崖っぷち
祝福ヶ丘

by Miguel Duran

週刊パスファインダーRPG崖っぷちモジュールの冒険を入手しよう! 毎週君は連続した新しい冒険を分割して読める――必要なのはプレイヤーたちに先んじて1週間待つことだけだ!

Miguel Duranの祝福ヶ丘において低レベル冒険者の一行は暁星修道院の地下に最近発見された地下洞窟の網目を探検しなければならない。しかしこれは気取らないダンジョン徘徊を超えたものだ――集団は自分より先に潜って戻ってこない騎士団の同志3人を見つけ、可能なら救出しなければならない。

この四部作の冒険は3レベルの冒険者6人用に設計されているが、DMは一行の規模やレベルに応じて公正に気楽に修正できる。大規模な一行なら、遭遇レベルが適正になるまでモンスターの数をただ増やすこと。また、君の集団が特に強力なプレイヤー・キャラクターで構成されていた場合、君はモンスターの種類をより脅威のある何かに変えて良い――つまり、グールでなくガストとか、オークでなくバグベアとか。祝福ヶ丘ゴラリオン、別のパスファインダーRPGキャンペーン・セッティング、あるいは君独自の世界での使用に適している。

先の話

暁星騎士団は平和的な修道会であり、同志はハーツブラッド・ヒルズの上にある小さな教会で暮らしている。そこの司祭は時折周辺の谷へと降りてそこの村で必要に応じて手当をし、死にゆく者に祈りと埋葬を施した。

最近の地震によって騎士団の蔵の下にあった観測されていない大洞窟に通じる道が開いた。坊主たちは分散して一週間ほど見たことも聞いたこともないその深みを探索したため、騎士団は外壁の外から助けを求めなければならなくなった。

キャラクターのとっかかり

キャラクターは地元民でもいいし、通りすがりの旅行者でも良い。以下の冒険のきっかけはどれでもハーツブラッド・ヒルズの深みへと誘うのに使える:

暁星騎士団(寺院)

LG小村

退廃−4;犯罪−4;経済−2;法治+1;情報−2;社交−3;危険−5

特性敬虔

欠点呪い(退廃)

人口統計

政治体制君主制―権力者:大修道院長兼僧正マルチン・ジェラード、男性の人間クレリック7

人口51、孤立(48人間、2ハーフリング;1ハーフセレスチャル)

重要なNPC

同志ダーハム(探索中に失踪)男性の人間クレリック4

同志アンブロス(司書)、男性のハーフセレスチャル人間クレリック5;

老アーレイ(管理人)、男性の人間エキスパート3

市場

基本価格150gp;購入上限4,000gp;呪文3レベル

下級アイテム(3)スクロール・オヴ・マジック・サークル・アゲンスト・イーヴル(信仰)、スクロール・オヴ・レストレーション(信仰、100gpの粉末分)

大修道院長の話

キャラクターをここに連れてくるのに使う冒険のきっかけがなんであれ、この冒険は暁星修道院に到着するところから始まる。騎士団の共同住宅は小規模だが厳格であり、崇拝する礼拝堂、共同利用の飯場、大修道院長の個室、図書館、そして物置と厨房、そして墓所で構成されている。

修道院長は礼拝堂に集団を歓迎し、会話を通して以下の詳細を明かす:

大修道院長は冒険者達に洞窟に入り、失踪した同志を探し、まだ生きているなら救出してくれと頼む。加えて、改葬のため、彼は墓所からなくなった死体とアイテムの帰還を求めている。彼はこうした新たな改築が生じさせることになるかも知れない騎士団にとっての危険について極めて憂慮しているため、最後に、彼は英雄たちに地下に現在あるあるいは将来起こる脅威についても調べて欲しいと要求する。

奉公の報酬として大修道院長は一行の者それぞれに贈り物として100gpと、己の神(君のキャンペーンにおいて適切な愛される神格)の祝福がかかっている魔法のアイテム1つを授ける。

プレイヤー・キャラクターがその仕事を請け負うと同意したなら、大修道院長は従者1人に下の墳墓まで案内させる。

1.墓所

hallowedhalls_crypt.jpg

この墳墓は修道院の地下で丘陵の形に押し込められた、薄暗い隧道の管網である。居並ぶ棺が室内の空間を満たしている。その最奥は倒壊しかかっていて終端部には幅10フィート長さ20フィート大穴が開いている。墳墓には崩落箇所があり、棺桶が数棹なくなっている。

穴の壁は次第に窄みながらたった30フィートほど下に伸びたらすぐに天然洞窟の天井と融合する。そこから100フィート落下すれば次の部屋(エリア2)に着く。その洞窟へと安全に降りる為の〈登攀〉判定は落とし穴の部分ならDC15で、洞窟の天井ならDC25だ。

崖っぷち

墳墓の下の洞窟に到着したならキャラクターそれぞれに聞き耳による〈知覚〉判定(DC22)を行わせること。極めてこっそりしたいと君が感じる場合、独自に判定をロールして結果を明かさないことにしても良い。そうした判定結果はそのキャラクターたちがそこで待ち受ける者に気付けるかを決定する……


先の話

祝福ヶ丘の第一話で我々はこの冒険の導入、DMがキャラクターに行動を起こさせるのに使えるいくつかの話のきっかけを書いた。

2.そこに居続ける者―EL5

地震が洞窟への道を開くまで、誰も暁星修道院の地下に洞窟の共同住宅があったことなど知らなかった。最新の話で冒険者は洞窟の入口まで辿り着いた。この物語は彼らが騎士団の失踪した同志の捜索への第一歩を踏み出したと想定している。

以下を大声でプレイヤーに対して読むこと:

おおよそ円形をした床は極めて不均一だ。ギザギザした大岩がいくつかの場所で様々な高さまでいくつも佇立しており、他の場所では隕石跡のような深い窪みができている。砕けた棺の残骸が数棹分、部屋中に散らばっている。

この洞窟はおおよそ直径80フィートで、唯一の出口は東の壁から伸びる隘路でありエリア3に通じている。2ダースの棺が、地震がつくった亀裂に飲まれてしまった。それらの残骸もその中身の埋葬用具(包帯、儀礼的な壷、上等な副葬品)と同様にこの部屋中に散らばっている。廃品の中には注目すべきアイテムが2つある――砕けた行灯とその傍の銀の聖印であり、後者の裏面にはこう刻まれている、「信仰篤き奉公のため、同志ダーハムに贈る。」

この洞窟の表面は凸凹しているため、急いで動こうとするか曲芸的な機動を行う者はDC15の〈軽業〉判定に成功しなければならない。5未満の差で失敗するとそのキャラクターは躓いて1ラウンドの間移動ができなくなる。5位上の差で失敗すればそのキャラクターは踏ん張りきれず転ぶ。

クリーチャー:上階にある墳墓にいた、より悪意に満ちた精霊の一部は以前から非生命を帯びていて、そして今回の事故によって今や埋葬の儀式による束縛から解放されている。グール4人がこの洞窟の南の壁付近の磐の切り出しの裏で待ち構えている。彼らは完璧に隠れているが、冒険者の1人や2人は彼らの身動ぎを聞きつけるかもしれない。聞き耳による〈知覚〉判定の成功(DC22)は待ち伏せを発生前に明らかにする。

hallowed halls_cave.jpg
グール(4) CR1

XP400それぞれ

hp13(Bestiary参照)


戦術:グールは一行が際立って脆弱になるまで待ち、キャラクターが1人孤立するか小さな集団に分かれてから攻撃するのを好む。瓦礫の探索の為に一行を分割するか上の墳墓から1人1人この洞窟へと入るのであれば、即座の攻撃が発生する;どちらもないなら、グールはキャラクターが分散するか離れようとするまで待つ。

クリーチャーは知的に協調して攻撃し、可能であり集団で攻撃できるなら最初に非エルフを狙い打ち、いける時には挟撃する。獲物が麻痺したなら、彼らは次の目標へと動く。一行の者が全員麻痺するか気絶した後にのみキャラクターたちにとどめを刺そうとする。

宝物:合計で47gp、146sp、そして257cpにもなる回収できる硬貨以外にある注目すべきアイテムは純銀の宗教的な像(105gpの価値)と翡翠の象嵌のある金の指輪(90gpの価値)だ。残りの品々は標準的な性質を持つ;GMはUltimate Equipmentの装備の一覧から適切なアイテムを選ぶべきだ。

3.蹂躙!―EL4

両側を岩に挟まれたこの通路は幅5フィートしかなく、壁は上方へと永遠に伸びているかのようだ。しかしながら実際には頭上から60フィートほど上にある洞窟の天井で突き当たっている。キャラクターはエリア4へ通ずる隧道の前に、かすがいで補強された110フィート続く隘路を進まなければならない。

クリーチャー:スタージの群れがこの隧道の天井付近に止まっている。これらのクリーチャーは一行が通路の中ほどに到達するや否や頭上から降り立つ。

スタージ(6) CR1/2

XP200それぞれ

hp5(Bestiary参照)

崖っぷち

一行がエリア4に入った時にプレイヤーに以下を大声で読み上げること:

君がこの洞窟に足を踏み入れると、湿った熱風が頭上から吹きかかる。床は柔らかく、苔の厚い堆積で覆われている。根っこのような茶色と灰色の植物の蔓が大量に頭上の天井から垂れ下がっており、子の円形の部屋の大部分を占めている様々な菌糸類の表面を軽く撫でている。

この部屋の中央では茸が繁茂し、頭上から垂れ下がる根っこによってこの洞窟の視界は遮られがちだが、PCはこの部屋にはいる際に何か変なのに気付くかもしれない。プレイヤーそれぞれに視認による〈知覚〉判定を行わせること(DC21)。成功すればこの群生地の中心付近で2体の仏さんがうつ伏せになっている事が明らかになる。彼らの簡素な黒いローブは騎士団の団員であることの目印だ……


先の話

祝福ヶ丘の2話では、一行はこの洞窟の探検に乗り出してから失踪した団員3人を探しに神秘的な洞窟の連なりへと入ってゆく。現在、冒険者たちは奇妙な植物でいっぱいの未踏の洞窟に入っており、死体2柱が中央で転がっていることに気付くだろう。

4.埋没した庭園―EL3

この凡そたまご型をした洞窟は幅40フィート、長さ60フィートほどある。南にある出口はエリア5へと続いている;西にあるものはエリア3に戻る。東の壁にある岩棚はもしかしたら別の出口を覆っているのかもしれないが、倒壊が激しく発掘し開き直すには数日間かかるだろう。

クリーチャー:シュリーカー3株とヴァイオレット・ファンガス1株がこの部屋の中央で正方形に群生しており、それとは別にヴァイオレット・ファンガス1株がその群生の北東に1株生えている。死体はこうしたクリーチャーの只中に横たわっている。PCたちが調査に乗り出すと、シュリーカーから騒音が上がり、エリア5にいるオークたちが訪問客の到来に警戒する。

シュリーカー(3)

hp30(Bestiary参照)

ヴァイオレット・ファンガス CR3

XP1,200

hp30(Bestiary参照)


死体を調査する:菌糸類とやりあったなら、PCたちは死体を調査できる。酷く青白くなった若い男2人は同志ダーハムに随行してここまで降り立った侍祭だ。どちらの死体も、ヴァイオレット・ファンガスに殺されたものだ。彼らは基本的な洞窟探検の器具、レザー・アーマーヘヴィ・メイスを持っているが、他に価値あるものは持っていない。

死体いずれかに対する〈治療〉判定(DC15)の成功によってこれらの死体は極めて異常であることが明らかになる――つまり彼らは完全に血を抜かれており、そのために異様なまでに青白いのだ。一行がかつてヴァイオレット・ファンガスとの間でどう関係を持ったかに依るが、こうした現象はこの状況にどこかそぐわないと気付くかもしれない。

部屋を離れる:キャラクターが南の出口に動くと、〈生存〉判定(DC18)の成功によって人型生物の小規模な一団が最近、現在は封印されている東の入り口から現れてこのエリアを通過し、南の隧道へ消えていることが明らかになる。

5.渋々の歩哨―EL6

床をほぼ完全に両断している亀裂が、この洞窟の中央で東から西に伸びている。長く伸びた鍾乳石や石筍がこの部屋で林立しており、まるで巨人が大口を開けているかのようだ。

この直径80フィートある円蓋の洞窟の天井は中央の床から高さ25フィートある。この洞窟の長さいっぱいに伸びている亀裂は幅10フィート深さ75フィートだ。巨石が南の壁にある他の唯一の出入り口を現在覆っている。【筋力】判定(DC22)の成功によってキャラクターはこの巨石を動かしてエリア6に通じる通路を明らかにできる。この裂け目の南側にはこの部屋で見張る義務がある歩哨によって造られた焚き火を消した跡がある。

クリーチャー:ホムザークとその斥候は1〜2週間も日暮れ鉤族から遠征している。地震によってここに閉じ込められるまで、オーク・アデプトがこの洞窟への探検隊を率いていた。オークは近いうちにエリア4にある故郷に通じている隧道を再度開きたがっているが、別の勢力が彼らに対し、別命あるまで此処を守るよう強いている。この状況では良くあることだが、オークたちはここに囚われている間にこれ以上の抵抗は無駄だと分かるほど多くの同胞を失っている。この状況に対する彼らの恐怖と怒りは著しく、近付く者からの折衝には応じない。

オーク(6) CR1/2

XP200

男性のオーク野生)・ブラッドレイジャー(元素[風])1

CE中型の人型生物(オーク)

イニシアチブ+1;感覚暗視60ft.;〈知覚〉−1

防御

AC17、接触11、立ちすくみ16(+6鎧、+1【敏】)

hp12(1d10+1+1)

頑健+4、反応+1、意志−2

防御的能力凶暴性弱点光に過敏

攻撃

移動速度30ft.

近接バルディッシュ+5(1d10+6/19〜20)あるいはファルシオン+5(2d4+6/18〜20)

遠隔ジャヴェリン+2(1d6+4)

接敵面5ft.;間合い5ft.(バルディッシュ10ft.)

特殊攻撃元素の打撃

戦術

戦闘前平時は出目10で裂け目を跳躍して移動する。呪文や投げ槍の支援を受けやすいよう背水の陣を敷いており、槍を投げやすいよう通路の直線上にいる

1ラウンド目PCが松明を持っているか自前の暗視かによってPCを目視した場合、茸と戦っていようと槍を投げる。イニシアチブ判定は別個に行うこと。

戦闘中自ターン以外では槍を両手で構えることで近付く敵を機会攻撃できるようにする。PCが60ft.以内に来た場合前衛は激怒する。接敵されたならファルシオンを抜く。後衛は、ジャヴェリンを温存して時折士気をくじきながら戦う。

一般データ

【筋】18、【敏】12、【耐】15、【知】8、【判】6、【魅】11

基本攻撃+1;CMB+5;CMD16

特技《恨みの戦士》

技能〈言語学〉−1、〈軽業〉+1、〈威圧〉+4;ACP−4

言語オーク語

SQ高速移動、血の激怒(6ラウンド)

戦闘用装着品ジャヴェリン(5)

他の装着品バルディッシュファルシオン鋼鉄製ラメラー背負い袋ベルトポーチ毛布水袋

特殊能力

元素の打撃(超常)1日3回即行アクションとして、1ラウンドの間、君の近接攻撃は1d6ポイントの追加[電気]ダメージを与える。

ホムザーク CR4

XP1,200

男性のオーク(野生)・アデプト6

CE中型の人型生物(オーク)

イニシアチブ+4;感覚暗視60ft.;〈知覚〉+1

防御

AC13、接触10、立ちすくみ13(+3鎧)

hp44(6d6+6+6+6)

頑健+3、反応+2、意志+6

防御的能力凶暴性;弱点光に過敏

攻撃

移動速度30ft.

近接高品質クラブ+6(1d6+3)

遠隔スリング+3(1d4+2)

準備呪文(CL6;精神集中+7)

2レベル―ウェブ

1レベル―バーニング・ハンズキュア・ライト・ウーンズコーズ・フィアー

0レベル―ゴースト・サウンドガイダンスリード・マジック

一般データ

【筋】14、【敏】11、【耐】12、【知】7、【判】12、【魅】6

基本攻撃+3;CMB+5;CMD15

特技《イニシアチブ強化》、《戦闘発動》、《追加hp》

技能〈製作:錬金術〉+2、〈知識:宗教〉+2、〈生存〉+5、〈軽業〉+1、〈言語学〉−1、〈登攀〉+6;使い魔修正+3〈登攀〉

言語オーク語

戦闘用装着品スクロール・オヴ・インヴィジビリティスクロール・オヴ・キュア・モデレット・ウーンズスリング・ブリット(10)

他の装着品高品質クラブ、100gpの価値のある紅玉、高品質スタデッド・レザーロヴァググの鉄の聖印呪文構成要素ポーチ背負い袋携帯用寝具ベルトポーチ安価な神聖文書鉄の深鍋携帯食器一式水袋、スリング

スカーレット・スパイダーの使い魔 CR―

N超小型の魔獣

イニシアチブ+5;感覚暗視60フィート;〈知覚〉+4

防御

AC21、接触17、立ちすくみ16(+5【敏】、+4外皮、+2サイズ)

hp22(6HD)

頑健+2、反応+7、意志+5

防御的能力身かわし強化;完全耐性[精神作用]効果

攻撃

移動速度30フィート、登攀30フィート

近接噛みつき+10(1d3−4、加えて“毒”)

接敵面2と1/2フィート;間合い0フィート

特殊攻撃

一般データ

【筋】3、【敏】21、【耐】10、【知】8、【判】10、【魅】2

基本攻撃+3;CMB+6;CMD12(対足払い24)

技能〈製作:錬金術〉+1、〈知識:宗教〉+1、〈生存〉+1、〈言語学〉+0、〈隠密〉+17、〈軽業〉+17、〈知覚〉+4、〈登攀〉+25;種族修正+8〈軽業〉、+8〈登攀〉、+4〈知覚〉、+4〈隠密〉

言語主人との会話

SQ接触呪文伝達、呪文共有、共感的リンク

特殊能力

毒(変則)噛みつき・致傷型;セーヴ頑健DC13;頻度1回/ラウンド(4ラウンド間);効果1【筋】;治療1回のセーヴ成功。

鋭敏感覚主人と隣接してる間主人に《鋭敏感覚》を与える。


戦術:エリア4のシュリーカーから警告を受けた場合、オークたちは戦力を分散し、ホムザークと他数人を石筍の裏の、この部屋の南側に配置する。必要な時にジャヴェリンを霰と放れるよう、残りは裂け目の奥のこの洞窟の突き当たりにいる。彼らの狙いは一行の戦力を分断し相手を挟撃することだ。ホムザークとその付き人はそれから裂け目の逆側に残っている射手と術者を攻撃し、ホムザークとは反対側にいる部隊は近接戦の為にやって来たファイターたちと刃を交える。彼らは割れ目に馬鹿な相手を落とそうと亀裂を跳び越える者を突き飛ばそうともする

危機的な状況

日暮れ鉤族を蹴散らしたあと、キャラクターたちはこの部屋の奥に巨石があることに注目しても良い。その奥には彼らを同志ダーハムの命運の最後の真実へと導く暗い通路がある……


先の話

祝福ヶ丘の3話では、冒険者たちはシュリーとヴァイオレット・ファンガスの群生とやりあった。菌糸類の密集地の中で、PCたちは同志ダーハムの任務に随行する侍祭2人の死体を発見した。彼らは死体の血が抜かれている事にも気付く。前進すると、彼らは未知なる勢力によって戦闘するよう強要されているオークの軍勢と遭遇する。彼らを蹴散らすと、キャラクターたちは同志ダーハム、そしてハーツブラッド丘の地下に潜む悪の真実を求めて更に暗い通路を進み始める。

エリア6:ダーハムの住まい―EL4

隧道が拓けると天井の高さが8フィートの小さな洞窟に着く。数枚の黄麻布の袋から溢れる大量の硬貨の山がこの洞窟の東の端に積もっている。死体がいくつも転がっているが、その内の1つ、鎧と切り裂かれた茶色いローブの残りを身に纏う金髪の男は動いている。拘束され猿轡を噛まされている彼は君たちが到着するとくぐもった声で感謝の声を上げる。

この洞窟は20フィート×20フィートある。地面に伏している死体はオークのものだ――倒れた日暮れ鉤族の死者だ。〈治療〉 判定(DC15)の成功によってそれらは完全に血が抜き取られていることが明らかになる。

ローブを着た男はかつて同志ダーハムだったが、今や一部が完全に変わってしまっている。彼を解放すると選ぶ者は判定もなくできるが、〈脱出術〉判定(DC25)の成功によって拘束はきちんと抵抗する者を縛ったのでは確実にないことが明らかになる。

クリーチャー:同志ダーハムはヴァンパイア・スポーンとなっている。地震が、地下で杭で貫かれ無力化されていた強力なヴァンパイアであるシモン・デルシーラスを解放した。この司祭と侍祭がエリア2に入った時、デルシーラスは同志ダーハムを即座に攻撃し殺し、その間に侍祭たちは恐怖に逃げ出した。呪われたばかりのダーハムはこのヴァンパイアの傘下に入り、かつての相棒の血を啜って放り捨て、エリア4の菌糸類の養分にした。以来、デルシーラスは頭上の修道院を打倒する計画の為、怪物の助けを求めて洞窟深くへと降りている。彼はダーハムを騎士団の偵察と、地上から降りてきた以降の者の排除に残している。それ以降ダーハムは自分に敢えて歯向かおうとする少数のオークを蹴散らしている。

同志ダーハム CR4

XP1,200

男性のヴァンパイア・スポーン

LE中型サイズのアンデッド

イニシアチブ+1;感覚暗視60ft.;〈知覚〉+5

防御

AC22、接触11、立ちすくみ21(+1【敏】、+4外皮、+7鎧)

hp26(4d8+8);高速治癒2

頑健+3、反応+2、意志+5

防御的能力エネルギー放出に対する抵抗+2;DR5/銀;完全耐性アンデッドの特性;抵抗[電気]10、[冷気]10;弱点蘇生に対する脆弱性ヴァンパイアの弱点

攻撃

移動速度30フィート;スパイダー・クライム

近接叩きつけ+4(1d4+1、加えて“生命力吸収”)あるいはダガー+4(1d4+1/19〜20)

特殊攻撃生命力吸収(1レベル、DC14)、吸血支配(DC14)

一般データ

【筋】12、【敏】12、【耐】―、【知】11、【判】13、【魅】15

基本攻撃+3;CMB+4;CMD15

特技《中装鎧習熟》、《軽装鎧習熟》

技能〈はったり〉+6、〈製作:宝石加工〉+1、〈交渉〉+3、〈軽業〉+4、〈隠密〉+9、〈真意看破〉+5、〈威圧〉+6、〈知覚〉+5、〈知識:宗教〉+7、〈威圧〉+6、〈飛行〉+13種族修正+8〈隠密〉;ACP−4

言語共通語

SQガス化形態、影がない

装着品+1チェインメイルダガー


戦術:同志ダーハムは一行を宥め賺して防備を下げさせようと願っている。その為に彼は犠牲者のふりをして、自分の潔白を一行に納得させる為に吐かなければならない嘘を吐く。PCは〈真意看破〉判定(DC23)で嘘を暴ける。

正体がバレたと同志ダーハムが感じた場合、彼は敵の1人を魅了して味方にしようとし、新たな「友」に君の相棒たちは狂っていると告げる。そうならないなら、彼は冒険者たちに随行して危険が最小限になる時に彼らを殺すか、難しいようなら修道院への出口で殺す。戦いでは、ダーハムは新たな主人の力を惚れ惚れと称え、騎士団の弱さを嘲う。

宝物:ダーハムの宝物には独自のアイテムに加え、日暮れ鉤の斥候隊が以前略奪した近隣の村と隊商からの品々の残り、それに彼が壊れた棺から集めた金品もいくつかある。彼の財宝は614gp、1,327sp、金糸で編まれた僧侶の衣服(120gpの価値)、黒瑪瑙が眼に象嵌された銀の骸骨の指輪(240gpの価値)、信仰のスクロール・オヴ・ディスペル・マジックスクロール・オヴ・プレイヤー+1ライト・メイス(彼はもう使うつもりがない)、ポーション・オヴ・キュア・モデレット・ウーンズ2本、ヘルム・オヴ・コンプリヘンド・ランゲージズ・アンド・リード・マジックで構成されている。

冒険の結末

PCたちが騎士団の殺された探索者たちの死体を持ち帰る場合、大修道院長はそれぞれに報酬として100gpを渡し、それに魔法のかけられたスター・ローズ・クオーツの欠片も1つ付ける。騎士団の者はアンディミニッシュト・スターと呼ばれるこれらの魔法のアイテムを作っていた。加えて、大修道院長はPCに洞窟で発掘した宝物を持ち続けることを認める。

アンディミニッシュト・スター

Undiminished Star/不朽の星

オーラ中程度・死霊術;CL7

装備部位首飾り市価2,500gp;重量

解説

アンディミニッシュト・スターは1回だけ使用できるデス・ウォード呪文を蓄えており、所有者がこの呪文でなら守れる効果の1つに遭遇した時自動的に発動する。呪文の持続時間が尽きると、この石は最早魔法的ではなくなる。

作成要項

必要条件《その他の魔法のアイテム作成》、デス・ウォード

次は?

PCはダーハムを殺しているだろうが、彼の創造主は未だ地中深くに潜みながら怪物の、あるいは地獄のクリーチャーとさえ、同盟を結んでいる。ダーハムに新たなる主人の力を誇る機会があるのなら、PCはエリア4にある隧道を発掘して彼を探そうと決意するかもしれない。PCが冒険が終わっても上位の脅威に気付いていない場合、彼らは寡黙で、不自然なほどに和やかな図書館の司書と出会い、地下から解き放たれた悪について教えてもらえる。キャラクターたちがデルシーラスを追跡しない場合でさえ、彼は邪魔されたことを忘れない――彼は自分の仕事を終えた後に確実に彼らを探す。


著者について

Miguel Duranは数ヶ月前にWotCに就職した時、Skip Williamsによる勤務後の遊戯での苦痛と恥辱に耐え切った。この冒険はそうした夜によって無意識に刻まれた好みの記憶を製品にしたものだ。日中、Miguelはダンジョンズ・アンド・ドラゴンズゲームの販売促進企画者をやっている。夜間、彼は書き物をやっており、おとんとおかんを呼ぶことを一貫して忘れる。(ねえおかん! ねえおとん!)

訳注

報酬
経験点(ストーリー経験点含む) 約10,000XP
4人が次のレベルになるのに必要なXP 16,000XP
実際の宝物 約9,388gp
脅威度から求められる宝物 約9,050gp