つ以上の居住区からなる地域において有名であり、その地域の中で、地元の人々はバードに対してより好意的に対応する。バードはその地域の中で、その地域から影響を受ける人々に対する〈交渉〉と〈威圧〉判定に+2のボーナスを得る。

呪芸呪芸を開始するのは1回の標準アクションである。16ラウンド/日。

著者について

Owen Kirker Clifford Stephensはオクラホマ州のノルマンに1970年に生まれた。彼は1997年にWizards of the Coast Game CenterにあるTSR Writer’s Workshopに参加し、Wizards of the Coast株式会社でゲーム設計者の職を得てから2000年にシアトルに移動した。14ヵ月後、彼は妻と3匹の猫と共に、自由契約の著者/開発者として依頼を得ようとオクラホマ州に帰還した。彼はStar Wars、d20 MODERN、そしてEverQuest企画で共著者として名を連ねており、またそれはGreen RoninによるBastards and Bloodlinesでも同様である。彼はまた様々なIDA製品の生産者でもあり、それには印刷可能なStand-Insも含まれる。

冒険紹介

自らを「平和の地」と喧伝している国中の小さな町は冒険者達を追い返している。土地中で、宿屋、旅籠、店、そして個人的な家まで冒険者達を追い払い始めている。扉には「英雄お断り」と書かれている。そのすぐ後、そうした町は破壊されまっ平らになる――略奪され、焼かれ、生命がなくなる。如何なる悪が幾つもの町に英雄だけでなく、通常の防備すら否定させているのか?

Owen K. C. Stephensによる最新の小さな冒険を、君のキャンペーン世界の街道の旅籠がある場所に落とそう。5レベル・キャラクター4人に適している。


冒険の下見

ここ数ヶ月、文明化した国の僻地で新興宗教が勢力を増している。ウォートという名前の者に率いられるこの集団は自分たちを正者と名乗り、あらゆる形の暴力の使用の否定を誓っている。説得力のある話者であるウォートは小さな町に滞在すれば多数の支持者を獲得し、暴力は誤りであり悪であると説教する。そうした態度は称賛に値するものだが、教団の一員は他者を自らの理念に強制するようあらゆる手を使っている――それには自分たちが嫌っていると主張する暴力も含まれる。

支持者の助けもあり、ウォートは平和を持ち、そして暴力をたずきとする者――悪に対する暴力であろうと――を補助することを断るよう、どこにいる町民であろうと説得するキャンペーンを始めている。町がこの信念に追従すると、ウォートはそこを平和の地と宣言してから移動し、そこを観察する数名の支持者を残す。

しかしながら次々と、平和の地は山賊の略奪、オークの部隊による暴行、そしてアンデッドの捕食の犠牲になっている。なぜそうした場所は悪の勢力の目標となるのか? ウォートが何らかの手段でその消滅に関係しているのだろうか? PCたちだけが正者の目覚めに続いて起こる死を阻止できる――そして正者の目覚めを招かないようにすることも可能だ!


著者について

(上記参照。)

訳注

March of the Sane
経験点(ストーリー経験点含む) 約11,200XP
4人が次のレベルになるのに必要なXP 32,000XP
実際の宝物 約9,600gp
脅威度から求められる宝物 約8,400gp